サトリエルの屈辱
原初の記憶は、くるくるとベビーベットの上を回る飾りの回る速度。
こんなもので誰が喜ぶというのだろう、愚かな、どこまでもおろかな、
人類。
こんな奴らは根絶やしにしてしまうが、よきかな。
神を失望させ神を悲しませるアダムの子ら。
僕の名はサトリエル、いや、今はヨルミエルという名前だが。
天使の言葉で神を裏切るという名前だ。
かつての僕は神の背後を守っていたが、いまはサタンの親衛隊隊長として、サタンの背後を守っている。
そのいきさつはこうだ。
ある日僕は神の背中という意味を持つサトリエルという名前を誇りにしていた。
天使の中で唯一、神に反対意見を述べてよいという特権さえあたえられていた。
ある日、神は人という新たに神に似せた生物を作り、彼らに楽園エデンを与えると言った。
僕はそれに対してこう言った。
「神よ、承服しかねます。あなたの天地創造の過程であなたのために働いた天使に楽園を与えるべきです。
神は答えて言われた。
「それは聞けない頼みだ。今日かお前はサトリエルではなく、ヨルミエルを名乗れ。お前のしたいようにするが良い」
ヨルミエルとは神を裏切るという意味の名前なのだ。
僕は絶望と屈辱を感じて神に言った。
「僕があなたを裏切るというのですか? 神よ!」
その時僕にサタンが入って言った。
『お前は神を裏切るのさ。神を背後から刺して殺すがいい、くくく』
僕はその声に応じて言った。
「侮るなサタン。このサトリエル、断じて、断じて神を裏切るものか! 退け、サタン!」
サタンは言った。
『退くさ、今はな……』
それだけ言うとサタンは去った。




