あのね、試してみるの。
もう設定すら忘れるほど久々に更新しました。
属性強化を受けたの。
見た目的には分からないけど、相当強くなったみたい。
「新しい玩具が手に入ったね。そうなったら遊ばなきゃだよぉ」
すごくうずうずしちゃう。
手を翳すと、黒い靄が沸き立つ。
これが闇。
私の新しい力。
グラドオルは主にドワーフが主体の国だけど、他の種族がいないわけではない。
管理するには単種族の方が色々都合がいいよね。
じゃあ・・・・・・いらないかな。
いけない、いけない。頭を振る。村の一つや二つ潰しちゃおうと一瞬考えてしまった。
同種族の妹達の心証も悪くなるし、辺境にも拠点はあったほうがいいよね。
となると。
「ねぇ、フレムちゃん。グラドオルでは山賊とか魔物とか暴れてないの?」
私が聞くと、フレムちゃんはメガネをくいっと持ち上げた。
「山岳近くにはいっぱいいるよ。通行人を襲って金品や女を奪う輩はどの大陸にもいるからね。村自体を襲う賊も多いよ」
「ふ~ん・・・・・・」
ドワーフはカジーナちゃんがいるからなんとか取り込めそう。そうなると残りの種族を私達のファンにするにはいい噂も流しておくのもいいかも。
「よし、グラドオルの山賊を潰そう。フレムちゃん、さっそくリスト化して。手分けして討伐に行こう」
フレムちゃんには、それぞれの大陸の問題点をすでに調査させている。その中に賊による襲撃事項も盛り込まれてるはず。
数時間後、私は単独でグラドオルの大地に立つ。
最寄りのゲートから結構遠かったね。それだけに侵攻上あまり重要ではない。
でも、今は別の目的がある。
それは、勿論。この属性の力を試す事。
闇を泳ぐ、この感覚。
とても心地いい。
これが私の属性なんだ。
ただ山賊を潰すだけじゃ意味がないね。
どうせなら効果的にいこう。
私は、まず教えられた山賊のアジトに行き、石に包んだ紙を投げ込む。
隠れ住んでるエルフの里を記した地図だ。
これで動いてくれるといいんだけど。
一時間くらいかな。思った以上に早く行動を起こしてくれた。山賊達は数十人の群れで巨大ワニのようなライニーに乗って移動しはじめた。
「うふふ。いいよぉ。少しだけ楽しませてあげる」
私はその後を気配を消しながらついて行った。
突然の襲撃に里は阿鼻叫喚の巷に包まれる。
静かに暮らしていたエルフ達に襲いかかる山賊達。
男は即座に殺されていく。女は衣服を破られ慰み者に。
里の人数は五十人てとこか。
半分が殺されたら動こうとしよう。
それまでは岩場の上で見物といきますか。
悲鳴、怒声。家には火がはなたれ燃えさかる。
逃げ惑うエルフ達。足の遅い老人や子供が真っ先に切り裂かれる。
女のエルフには数人の男達が群がる。
いいよ、いいよ。もっと暴れて。もっともっと。
上質の映画を見ているよう。一瞬たりとも目が離せない。
体が悶える。あそこがじわりと湿る。
でも、残念、本当に残念だけど、そろそろ時間だよ。
飛び降りる。里の中心に落ちるように。
降り立った私は、まずは挨拶。
これは大切な事だよ。
「どうも、どうもー」
突然降って湧いた私に、山賊達の視線は一斉に集まった。
それでも腰の動きは止めない奴もいたけど。大抵は動きを止めてくれたよ。
「・・・・・・あぁ? 誰だ、てめ・・・・・・めめっ」
最初に声をかけた男の頭部が落ちる。
あ、我慢できなくて答える前に殺しちゃった。
まぁ、いいや。
「葵だよ」
名乗りを上げた瞬間。私の体から黒いオーラーが一気に湧き出た。まるで噴水のように足の先から頭を飛び越えて空に向かう。
あああああああ、気持ちいい。なになに、この中、とてもいい気分。
でも、意識を取られては駄目だね。見境なく皆殺しにしちゃいそう。
飲まれては駄目。荒れ狂う黒い渦を押さえ込むように、精神を集中する。
「はい、ボンっ!」
手を握ると、前方にいた山賊数人の頭部が破裂した。
わぁ、すごい。血飛沫を上げて綺麗に木っ端微塵だね。
これは魔剣を使うと逆にやばそう。素手で充分。
「ひ、ひぃぃぃ、あ、悪魔・・・・・・」
いきなり属性を行使したから戦意を一気に削いじゃった。
山賊達は蜘蛛の子を散らすようにその場から逃げ出す。
「なんだよぉ。かかってきなよー」
まぁ、一人も逃がさないけどね。
私の体から黒い糸が周囲に広がる。
山賊達の体に絡みつき捕獲する。
全員漆黒の腕によって宙に上げられた。
「丁度私が通りかかったから良かったよ。悪い山賊は、この葵ちゃんが懲らしめてあげる」
頭で指定する、それに応じて数十本に別れた黒いオーラが反応してくれる。
まず、一匹。ぎゅっと握り潰すイメージ。
締め付けられた山賊は体を圧縮されてパンっと弾ける。
血と肉片が飛び散った。
それを見た、他の山賊達の顔が蒼白になる。
わかってるんだね、次は自分の番だって。
もうこの先に待ってるのは死だけだって。
勿体ないけど、纏めていくよ。
せーのっ。
全ての触手に指令を出す。
全ての賊に力を込める。
全てが圧迫される。
一斉に割れた。同時に臓器や骨、眼球などが混じる赤い雨が降り注ぐ。
それを浴びながら私は愉悦に満ちる。
「うふふ、あったかーい」
思った以上に便利な能力だね。属性によって使い勝手が違うんだろうけど、私にはやはりこれが合ってるみたい。
後は、親身になって生き残ったエルフを介抱しようか。
可愛い子は個別に対処してあげる。
突如現れた救世主。
自分達を救ってくれた勇者様。
こういう里や村はそういうマッチポンプで私達に信仰させよう。
今回は力加減がよくわからなかった。
今度はうまくやろう。
もう少し、ギリギリまで生かして生かして生かして。
そして一気に殺すの。
目が血走り、涙や鼻水、涎、糞尿を垂れ流しながら。
最後は臓器を撒き散らして。
その光景を少しでも見ていられるように。




