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あのね、起きたらどっちもいたの。

 体がゆらゆらする。

 今、私は赤い海に浮かんでいるの。波に任せて、ゆらりゆらり。


「おい、起きろっ! どういう事だっ! おいっ!」


 空の方から声が聞こえる。


「息があったのはお前だけだっ! どういう状況だったか説明しろっ!」


 うっすら目を開けると、可愛い女の子が私を揺さぶっていた。


 あれ、ここどこだろ。いつの間にかベットに寝てる。服も着てない、ほぼ半裸だった。あ、これは夢だね、じゃあ、遠慮なく頂くよ。


「う~ん、可愛いね。食べちゃおう」


 ぼーっとしながら私は少女の唇を奪う。


「・・・・・・っ!?」


 閉じていた口内を無理矢理こじ開ける。舌と舌を絡ませていった。

 音を立てながら、歯の裏、軟口蓋、硬口蓋と刺激していく。

 少女の力が抜けていく。ふにゃふにゃになり体を支えられなくなっていた。

 私に覆い被さるように倒れ込んできた。


「安心してね、私のはワールドエンドだから、大丈夫だよ」


 上着に手をかけ、するすると脱がしていく。

 そして、その後ワールドエンドな・・・・・・。



 まだ、頭がはっきりしていない。それでも用意された服を着て私は立っていた。

 瞼はほぼ閉じている。薄めで視界を取り込む。なんか、船の看板にいるみたい。

 隣には夢で出会った少女、前方には屈強そうな男達が大勢見える。


「今日から、この海賊団はこのアオイの姉上の傘下に入るっ! そして私はこれから姉上を支え共に世界を統一する事になったっ!」


 突然の宣言に、手下達から響めきが起こる。


「それから、我らの同胞の仇を見つけ断罪するため、うちはここをしばらく開ける。通常通りに事にあたればいい。定期的に指揮はとるから留守を頼んだぞっ!」


 充分な説明を受けられず、納得いかない船員達をその後、少女は説き伏せていった。


「姉上、ご指示を。先ほどの話では我らの同胞を襲ったのは山賊だと言っておりましたが」


「うんうん、そうだよぉ、多分、竜人の所じゃないかなぁ」


「っ! なんと、竜人の山賊団といえば、バハヴァリアンですかっ!? でも、うちに喧嘩売るのはそこくらいかもしれませんな」


「あ、でも違うかもしれないし、その竜人も妹に欲しいの」


 足下が覚束ないから、この女の子の背中におぶさる。ついでに首筋を舐めた。


「ひゃっ! もう、姉上ったら」


「とりあえず、行ってみようっ! あ、私転移使えるから近くまで行くね」


「おお、姉上は魔法を使えるのですか、さすがですっ! では、行きましょう」


 私は夢の続きを見ているみたい。

 まだ覚めないで欲しいな、せめてもう一人の顔を近くで見るまでは。


 山賊のアジトについた私達。それを見た山賊達が慌てふためく。


「き、鬼人だっ! 鬼人が来たぞぉぉっっ!」

「な、なんで、こんな所に鬼人がっ!?」

「お、お頭を早く呼べっ! 俺らでは手が付けられんぞっ!」


 怒号が飛び交う。山賊の人垣が割れ、奥から一人の少女が姿を現し、ゆっくりとこちらに近づいてきた。


「なんじゃっ! なぜ、ここに鬼人がおるぞっ! 我らになにか用かっ!」


 凜としていて、姿が見えた時から空気が変わった。山賊なのにどこか気品がある。


「姉上、どうでしょう? こいつらでしょうか?」


 鬼人の少女は私に囁く、頬にかかる息がくすぐったい。


「う~ん、違うぅ、でもあの子は欲しい。鬼人ちゃん、取ってきて、あれ妹にするぅ」

「心得ました、では姉上はここでお休みください」


 鬼人ちゃんは、私を優しく地面に降ろすと、槍を手に持ち竜人ちゃんに足を向けた。


「おい、そこの竜人よ、うちの姉上の妹になれ、姉上の願いだ、嫌とは言わせん」


 貧乳ちゃんの槍が竜人ちゃんに向けられた、対する巨乳ちゃんも腰の刀を抜き放つ。


「なにを馬鹿げた事を。笑いを通り越し怒りすら覚える。見たところ、ただの人ではないか、誇り高き竜族がなぜ、人間の下につかなければならんっ!」

「そうか・・・・・・ならば力づくで認めさせようっ!」


 大地が揺れだした。向かい合う二人の闘気がぶつかり合って、私の体がとろけそう。

 そして、激しい衝突が起こり、二人の戦いが始まった。

 私は、それを確認すると夢の中のさらなる奥へと意識が歩いて行った。



 むくりと体を起こす。うっすら目を開けると、そこは荒野だった。所々で煙りが上がり、地面がいくつも陥没している。こんな風景全く見覚えがない。だから、これはまだ夢なんだと思った。


「ん・・・・・・中央で倒れてるのは、竜人ちゃんと鬼人ちゃんじゃないかぁ」


 丁度、欲しかったんだよね、たしか起きてる時に手に入れたかった種族だったんだけど、良い案が浮かばずに、かなり手こずってたんだよ。それが目の前に転がってるとは、なんていい夢なんだ。


「よいしょっと」


 私はボロボロで寝そべっていた二人を肩にかけて、その場を後にする。


「拠点に戻ろう。そして、いっぱいこの子達で遊ぶんだ」


 私はえへえへと口元を緩ませながら家路を急いだ。



 二人をベットに放り投げた。


「よし、じゃあまず巨乳ちゃんをだね・・・・・・」


 今までの妹達をは比べものにならない大きさだよ。

 これは、楽しまなくちゃね。

 それじゃあ、頂きます。色々やってれば途中で目も覚ますよね。そしたら三人で朝までがんばるの。



 翌朝、私が目を覚ますと、自室のベットだった。


「あれ・・・・・・私、いつ帰ってきたんだっけ?」


 記憶が全くない。たしか、海賊達の立ち寄る酒場でミルクを飲んでいたんだけど。その後がどうしても思い出せない。


「・・・・・・うぅ、頭痛いなぁ。なんでだろ、それに私、裸だし、おかしいなぁ」


 喉が渇いて仕方が無い。体中を襲う倦怠感を我慢して起き上がる。

 下着だけ着けて部屋を出ると、下がなんだか騒がしかった。


「ね、姉さん、これは一体どう言うことっ!?」


 フレムちゃんが勢いよく階段を駆け上がってきた。


「んぅ? なんの事?」


「なんの事じゃないよっ! 朝起きたら、鬼人と竜人が一緒になってご飯作ってたんだよっ! 姉さん、どうやって引き込んだのさ?」


「え~、私、知らないよぉ」


 事実を確認するため、フレムちゃんの後を追って炊事場所に行った。


「あ、姉上、おはようございます!」

「姉者、今日からお世話になるのじゃ」


 フレムちゃんのいう通りだった。二人は協力して朝ご飯をこしらえていた。一体全体どういう事かな。


「う~ん、ま、いっかぁ。妹になるっていうなら名前を付けてあげなきゃね」


 貧乳鬼人は、オニチナちゃん。巨乳竜人は、パンドラちゃんにしよう。

 詳しい経緯は後で二人に聞けばいいよね。

 あれ、これで当初の目的人数が揃ったよ。

 これで、やっと先に進める。

 いよいよ、暴れる時が来たね。

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