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夏の始月の初日
今日は朝から昨日のご馳走の残りで作ったご飯を食べて、みんなでお片づけをしたの。
それから、今日は夏の初日だから衣替えの日。虫よけの木で作った箱にしまっておいた夏の服を取り出して、虫よけの木は強いにおいがするから移ったにおいが薄まるように孤児院の中で干したのよ。
春用の服を代わりに詰めて、でも、ひどく汚れてしまったり直すのに大変なくらい破れたりしてる服はほかのものに使うから横によけといた。私はそんな服なかったけど、年少組やオランやネットお兄さんは隠しておいた服が見つかって院長先生からとっても怒られてた。すぐに言えば良かったのに、なんだか衣替えのたびに怒られてるような気がする。
干し終わったら自分の服をそれぞれ確認して、もう着れないくらいに小さい服はおさがり箱に入れに行って、代わりに上の子がおさがり箱に入れた服から好きなものを選んだの。
ミライが去年着てた服が結構入ってて、私が合わせてみるとちょうど着れる大きさだったからもらっちゃった。
アリーお姉さんのスカートは私だとすそを長くひきずっちゃうから残念。ミライが嬉しそうに選んでた。
その後は竜の日や特別な日に着る服の中から少し古くなったものを普段着用に下ろしてもらって、ローラには新しいおうちに行くお祝いだからって、古くなくて綺麗な服から好きなものを選んでいいよって。
ちょっとだけうらやましかったな。
年少組はよく服を汚してるから数が少なくなってて、おさがり箱に残ってた服を仕立て直すために私たち年中組で糸ぬきをしたの。
年少組は糸を抜いて布に戻った服を体に当てられて、年長組のお兄さんやお姉さんが採寸してた。
これから少しの間は新しく服を仕立てるのが年長組のお仕事になる。
もうちょっとしたらきっと私たちも教えてもらえるんだろうな。
後は……後はね、ローラの荷造りもしたのよ。
明日の風の日にお迎えが来るから、服と宝物と、ちょっとだけど保存食。干したお肉やお野菜や貝。
大きな袋に全部入れて、それだけですぐに終わっちゃった。
「遊びに行くから」って私が言ったらローラは目に涙を浮かべてうなずいてくれた。
夜になって、まだ少しにおいの残ってる夏用の夜着に換えたら夏が来たって感じになった。
虫よけの木のにおいは夏の匂いなのかもしれないね。
それじゃあまたね。




