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あのね、またお迎えしたの。

拠点に戻ったの。


 今回の奇襲攻撃は成功した。

 あちらの大きな駒のうち、一人を真っ二つ。

 そして、もう一人を拘束できた。


 片方を生かしたのは、勿論知ってることを吐かせることと。


「あがああああああ、ひやあがあぁああああああああ」


 帰還してからすぐ始めた。


 自室に、捕まえて来た少女と共に籠もる。

 同室には、エルフのエルシーちゃんとエルダーちゃんも一緒。


「で、君達のボス、あれは何者かな?」


「し、知らないの、だ、ほ、本当なの、だっ」


「ふ~ん、そうなんだ」


 錆びたナイフで、ゆっくり腹を割く。

 切れ味が悪いから、中々進まない。


「ひあああ、あひああああああああああ、いだああああああああああああ」


 臓物があふれ出る。


それを、私はまた元の場所に押し込んで。


「エルシーちゃん、エルダーちゃん、回復魔法よろしくねぇ」



「は、はいぞな」

「りょ、了解ぞな」


 質問の度に、解体して。

 解体の度に、回復させて。


 それは、36時間を経過してなお続いていた。


「う~ん、本当に知らないみたいね。あの子は、仲間すら信用してない感じ」


 うふふ、私と同じだねぇ。

 なんとなく、似たもの同士という感じがするよ。


 自分が至上で。

 自分以外は真には信じられない。


 天井から吊されている少女に目を移す。


 肉体は何度も壊され、何度も修復され。

 目は虚ろで、もう悲鳴も上げない。


「しょうがない、二段階目にいくとしますかぁ」


 ナイフを机に置いた。


「エルシーちゃん、エルダーちゃんは、お疲れ様だよぉ。ここからは私、一人でやるね」


 この二人にはかなり無理させちゃったよ。

 ゆっくり休んでね。


「さて、上書き、上書きっと」


 私は、うっすら笑って、少女に近づいていく。


 

 そして、さらに12時間後。


 私がようやく自室から出てくると。


「あ、姉上っ」

「お姉ちゃんっ」

「「姉様っ!」」

「アオイ姉さんっ!」

「姉者っ!」


 各種族、六人の妹達が心配そうに駆け寄ってきた。


「食事の用意はできております」

「お、お風呂も用意してるよっ!」

「「肩でも揉みぞな?」」

「もし、あれなら私はいつでもアレの用意はできてるよっ!」

「あ、フレム、お前、さりげなく、なら、私もだっ!」


 うんうん、みんな気遣ってくれてありがとうだよぉ。


「うふふ、その前に、紹介するよ」


 私の後から、部屋から出てくるのは。


「ま、円なのだ。よろしく、だ」


 やったね、今日からまた姉妹が増えるよ。


 サイドテールの黒髪。眠そうな瞳、そしてギザギザの歯。

 種族は、私と同じ、人間。


「姉上、そいつは敵です、信用なりますか?」

「・・・・・・その人、やばいよ」

「あれだけの拷も、いや躾けに、耐えたぞな」

「並の精神力じゃないぞな」

「今回ので、戦力はこちらが上回ってる。無理に仲間にする必要性はないような気がするけど・・・・・・」

「そやつ、そもそもどれだけ使えるものか」


 流石に、すぐには受け入れてもらえないね。


「ならさ、円ちゃん自身に証明してもらおうか」


 現在、五大陸のうち、三大陸はあちらが制圧している。

 ここらで、五分に持ち込みたい。


「主力が欠けた今がさらに好機。これから三時間後に、サンニュール大陸、最大都市ブルックの南に隣接するジンボンを落とす」


 ブルックは、先日、この円ちゃんと他一人から奪った。

 その後、手つかずだから、蓮華ちゃんの支配下にあるとはいえ、隣のバージニとジンボルが侵攻してくるかもしれない。ジンボルの南は、シフィア。ここは私達の陣地。

 ジンボルさえ手に収めれば、その後のブルックを平常させてた後、バージニへ一気に攻勢を仕掛けやすい。


「てわけでさ、円ちゃん、ジンボンの王の首、取ってきて」


 私がそう言うと、妹達、全員が驚愕した。


「いやいや、姉さん、さすがに三時間後じゃシフィアとの連携は取れないよ。ただでさえブルック完全制圧のための兵をハルハル側に集結させたばかりだもん」

「そ、そうです。姉上、せめて、ブルックの混乱を抑えるのが先かと」

「そうじゃな、仮に、前回のように我らも一緒に少数精鋭で乗り込もうというなら、それは難しい話じゃ。我はまだその女を信用しておらぬ、そんな奴に背中は任せられんからの」


 あらあら、みんな、早とちりしてるよ。


「違うよぉ、これはシフィアも、私達も一切手を貸さないよ」


 円ちゃんに顔を向ける。


「これは、円ちゃん、一人でやってきてもらうの。ジンボンはあっちの友好国、さらにそれを単騎で落とせたら、皆の不安も無くなるでしょ」


 ジンボンはあちらにとっても重要な拠点、それを潰して、尚且つ単騎でそれができるなら戦力としても申し分ない。これなら誰も文句は言わせないよぉ。


「で、やるのかな?」 


 円ちゃんの方に顔を向ける。


「や、やるのだっ! やって、みせるのだっ!」


 一切の迷いもないまま、力強く、私にそう言った。

うんうん、いい子だね。上書きは上手くいったみたい。


「期待してるよぉ。いい返事だったから、ご褒美をあげよう」


 さすがに、今の状態でのソロプレイでは、一国を相手にするには力不足。

 それを見越して質問して、円ちゃんはそれでもやると言った。

 だから、少しだけ力を与えよう。


「エルシーちゃんと、エルダーちゃんは、ゲートの準備を、私達はそれまで少し出かけてくるよぉ」


 この子は、まだ属性解放してないね。

 さてさて、この子は、一体どんな力が宿るだろうか。


 ちなみに、料金はまた踏み倒そうと思います。


 メインが一段落ついたので、こっち頑張ります。

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