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私がいない世界  作者: emi
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私たちは今、葬儀社にいる。


朝、早い時間に、私を看取り、そのまま、この場所へ来た。



自分の告別式の打ち合わせに参加するだなんて、


なんとも奇妙だけれど、


彼とあの子が並んで座るその隣に、一応、私も座ってみた。




私の前にだけ、お茶がないこの光景に、


私は、もう、この世のものではなくなってしまったのだと実感させられた。




祭壇や棺、骨壷、花、返礼品。


告別式に必要なもの一式が揃ったカタログを


見つめながら、


膝の上に置いてある手をギュッと握りしめている彼を、私は見逃さなかった。




『こんなことさせちゃって、ごめんね。


デザインなんて、こだわらなくていいよ。


パパッと決めてさ、早く帰って、ゆっくり休みなよ。』




伝わらないことを知りながら、


彼に伝えたいことを、一方的に伝えることしか出来なかった。




式場の予約と祭壇などのデザインを決めると、


プランナーさんは言った。




「今日はこの辺にしておきましょう。


お疲れだと思いますので、今日はゆっくりお休みになってくださいね。」




翌日の打ち合わせ時間を決めると、


後日、遺影に使う写真を持ってきてほしいと伝えられ、


ようやく我が家へと帰宅した。




私の告別式は、4日後に決まった。


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