ゴブリンの襲撃
数日が経ちイリス達が治療院で回復魔法の練習をしている昼過ぎ、ニナとレナはグレン達と一緒に執事であるグスタフとメイドに色々と教わっていた。ニナとレナはイリスのメイドとして、グレンは執事としてだ。アイナとユイナに関してはグレン達のサポートをする為にメイドの事を勉強している。
「我々バトラーとメイドは主人の傍に控えてお酒や食器を管理し、主人の給仕をするというのが本来の職務です。しかし、それはあくまでも三流の事です。我々は主人の代わりに使用人全体を統括し、その雇用と解雇に関する責任と権限を持つ事になります。この意味がわかりますね?」
現在、ログハウスにあるリビングで並んでいる子供達の前でグスタフは講義している。
「はい」
「ニナさん、どうぞ」
手を上げたニナを指名するグスタフ。ニナも指名されて一歩前に出て答える。出る動作はキビキビと流麗に行われる。駄目なら容赦なく駄目出しをされて指示棒や鞭で叩かれる。
「主人に害する存在を雇った場合、主人を危険に晒す事になります」
「そうです。未然に防げればまだいいですが、雇った時点で我々の失態です。これを避ける為には人を見る眼を養わなければいけません。これは従者の仕事も含まれますが、我々は主人の傍に常に控える訳ですから私的な秘書として公私に渡り主人の補佐をしなければなりません。ここまで出来て二流です」
「難しいな」
「だね」
「大変ですねえ」
グレンにアイナとユイナも同意する。
「そうですね。そして一流になるにはこれらに加えて主人を万全に補佐する為に様々な知識を事前に蓄えておかなくてはなりません。超一流はもしもの場合、身を呈して主人を守らねばなりませんので武術の心得が必要です。これに関しては既に習っているので知識などをお教えします。ちなみに妥協は許しません。伯爵家であるエーベルヴァイン家に相応しい技量を持ってもらいます」
グスタフは伯爵家に相応しいと言っているが、そんなものは王族や公爵クラスでなければ持っていない。駄目元で育てるつもりなのだ。それに問題の一つになる戦闘能力に関してグスタフは問題無いと理解している。訓練風景を見ても軽々と大剣を振り回すグレンに様々な武器を使うレナとニナを見ているからだ。
「それに傍に控えているので基本的には見目麗しい方が喜ばれますので、容姿にも気を付けるように。エーベルヴァイン家の場合、異性の主人の場合は夜伽をしなければなりません。貴方達は奴隷なので問題はありませんが、断る事は不可能だと思ってください」
メイドさんが補足していく。その内容にレナとニナは真っ赤になる。アイナとユイナは既にグレンとしている事もあり、多少恥じらうくらいだが、性奴隷として教育を受けているのでその辺は理解している。
「そこの2人は性奴隷でしたね。この子達に色々と教えてあげなさい。2人はイリス様の練習相手になるでしょうから」
「わかりました」
「うん。最初は色々大変だった」
「すまん……」
「頑張ろう」
「頑張る」
「ちょーっと待ちやがれです!」
そんな話をしていると、扉を蹴り破ってリタが入ってきた。どうやら森から戻ってきた所のようだ。
「なんですか、獣人」
「イリスのはじめてはアタシのもんでやがります! ぜってぇーに譲らねーです!」
「ふん、獣人風情にエーベルヴァイン家のイリス様の相手などさせられますか!」
「ああっ!?」
バチバチとメイドの間に火花を散らす2人。そこにスパーンッと指示棒が振るわれてメイドとリタの頭が叩かれる。
「あぐっ!?」
「ひゃうっ!?」
「選ぶのはイリス様です。下らない事で喧嘩しないように。それよりも随分と慌てていたようですね。帰宅時間も大幅に早いようですが……」
頭を抱えて居たリタは小首をかしげて少し悩んだ後、直ぐに両手を打ち合わせて内容を伝える。
