無機物先輩
皆さんは「性癖」とゆう言葉をご存知だろうか。まあ、だいたいの人は知っている、もしくは持っている事だろう。
「性癖」とは、
「物を片っ端から収集する収集癖や、何事にも完璧を求める完全癖など、方向性や程度によっては、世のため人のためになる性癖もあるが、見え透いた嘘を繰り返す虚言癖や、自分の裸体や性行為を人に見せたがる露出癖、社会的欠陥があり、現実では誰にも相手されないためアイドルを追いかけてしまうアイドル癖、悪いと分かっていながら盗みを繰り返す窃盗癖や、火付けがやめられない放火癖など、病的なものや反社会的なものを指して性癖の語が用いられることは多い。また正義漢、お調子者、皮肉屋、ケチなどといった人間の類型も、特徴的な性癖によるラベリングの産物である(引用:ウィキペディア)」
だ…そうだ(汗)
つまり我々は「性癖」という言葉を誤用しているとゆうこと。
だがしかし、いま目の前で起きている事を…「性癖」と言わずなんと言う?
「あぁ、この曲がり具合、滑らかな感触、何よりもこのフォルムッ‼︎ああ!たまらん!たまらん〜〜!」
今現在、俺の通っている大学の先輩は…
トイレに欲情しているのだもの。
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「あ…あのぅ〜先輩?先輩〜い?……おいクソゴルァ!」
「ハッ……⁉︎なんだい?君もこのトイレの良さに気づいたのかい?」
「いやそんなことは無いです」
そんな俺の拒絶は耳に入って無いのか、入らないのか。先輩はクネクネしながらはぁぁっ⁉︎とか君も…君も僕の同士なのかい?とか言っている……自分も極力耳には入れないように努力こそしているが…
「せ、先輩!ここコンビニ!公衆の面前!落ち着いて!ね、ね?」
店員が変態でも見るかのような目でこちらを見てくる。いや、実際変態なのだが。
野次馬もどんどん増えてきた。そして変態でも見るかのような目で見てくる。いや、確かに変態なのだが!
そんな目で見るなよ!自分何もして無いのに変態扱いされるのやなんだけど!
心情は「や〜〜め〜〜て〜〜」だ。もうそれしかないよ。
公衆の面前とゆう言葉に反応したのか「お、おう。そうだな」と先輩。
コンビニには俺と先輩の愛してやまない「ムッチ」と言う微炭酸系のジュースを買いに来たのだか…どうしてこうなった?
ならば説明しよう。今目の前で集まる視線にオドオドしているこの人。彼は「無機物先輩」と呼ばれている。
実際今現起きているように「無機物」目が無い。そこらへんの電柱で興奮できる程度。つまりヤベー奴。
色々と伝説を残しているが、一番言われているのは、
『こいつを美術館に連れて行ってはいけない』だ。
無機物先輩がまだ大学に一年の入学当初、もう存在が存在過ぎて頭が大気圏突破していたのだが、先輩の先輩(この人もかなり高レベルな性癖持ちだが割愛)が「こいつを美術館に連れて行ったらどうなるのだろう」と残念ながら思ってしまったらしく、岡本太郎美術館に連れて行ったそうだ。
そしたら無機物先輩は興奮に興奮して人目もはばからず発狂し、全裸で走り周り、ついには公衆の面前でオ○ニーをし始めたらしい。
危うく警察に捕まるところだったらしいが……何故捕まらなかった。警察仕事しろ。
「あ、あぁ。そういやムッチ買いにきたんだっけな。早く買って帰ろうか!」
やけに慌てているのは先ほどの話が先輩も流石にトラウマになっいるかららしい。自分でも「美術館にはもう行かない」と言っている。いいと思う。てかそうするべきだと思う。
「ついでにおつまみとビールを…」
「いや、部室にあるでしょう?」
「そうだけど…部室にあるの、あんま好きじゃないんだよね」
と、先輩。
案外、こだわりは強かったりする人なのだ。行き過ぎてはいないが。
…いや、部室におつまみあるのもおかしいのだが。
会計時、レジの店員さんのゴミを見るような目に涙目になっいた。
変態は頑丈なんて言うが、無機物先輩はそうではない。精密なガラスのハートをしている。
「もうやめたげてよ!」内心思っていたが、やらかしたのは先輩だし、擁護して俺もあの目を喰らうのは嫌だ。
なので見て見ぬフリをしておいた。
コンビニを出る時も野次馬どもがヒソヒソ話をしていたが、こいつらはさほど怖くないので「カッ!」と先輩に気づかれない程度に鋭く睨んでおいた。
弱い奴には容赦はしない、俺はそんな奴だ。
「いやぁ〜やらかしちゃったな」
「えぇ盛大に」
「いやね?あのコンビニ新しく出来たんだけど、そのトイレが最新式で…気づいたらスリスリしてたわ…」
「いや、気づいて下さい。あとスリスリしないで下さい」
さっきのコンビニは最近できた、田舎によくある駐車場のだだっ広いタイプの奴だ。なんであんなにだだっ広いんだろう。トラックもそんなこないけど…。
「いやつい…ははは…」
「笑い事じゃないと思うんですが。少しはコントロール出来るようにしないと…今後の人生に関わりますよ?」
「いやぁ、なんか重いなぁ。そんなに心配しなくて大丈夫だよ……多分(小声)」
そんなに重かったかな、と思うが。まぁそうかもしれない。最後の小声は聞こえなかった事にします。
「まぁ、部活の奴らもこんなんだし、先輩方もこんなんだったし、きっと…ね?」
「なんで俺に問いかけるんです?まぁ…みなさんヤベー奴らですからね…なんでこんな部活に入ってしまったのか…」
あっ、なんかごめんと先輩。
あれさえなければメッチャいい人なのだけど…それは無理だろうな。今も街灯をチラッ、チラッと見ている。先輩ェ……。
「まぁ早く帰ろうか。ムッチも温まっちゃうしね」
「そうですね…出来れば帰りたくないですが」
「ハハハ!入部しちゃったからには仕方ないよ!」
「今まで何回退部届け出したことか…」
「退部届けを破くのは我が部活が建てられた頃からの伝統だよ!」
「そんな伝統無くしちまえ!」
ハハハ!と先輩。ぶっちゃけこの人とは馬が合う。無機物フェチを除いて。
「まぁ、根はメッチャいい人だし…」
と、そんなことを言っていると、不意に先輩が駆け出した。まさか、先ほどのが聞かれたか⁉︎かなり小声だったと思うが⁉︎くっそ、恥い!
なんて思っていた。
だが先輩はやっぱり先輩である。
「な、なんだこのベンチは⁉︎美しい造形、輪郭、んんんん〜‼︎素晴らしい!完璧!ファァァァァァァ‼︎」
はぁ。やっぱヤベー奴だわ。いい話自分の手でぶち壊したわ。
その後おもむろにち○こを取り出そうとしていたため、全力てドロップキックを食らわせました。