太陽に近い
近づいてくる
寂寞の情景に
近づいてくる
寂寞の情景に
視線をかわす
車をかわす
人波をかわす
決して軽やかではない
ポップノイズに消えていく
グラスに満ちた月の雫を
なめとっていく
なら
ここにある
世界をもっと遠ざけて
足を組んで、組み直す
太陽は、雲の先で、キスをする遠い記憶の世界の切れ間に光る輝きを
もっと、欲しがった若かりし頃の夢の枕辺に
甘美な美貌の淑女の指先にある悲しみに似た造形を
形作る焦熱の肉体
浴びるように、シャワー
錆びるように、なるなら、見つかる茂みの奥のネズミを
掴まえた頃に、忘れる、横顔の角度
遠くで、囁く暗闇の中で
奥に入っていくと、何もない虚無にも似た街頭で
構えるように、待っている
兎の瞳をした少女は世界の輪郭を忘れる
ポップノイズに消えていく
何もかも
それが、美しいなら、町はずれの廃屋で、残っているメイク道具の、着飾った記憶のある貴婦人の夢に、少女のころの面影を愛する
壁を蹴ると、返ってくる隣家の足音に、森の夜のいななきを
まるで、太陽を知らない小鳥のように
それでも、飛んでいく空に、近づくために
月が、落ちるように、星が、輝くと、夜明の情景を、何度も振り返る。
街は、静かにそのままだ
肌着を着替える少女の汗に、キスのあざがあるなら、夢は、果てしなく続く
窓のカーテンの隙間から、そっと小鳥が横切ると、夜明の街で、路上の落ち葉を拾うように。
群衆をよけて、街は、空の境界線を越える。
太陽が、照らすのは、木々の眠りを覚ますため
月が、照らすのは、森の獣の寝息をかき消すため
それを知るなら、この星の下で、独り、渡る旅人を、勇気づける調べは、誰も知らない
どこかで、タヌキが、寝息を立てると、音を消すように、毛布を掛ける手をとる少女の、孤独に、影が、壁に映って、照明を怖がる子供のように、部屋の外の静寂は、幻に、耳を澄ませる、通り抜ける埃に舞った外套を脱ぐ、その擦れる音に、反射していく湖の、隠された心を、そのままにして、旅人は、休まると、風の泣き声に、子供の頃の、庭を、想い出す。




