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 夏の初月はつき第一週風の日

 今日はローラとさようならをした


 それだけが書かれた日記の頁を開いた私はほかに何か書かれてはいないかと全体を見直したが、やはり日付とその一文があるのみだった。

 どうやら当時の私は相当にローラと別れるのが辛かったらしい。

 実のところ、ローラの新しい家は北区でも南のほうでこの孤児院からそんなに離れていないし、竜の日には家族三人で教会に行きがてら顔を出したり、季節の初月にはお下がりの服を孤児院に持ってきてくれたりとここを出た子供の中で一番顔を見る頻度が高いのがローラだ。

 その後の頁も確認し終えると私はその日記帳を大きめの紙で包んで紐をかけた。それから、小さすぎない程度の文字でジュジュの日記、と右下に記すと物置行きの箱のすみへとそっとしまい込む。

 これで私の本棚に残るのはつい先日終わりまで書き切った二冊目と、昨日院長先生が新しく買ってきてくれた三冊目になる。

 二冊目の途中までは毎日の出来事を書き記していたけれど、最近ではいつもと少し変わったことがあったときに書き込むようにしてるから、四冊目が必要になるのはだいぶん先になるだろうな。

「ジュジュ姉さーん」

 部屋の外から私を呼ぶ声がした。

「馬っ鹿お前っ、何でジュジュを呼ぶんだよ!?」

「うるさい馬鹿、あんたが真面目にお掃除しないからでしょうが!」

 シエルとミシェルが言い争う声がする。ま、いつものことか。あの二人は仲がいいのか悪いのか、いつも一緒にいる割にはけんかが絶えない間柄だ。

「はいはい、今行くから」

 そう声を張り上げて、私は部屋を後にした。

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