〜new friend〜体育の授業
僕、トレイはカミーユから聞いたポールについて衝撃的な話を聞いてポールが楽しそうに笑って遊んでいる夢を見た日から一週間がたった。僕はその間授業にも出ず図書館で感情をなくすスキルについての文献資料を探していたが探していた情報は見つからなかった。わかったことはスキルには特別なスキルがあり、おそらくポールがかけられているスキルはおそらくそれの一つなのだろう。そしてもし王や貴族によってかけられている特殊スキルはそれぞれの貴族が特別なリーブルによって親から子に継承されていくスキルの可能性が高いらしい。そしてそれは親族以外には絶対見せない物であるらしい。そんな物を僕が手に入れることは無理だと思った。しかし、一つだけ役に立つ情報があった。それはこの世にはどんなスキルも解除できるスキルがあると言うことがわかったことだ。それは特殊スキルにしか使えないらしいが。しかし、今の学校に閉じ込められている状況でそのスキルが載っているリーブルやマルクを探すことは不可能に近い。なので僕は残念だが諦めるしかなかった。
そして今日の朝ご飯を食べ終わった後、久しぶり授業に出ようと思い、時間割を見ていた。しかし今日は基礎の授業はなく、全員強制参加の体育の授業があるらしい。僕は面倒くさいと思ってサボろうかと思った何全員参加なので仕方なく体育の準備をしていると、ポールとカミーユが食堂から帰って来た。そして彼らと一緒にグラウンドに向かった。そこには多くの生徒がいた。そりゃそうだ。今ここに一年の全員が集まっているのだから。前に4人の先生出てきて、自己紹介し始めた。
「皆さん、おはようございます。私の名前はパトリスといいます。属性は獣です。君たち一年の体育を担当させていただきます。これからよろしく。ついでに僕が好きな食べ物は〜」
と感じで4人が自己紹介していった。いちいち覚えるのがめんどくさかったので覚えていないが、名前はアリス、ヤンドニという名前だった。そして属性はみんな獣か道具であった。やはり属性上獣と道具は体のステータスを多く必要とするので体育の先生はその属性の人が多いのだろう。とまるで絵に描いたような体育会系の先生であった。そして一番最初に自己紹介した先生が話し始めた。
「早速だが体育の授業を始めようと思います。まず初めにみんながどのくらい動くことができるのかテストしたい。 なのでそれぞれの先生に見てもらいたいので4つのグループに分けます。」
そしてグループに分けられた。僕はパトリス先生担当のグループになってしまい、一年生の中で唯一知っていたポールとカミーユと別れてしまった。そして先生は
「まず2人のペアをどんどん作っていけ。」
といった。僕はあまり人と話すのは上手くなく周りがどんどんペアを作っていく中であたふたとしていた。そして残りが10人になった時、僕は半ば焦って、前にいたまだ決まっていない子に声をかけた。
「僕と組まない?」
僕はこの言葉を言った後、恐怖が襲ってきた。もしこの子に断られたらどうしようと言う恐怖だ。しかし、その空想は空想のままで終わった。
「うん、いいよ」
と言ってくれたからだ。 そして僕らはペアになった。彼の名前はパルトと言うらしい。属性は炎らしい。そして体育の授業が始まった。テストは前の世界の体育テストと同じだった。シャトルラン、腹筋、50m走などだ。僕は前の世界では運動神経はあまり良くなかったが、こちらの世界ではそんなこと関係ないらしい。パルトくんもそこまで運動が苦手ってわけではなかったので僕らは悪くもなく、よくもなくと言う感じだった。そうしてのらりくらりやっているうちに体育の授業は終わった。悪かったものは居残りでグラウンドを走らされたり、腹筋を200回するまで帰るなと言われていたので、僕らはそんなことにならなくてよかったねと言いながら昼飯を食べるため食堂に向かった。
パルトくんも食堂で食べるため、一緒に行くことにした。そして昼飯を食べながら、彼からいろんなことを聞いた。彼の苗字はリバルというらしく、一応貴族らしい。しかしそこまで高いくらいのものでなくただ一部の生産者をまとめている仕事らしい。なので、そこまで稼ぎもなく、もっと上の位を目指すために強いブリーブになりたいらしい。 そしてそんなことを話している間に僕らは飯を食べ終えた。そして彼が
「明日の夜、一緒に遊ばない?」
と言ってきた。もちろん僕はわかったと言い、彼の部屋番号と時間を聞いて僕らは別れた。
その日の夜、僕は前の世界の僕を思い出していた。僕はそこまで裕福でない家庭に生まれた。しかし、よく物を無くしたりしてしまい、僕は毎日のように父に叱られたのだ。
「なんでお前は物一つ管理できないんだ。」
暴力を振るってくることはなかった。しかし、それでも僕にとって辛いことだった。そしていつも父は僕に怒るだけ怒ってすぐに寝室へ行ってしまう。その時は僕は悪くない、ただものが勝手に無くなっていってしまうから仕方が無いじゃないかとか思っていた。しかし少し歳をとる見える世界も変わって来た。父は毎日フラフラになるまで働いている。それなのに、僕のものを買うための無駄なお金を使っているとわかったらそれは怒るだろう。つまり僕が悪いと気づいたのだ。しかし気付いたところで治らなければ意味がない。とわかっていても治せなかった。後に分かったことだが僕は一種の障害であり、そう言うものの管理などがあまり上手くできない障害があったのだ。その時に父が言った言葉を僕は今でも覚えている。
「健太、いつも強く言ってしまってごめんな。俺には心にもお金にも余裕がなかったんや」
僕はその時やっとわかってもらえた気がした。そして同時に父の涙に驚いてしまった。父は父で大変だったのだろうそして僕はこんな障害を持っていても暮らせるように勉強を頑張り、できるだけお金を稼ごうと努力したのだ。そのおかげで僕は数学の分野でトップレベルの教授になり、お金も多く手に入れることができたのに… そんなことを考えるとより一層悲しくなった。しかしこれが寿命を伸ばすためのチャンスであると自分に言い聞かせた。そんな事を考えていたら寝てしまった。そしてある夢を見た。前の世界の僕が妻と子供と一緒に遊んでいる夢を・・・
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