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春の終月第六週風の日
朝ご飯の後、食器を干しに外に出た時に、昨日の銀色竜とお姉さん竜が仲良く空を飛んでたの。昨日は遊んでただけなのかな?
アリーお姉さんが呼ばれて中に行っちゃったからみんなで外の門の前を掃いてると、見回りの衛兵さんが来たから大急ぎでお姉さんを呼びに行ったの。
衛兵さんは呼ばなくてもいいって言ったけど「衛兵さんと会えないとアリーお姉さんがしょんぼりしちゃうから!」って言ったら「え、あ……お願いします」って顔を赤くしてた。
やっぱり会えたほうが嬉しいよね!
それから、ローラのお別れ会が今月の終日に決まったから、私とラインお兄さんで午後にお店に行って来たの。
丁度コッコさんを選ぶ時と重なっちゃったからちょっとだけ残念。
帰ったら私たちが作った小屋の中で気持ち良さそうにに寝てたから良かった。
それでお店の話。
お肉屋さんではオオキバオニネズミとウサギをお願いしてお兄さんがお金払ったんだけど、お店のおじさんがちょっとびっくりしてた。私もびっくりしちゃった。オニネズミってとっても高かったから。
乳屋さんでは乳脂とチーズ!保存の効く硬いチーズじゃなくて作りたての白いチーズを終日にお願いしといた。
それとお砂糖、一月分くらい買っちゃった。タルトっていっぱいお砂糖使うんだって。
お砂糖がいっぱいあるのが見つかったら小さい子がこっそり舐めちゃうかもだから院長先生のお部屋に置いてもらおう。
どのお店もお買い物でお金を払ったのに渡されるのは名前と量の書かれた紙で、こんなお買い物の仕方もあるんだって面白かった。
帰りにお兄さんが「俺たちのお別れ会の時はジュジュがこうやって買い物するんだぞ」って言ったからちょっと怖くなっちゃった。私にできるかな?
あ、こうやってあなたに書いておけばいいのか!
えっと、お店で欲しいものと量と、いつ使うのか、それと取りに来るのか持って来てもらうのかって伝えて、言われた分のお金を渡すといいの。
でもね、いっぱいお金いるからお財布とられない様にしなくちゃなのよ。
それと、受け取るときに渡してもらった紙がいるから絶対になくしちゃダメ!院長先生にちゃんと渡すこと。わかった?
でもね、お姉さんになった私なら出来るって信じてるから。
がんばってね。
それじゃあ、またね。
……そこまで読んで、私は少しだけ黄ばんだ日記を閉じた。
「こんなこと言われたら頑張るしかないでしょ?」
来週のミシェルのお別れ会での買い物担当を任された私は呟いて日記の表紙を撫でた。
ミシェルへの贈り物、真珠色の鱗で作った首飾りを手に取って小さな飾り箱へとしまった。
別に買い物の方法がわからなかったわけでは無いけど何か書いた様な記憶が片隅にあって昔の日記帳を手にとってみたのだ。
「さてと、明日連れてくフィーロにお姉さんらしいとこ見せるためにも、もう寝なくちゃ。
またね、小さな私」




