表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

1

 初めまして、私の名前はジュジュ。あなたを買ってきたのは院長先生だけど、私にって渡されたのだから私があなたの持ち主!これからよろしくね。

 早速だけど、私は日記を書くのは初めてだからあなたにどう書いたらいいのかわからないの。でも、私の好きに書いていいって言ってたからどんなにおかしくても気にせずに書いちゃうんだから!

 まずは私のことを知ってもらいたいの。

 始めに書いたけど名前はジュジュ。ドラグニールのニジェール孤児院で暮らしているの。あなたのお家も今日からここの本棚ね。

 お父さんとお母さんはここから少し離れたところの小さな村に暮らしているわ。だから私はここでは珍しくちゃんとした苗字があるの。ジュジュ=イータそれが私のフルネーム。歳は八歳。誕生日は初月(はつき)初日(はつひ)。髪は栗色で真っ直ぐ、目は……おかしな目よ。でも、いいの。皆は綺麗だって言ってくれるし何よりちゃんと見れるんだもの。

 日記を書くのはいいんだけどもし読まれちゃったら恥ずかしいから、秘密の文字で書くね。私しか知らない内緒の言葉。

 実を言うと、あなたを渡されたのは突然だったから今日の日記はうろ覚えになっちゃうの。明日からはもっとちゃんと覚えておくから、ね?

 今日は、お姉さんたちに起こされて朝ごはんを食べたの。献立はいつもと同じで雑穀パンと余り野菜のスープ。

 それが終わったら皆でお皿を洗って外に干しに行って、ちょうどその頃に竜がドラグニールの上空を飛ぶから見えなくなるまで空を見上げて、今日の竜はいつもよりずっと大きな身体をしていて皆口をぽかりと開けていたっけ。

 その後孤児院の周りのはき掃除をしていたらいつもこの街を守ってくれている衛兵さんが通りかかって、ふふっ、この人はね、アリーお姉さんが大好きなの!だからアリーお姉さんが外掃除になる風の日には絶対に偶然(..)通りかかるのよ。そうだ!だから今日は一日中アリーお姉さんは上機嫌だったの。

 でも、前に「衛兵さんが好きなの?」って聞いたら「元気な姿が見れるだけでいいの」だって。

 二人とも好き好きなのに自分だけだって思い込んでるみたい。

 あ、もう直ぐページが埋まっちゃう!

 衛兵さんが言うには、今日来た竜は竜の中で一番偉い人のお姉さんなんだって。竜にも家族がいるんだって分かってびっくりしちゃった。

 じゃあ また明日ね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