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第一章:願い事〜出逢い

人間には翼がない。もちろん僕にも。そして君には光がない。光を感じることができないんだ。つまり君の目は、街の灯りも行き交う人の群もゴミをあさるカラスも素敵な景色だって全然見えないんだ。

彼女の名は藤井舞。

初めて彼女と出会ったのは僕が高校一年生のとき。

僕は学校の交流行事で隣り町の盲学校へ合宿コンクールで歌った唄をすることになりクラス全員で訪れた。

僕は正直、めんどくさかった。まだ思考が子供だったのと少しヤンチャだったからサボってしまおうとも思った。でも担任はそんな事許してくれる筈もないし、渋々行くことにした。県立西盲学校は全部で30人程度の比較的小さな養護施設だった。小学一年生から高校三年生まで割と幅広い子供たちがそこで共同生活しているのだ。

「おはようございます」

クラス全員で挨拶した割にすごく小さな声だった。でも返ってきた挨拶に僕は驚いた。

「おはようございます!」

僕たちの何倍出ていただろう?それくらい大きな声で挨拶をしてくれたんだ。それは僕が予想していた何倍も…。盲学校長の挨拶が終わり、早速僕たちは歌を披露することになった。 『翼をください』 まあ定番中の定番の曲を選んだもんだ。でも何故だか僕は挨拶で小さかったせいかすごく歌いたくなった。 指揮の手が挙がり伴奏がそれに続く。

「今〜私の〜───」

気が付けば必死に歌っている自分がそこにはいた。

そして盲学校生から大きな拍手があり、クラス何名かずつで花束贈呈があった。その後、盲学校生の代表の言葉になった。

「西盲学校生代表、藤井舞」

「はい」

その返事はとても透き通った声だった。

「県立南高校の皆さん、今日は素晴らしい曲を演奏してもらいありがとうございました。歌ってくれた曲の中の人物は願いが叶うなら翼が欲しいと言っていました。私たち全盲の人間にとっては願いが叶うならあなたたちのように普通の生活をしあらゆるものを"見る"ことを願うと思います。私たちは常に闇です。でも今日の演奏を聴き、頑張れそうです。南高校の皆さんも何事も諦めず頑張ってください。終わります。」

僕は鋭いナイフで心をえぐられたような気持ちになった。でもその言葉一つ一つが僕を変えさせてくれた。そしてその言葉をくれた盲目の彼女に惹かれていったんだ。



はじめまして。想といいます。この作品が自分にとって初めての作品になります。まだ不慣れですがどうかアドバイスなどありましたら是非ともお願いします。でゎごゆっくり…

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