「おっと、忘れてたのでやがります。講義は中止しやがれです」
「どういう事ですかな?」
「これはイリス様から頼まれた事ですよ?」
「……いえ、予想は付きます。襲撃ですね」
「いえーす。大量のゴブリン共がこっちに向かってきてやがるので狩りの時間だぞ!」
嬉しそうに獰猛に笑うリタ。その言葉と姿に子供達は身体を震わせる。グスタフは彼らを見た後、直ぐに手を指示棒で叩く。
「何をしているのですか? 急いで迎撃の準備を整えなさい。私はイリス様に連絡をしてきます」
「わ、私もついていきます」
グスタフの言葉にメイドも追従する。この場に居てもしもの事があれば嫌なのだ。特に捕まれば繁殖の道具にされて最終的には食べられる事が確定なのだから。
「とりあえず、準備するぞ」
「うん、そうだね」
「ええ、大丈夫です」
グレン達は直ぐに移動していく。レナとニナも手を握り合った後に頷いて直ぐに移動していく。
「ところで何体くらいなのですかな?」
「うにゅ。3100体くらいはいやがるです」
「ぶっ!?」
「汚いですよ」
「お、おかしい数ですよ!」
「まあ、そうですが……どうにかなりますか?」
「はっ、余裕なのですよ」
「ですが、出来る限り急ぎましょう。イリス様が居ない今、貴方様の力も衰えているでしょうから」
「任せてやるです」
グスタフは外に出て繋いである馬に飛び乗って急いで街へと向かう。
「ま、待ってくださいっ!!」
メイドもその後を追っていく。それを見送ったリタは家の隣にある村に流れている水路に指を入れる。
「お前らもこっち来て手伝いやがれなのです」
その言葉に水面が隆起していく。イリスに召喚されたアクアエレメンタルが防衛に回るのだ。
「リタさん、準備できました」
「できたよ、行こ」
「初陣だけど、頑張りやがれです」
「はい!」
「うん、任せて!」
リタ達は家から出てグレン達と合流し、防壁の方へと移動していく。目指すは川の真ん中辺りに作れらた防壁の上だ。当然、この防壁は敵の攻撃を防ぐ為に作られているので上の方まで登れるし、こちら側には階段を兼ねた橋も掛けられており防壁の内側に作られた足場まで通じているのだ。
「ん~まだ来てねーですね」
「それじゃあ、どうするの?」
「待機でやがりますね。アイナは攻撃魔法の準備をしてるといいでやがりますよ」
「わかりました」
リタの言葉にアイナは魔法の準備を行う。グレン達は森を見ながら各自の武器を点検する。既に点検は終えているのだが、やはり心配のようだ。
「そういえば、レナとニナはイリスと交尾するはいいんでやがりますか?」
「こ、交尾って……」
「あうっ」
「アタシは強い牡で暴走して狂ったアタシを受け入れてくれたイリスなら別に問題ねーですし、発情期が来た時にイリスもできるなら襲ってやるですが」
「襲うの!?」
「おおー」
あっけらかんと暴露するリタ。リタは獣人とはいえ獣としての部分も強い。強い牡はそれだけで伴侶の資格がある。
「レナはいいよ。どうせ奴隷にされてたし、今の生活は楽しいし」
「そう、ですね。私とレナだけじゃ税金を払えずに奴隷にされていたでしょうし、そうなると今の生活はまずありえないですよね」
レナとニナは親に捨てられており、どこに居るのかもわからない。避難民の中に潜り込んでいたらエーベルヴァイン領に到着したのだ。
「こんな美味しい料理をお腹いっぱい食べれるのはない」
「3食昼寝付きだしな」
「気絶と言いやがりますけどね」
戦闘訓練などで魔力を限界まで使って気絶すると、そのまま放置された後に起こされる。グレンはそれを昼寝と言い切ったのだ。ユイナも食事に釣られているといえる。
「身体を差し出すくらいで今の生活が維持できるなら、ご主人様は優しいしレナは全然オッケーだよ」
