表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/72

ポーラ

チャイルド

急ぎ足で帰る帰り道。

不意に何万光年かなたの空を見上げる

光りのような雪が降っている

走っていくポーラの大地を蹴るように

走っていくポーラの大地を蹴るように

大切なことは、ここで学んだ

多くの雪が、街を白く染めて、子供たちは、走っていく

瞳が無垢な

瞳が、無垢で澄んでいる

子供の優しい夢が、雲の間に、見つかると

飛行船を追いかけたときめきを信じてる

仲間と手をとって

仲間と手をとって、

喜びの涙を、ぬぐいとる

そんな心が、子供にある

さあ、忘れような

悲しみを

そして、飛行船を設計して、あの空に飛ばそう。

きっと鳥が横に並んで、君の瞳に微笑みかけたら

子供の君たちは、歌を歌う

一生懸命に、時を走る、

チャイルド

ポーラ

お話を読んできかせる

でも、君たちは、大地に立ち、真っすぐに大空を見上げる

強い瞳が、物語る

多くの夢と幻を信じてきた

傷つくときは、鳥のように羽を休め、ベッドで、数を数える

幸せになれるように

素敵なことがあると、歌いたくなる

コーラスを、あの森の中で

あの、林、岩場、草原、山の中

誰も聴いていないよ

君たちは、そんなことと言って、笑うんだ

寂しさは、友達が歌う唄で、忘れるんだ

それから、またみんなで走って、遊ぶ

あの海辺で、船を見つけて、もう誰も人がいない無人の船で、誇らしげと言って

そう言ってから、オールを漕ぐ

そのトキメキを、胸に秘めて、密やかなおしゃべりが、魚に聞こえて、笑う魚の鱗に、友情の口づけを交わして、約束をする、時の密やかな冒険心を時の螺旋に乗せて、飛んでいく

友情がいい

何ていうセリフが、こそばゆいから、指を立てて、腹を抱えて、ごまかすんだ

素敵だね

チャイルド

ポーラ

心にキスしてよ

痣が残らないように

君たちの優しい声が、公園に響いて、人がだれもいない公園を、かくれんぼの舞台にする

見つけると、どこかの化石の貝殻が、悠久の潮騒を伝えて

拾うそぶりで、じっと見る

なんだか涙が出る

と言って、

耳に当てると、傷ついた君たちは、追憶を嫌う

ただ前を向いて

走ってくれ

僕は追いつけない

だから、

素敵な君たちを抱きしめる夢を見る

遠い神が、どこかの街で、降りてくる。

とても悲しそうでやるせない顔をして。

君たちはぼんやりと神を見て、そっと微笑む

一緒に遊ぼうよ

神は笑って、泣いた。

可愛いね

チャイルド

ポーラ

頭を撫でられることを嫌う素敵な君たちの夢が、時の留め具を外していく

僕は、空から降る雪を、手の平ですくう

じっと、溶けていく結晶を

そっとしておいてよ

子供の祈りを訊かないで神様

どうか、そってしておいてよ

そんなことよりも、自由の空を見つめる子供の瞳の意味を知って

僕がポーラにいた頃、そばに居た子供が、大きくなって、たくましい

僕は、ポーラを離れて、違う所にいる

でも、あの頃神様がいた世界に、大地に降った憎しみと悲しみの雨を、傘も差さないで受けた子供たちは、今、走っている、神様、あなたを知らないで

神は言う

祈りではなく私と手をとってくれ

そして永遠の踊りを踊ろう

祝福よりも、泣いて笑おうよ

私や、君たちや、あの少年が子供だった頃、何を信じてた?

冒険

そう子供が言って、口を閉ざした神の目から涙が零れて、私もそうなんだよ

僕もだよ

あの鮮やかな空に、飛ばした飛行船に、誰かがいるから、

それは、君たちと私と少年と、信じあえる仲間だけ

世界は続く

強く、強く、生きるんだ

そう言って、神様はすっと、森に消えていった

あっけにとられた子供たちは、木の棒を持って、追いかけっこを始める

また時が過ぎて、夕日と朝日が繰り返したら、きっと悲しみは消える

そしたら、僕は、故郷のポーラを仰ぎ見る

飛行船が光ったけど、きっと子供たちかなと思って、笑うと、砂利を踏む音に、急き立てる風が鳴る

さあ、僕らのエターナルを、かけがえのない仲間に捧げたバラの花を、神が拾って、そっと海に流したら、忘却の中で、そっと笑おうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