「レナったらはしたないわよ。でも、私も同じ。ご主人様の事はこれから好きになれば言い訳だし」
「なら問題ねーですね。さて、そんな話をしている間に獲物がやって来やがったです」
リタの言葉に全員が唾を飲み込んで顔を防壁の上から出して対岸の様子を伺う。対岸では木々が薙ぎ倒される音が響いて来る。昼間から来るだけあって自信があるモンスター達は堂々と進軍してきたのだ。
「おい、相手はゴブリンだって聞いたんだが……」
「うわぁ、変なのが居る……」
「それに数が多いですね」
グレン、ユイナ、アイナの順で思った事を告げる。
「お姉ちゃん、大丈夫かな?」
「だ、大丈夫よ。レナは私が守るから」
「お姉ちゃん……」
双子姉妹はお互いに抱き合って恐怖に震える。双子姉妹が恐怖に震えた理由は現れた存在による。それは3メートルを優に超える存在。ゴブリン達と同じで人型であり、全身を金属鎧に身を包んで2メートル以上ある大剣を背中に抱えながら木々を手でへし折って道を作って進んでいるのだ。
「おー今夜の夕食は豚肉でやがりますか」
古代ギリシャのカタイーチュクスというヘルムによって顔自体はよくわからないが、出ている部分からはオークだと判断できる。それが複数体居るのだ。
「おい、大丈夫なのかよ……」
「問題ねーですよ。所詮は豚なのでやがりますし、今のグレンならいい勝負ができるはずでやがりますよ。身体強化をカルテットにすればでやがりますが」
「それって普通は無理じゃねえか」
オークはその巨体に見合った怪力を持つ。脂肪も確かにあるが、基本的には筋肉でできている。単体ではゴブリンよりも強いが、頭が弱いので危険度はゴブリンの方が高い。それが複数体居るのだ。カルテットという事は4重を意味する。つまり、元の身体能力を1とすれば1×2で2、2×2で4、4×2で8、8×2で16となる。カルテットで通常時の16倍の身体能力となる。
「あっ」
オークは森から出た瞬間、足を滑らせて川の中に落ちた。対岸はイリスが削り取って拡張している為、森から出たら直ぐに川なのだ。そして、結構な深さがある為、金属鎧を着た状態では当然沈む。同時に水中にはアクアエレメンタル達が待機している為、口や耳などから入り込んで始末される事になった。
「オークは馬鹿でやがりますから」
「そうみたいですね」
「でも、ここからどうするの?」
「遠距離攻撃で攻撃が基本ね」
「じゃあ、行きますね」
アイナが杖を構えて詠唱を終えていた魔法をゴブリン達に向けて発動する。
「ストームサーペント!」
魔法は魔力とイメージからなる。それでも歴史の中で○○の魔法といった一般的な物が存在する。これは今まで沢山の魔法使いが詠唱を行なって放っていた魔法だ。多数の人がイメージを共有する事で作り上げられたもので効率がいい。より一層完成度の高いイメージが持てる強みもある。これらの事から支持した師匠の魔法に似る事がある。
今回の場合、アイナが使ったストームサーペントは蛇の形をした竜巻だ。蛇は口を大きく開けてゴブリン達に突撃して文字通り喰らい尽くしていく。イリスによって魔力量が底上げされている為、込められる魔力量も多く、威力が増大している。
残ったのは斬殺されたゴブリン達と大剣を盾にして耐えたオーク。その背後に隠れたゴブリン達だ。彼らは同胞の死体を踏み越えて火を付けた矢を大量に放ってくる。
「ひゃあっ!?」
「ひっ!?」
無数の矢は防壁に命中するが、弾かれてしまう。防壁の上まで飛んできた矢はリタが狐火を纏った尻尾を振るって広範囲に攻撃して無数の矢をまとめて焼き払う。
「ほらほら、楽しい戦いの始まりでやがりますよ!」
そのまま防衛戦ではなく、数千の敵が進んでくる敵陣の中に飛び込んでいく。
「俺達も行くか。やばくなったら下がればいいしな。アイナとユイナはここで援護してくれ」
「了解。まだ足でまといになる」
「そうですね。魔法と弓で適当に攻撃しましょう。幸い、敵は沢山居ますから」
「頼む。レナとニナは……」
「もちろん、行くよ」
「ええ。ここで待っている訳には行きませんから」
2人は手を握りながら立ち上がる。それを見たグレンは笑いながらヴァルフレアが宿ったミスリルの大剣を構える。
「よし、行くか」
「念の為にカルテットではなくクインテットで行ったほうがいいわね」
「わかったよお姉ちゃん」
「でも、維持できる時間が短いぞ」
「そこはアイナの魔法で補えばいいわ。余裕を見てこちらに戻って来るの」
「この距離ならジャンプでいけるしね」
「わかった。それじゃあ頼むぞアイナ。ユイナはこっちを援護しつつ護衛をよろしく」
「「任せて」」
改めて確認を終えた三人は身体強化を発動して防壁の上に乗り、思いっきりジャンプする。32倍の身体能力を得た三人は軽く川を飛び越してリタが暴れている場所とは違う所に落ちていく。
「行くぞヴァルフレアァァァァァッ!!」
グレンが大剣に大量の魔力を与えてヴァルフレアを活性化させる。そのまま落下して大剣でゴブリンを貫いて地面に地面に突き刺す。地面が割れて大剣を中心に十字の炎が出現して周りのゴブリンをまとめて焼き払う。ゴブリン達は身体が焼かれるのも気にせずに大剣を地面から引き抜こうとするグレンに向かって突撃していく。そのゴブリン達は緑色ではなく赤色で普通のゴブリンよりも格段に速い。
「させない」
「えい!」
突撃して来たゴブリン達はニナの鎖によって弾き飛ばされ、レナの糸で細切れにされる。2人は最終的に暗器をメインにする事にしたのだ。基本は鎖で迎撃し、隙を見て切断するイメージを込めた魔力の糸で切り裂くのだ。これは面白半分にイリスがとある死神と呼ばれたバトラーの事を教えたら面白そうという事でこうなったのだ。
「ぎぎっ!!」
「あめぇっ!!」
飛びかかってくるゴブリンを纏めて断ち切るグレン。鎖でグレンを援護しつつ連携して周りを切り裂きまくる双子姉妹。
「これならいけるね、お姉ちゃん」
「そうね。遅いから簡単ね」
恐怖さえ克服してしまえば人の生死をエーベルヴァイン領に到着する前に沢山見てきた子供達にとって、人型だとかは関係なくただの生きるための狩りだ。
「ぎぎ、ぎぎぎっ!!」
ゴブリンが声を上げるとこちらにオークが飛び上がって斬りかかって来る。2メートルを超える大剣と3メートルを超えるオークの体重が合わさった一撃に対して、グレンは大剣で受け止める。グレンの足は陥没して地面に埋まっていく。カルテットでは押し切られていただろが、現在使用しているのはクインテットなのでギリギリ耐えられた。
その間にレナとニナはオークの身体の上に飛び乗ってカタイーチュクスと鎧の隙間から首に輪っかにした糸をかけて飛び降りる。そしてそのまま反対方向に思いっきり引っ張ると首に糸が食い込んで引き裂く。首が転げ落ち、血が噴き出した。
「ぎぎっ!?」
一瞬で移動したレナとニナに驚くゴブリン達。グレンはオークの死体を弾き飛ばしてゴブリン達にぶつける。押しつぶされる事になりそうなゴブリン達は数体が飛び上がってオークの死体に蹴りを入れて弾き返してきた。
「うぉっ!?」
弾き変えした瞬間には他のゴブリン達が突撃してグレンを狙う。グレンはタイミングを見計らってジャンプしてオークを蹴って突撃してきたゴブリンにぶつけようとするが、こちらも蹴り返してくる。するとニナの鎖がオークに巻きついて鉄球として振り回していく。2人のサポートにニナが入り、ゴブリンを的確に排除していく。
リタの方は単体で黒い炎で爪を形成し、八重奏まで発動して虐殺を繰り返す。血走った金色の瞳で笑いながら暴れまわってクレーターを量産していくその姿はまさに狂った獣であり、エクストラボスの貫禄がある。腕や足をひと振りするだけで数十体のゴブリンが纏めて死に絶える。綺麗な和服や髪の毛は返り血で真っ赤に染めながらオークを引き裂く。グレン達と違ってどちらが人間の味方なのかわからない。完全な邪悪なモンスター対邪悪なボスモンスターの対決だ。
「ふははははは、やっと感覚に身体がまともに付いてきやがるようになりやがったです!! さあ、生け贄共、どんどん来やがれです! 全部美味しくアタシが喰らってやるから感謝しやがれです!」
イリスが居ない為に容赦なく喰らうリタ。リタに殺されたゴブリンやオークの死体は時を置かずに黒く変色して崩壊して鎧や武器、服だけとなっていく。存在そのものが喰らわれているのだ。ゴブリン達もただ殺られるだけでなく、円陣を組んだり包囲したりするが、リタにとっては関係なく喰い破られる。固まれば黒い狐火を纏った範囲攻撃が飛んできて、単体になればすれ違いざまに蹴散らされる。
「ぎぎ、ぎぃぎいいいいいいいいいーっ!!」
「お?」
ゴブリンが号令を出すとオーク達並んで大剣を横に構える。その前にゴブリン達が整列する。そして、次の瞬間にはゴブリンがジャンプして大剣に着地して、オークが思いっきり剣を振るう。
「何しやがって……あっ、それはずりーでやがります!」
飛び上がったゴブリン達は川を超えて防壁にぶち当たる。壁に当たったゴブリン達は短剣を器用に使って登っていく。防壁を超えたゴブリン達はそのまま内部へと進んでいく。そう、これこそがゴブリン達が編み出して恐怖の川を渡らない方法である。ゴブリン達はこの為にオークを連れてきたのだ。
「くっ!」
「あわわっ」
アイナは慌てて魔法を放って迎撃する。既に内部に到着したゴブリンはユイナが全力で対応する。だが、ゴブリンは殆どアイナとユイナを無視してログハウスへと向かっていく。物量に押し込んで本拠地を落とすつもりなのだ。だが、そんなゴブリン達を一本の矢が纏めて貫いていく。
「抜かれるとは思わなかったんだけどね~」
グスタフの報告を受けて急いで戻ってきたイリスとフィリーネが戦いに加わったのだ。同時にそれは天使達の参戦も意味する。
「そう、ですね」
数百メートルも離れた位置からフィリーネが弓を射てゴブリンを倒した。フィリーネが持つ弓もミスリル製で、魔力を込めれば込めるほど反発力が生まれ、弦は強くなる。
「まあ、こっちにこれても変わらないんだけどね。一匹足りとも通さないからね」
河原を走って向かって来るゴブリンに対してイリスは弾幕で答えた。川から組み上げて水路に流し込まれる大量水と魔力を使って生み出した水を利用して水の球体を無数に作成してゴブリンに放ったのだ。水球はゴブリンの頭を覆って口や鼻、耳から内部に入って窒息死させていく。固まっている所は天使を宿したフィリーネの正確無比な矢が纏めて串刺しにし、離れた所を弾幕で倒す。それでも必死に近づいてくるゴブリン達。それでも、リタ、ニナ、レナの3人がゴブリンを無視してオークを先に狩る事にした。グレンはアイナとユイナの下にジャンプして戻り、そのまま防壁の上で戦いだした。
「ジークルーネ、グリムゲルデはアイナとユイナに入って援護よろしく。ブリュンヒルデはそのままフィリーネの中で支援してあげて。フィリーネはどんどん射ればいいからね」
「はい。お兄様の期待に答えられるように頑張ります」
「そこまで気負わなくていいよ。大丈夫。フィリーネ達ならなんとかできるよ」
「はい!」
イリス達が戻った事でゴブリンとオークが狩られる速度が増していく。その勢いは苛烈で瞬く間に情勢が決してしまった。ゴブリン達も諦めて撤退を開始する。リタ達は追撃を行うが、数百体の伏兵にあって追撃を断念する。まだまだゴブリンの驚異は存在するのだ。




