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クリスマス・シリ~ズ

ブラック・サタン・クロース

作者: ベルぜ

それは白き雪がしんしんと降り、聖なる者の降誕を祝う日。

親子はわいわいとプレゼントについて話し、恋人同士は手を繋いで、それを見た孤独者が羨む。

これは変わってしまった聖者を祝わぬ聖者の降誕祭に起きた物語。











「メリィークリスマァースッ!」

今年もうっせぇなぁ。毎年毎年。もう聞き飽きたっての。

ん?俺が誰かって?俺は山中 九狼。今年で23歳になるしがない、彼女いない歴=年齢の男だ。

大学に入って、ただいま絶賛独り暮らしだ。

家から離れた大学にはいったことにより、俺は独り暮らしだ。独り暮らしがいい、と思っていたがここまで過酷なものだとは思っていなかった。


そう、外から聞こえるリア充共の耳障りな声が。


確かに、米を鍋で炊こうとして暗黒物質ダーク・マターを作ったり、洗濯機が使えず、洗濯物を一週間分溜め込んだこともあった。


だがッ!ここまで精神的に来るものはなかった。そもそも俺には友達が少ない。べ、別にいねぇ訳じゃねぇぞ?だが、今日に限って、

「俺、今日、ライブのチケット手にいれちゃったからお前と遊べねぇわ。ごめんね☆」

とか、

「僕は実家に帰る予定があるから、ごめんね~。」

とか、

「俺、実を言うと彼女が出来たんだ。ということでクリスマスはデートするんだ。」

とか言って断られた。


……一番最後のやつは皆とフルボッコにした。


結果、暇で暇でゲームをやってたんだが。

……リア充共がッ!なぜ俺はイヤホンをしているのに貴様らゴミ屑共の声が聞こえるんだッ!

実に不愉快だった。引っ越しを検討したくなるレベルで。

だが、今すんでいるアパートはなかなか立地がよかったのだ。それでいて、同じ条件下のアパートと比べると特に安い。

「リア充共を黙らせたいか~。」

そもそもクリスマスとは……。

「リア充共を黙らせたいか~。」

不可侵なる聖なる日であって……。

「ry……リア充共を黙らせたいか~。」

噛んだな。って……

「お前、誰だッ!」

そこには白髪に紅い目をした黒いサンタの服装をした女の子がいた。

「ようやく反応した……。私はブラック・サタ……」

「あ、やべ、死んだッ!」

「名前を聞いたんだから最後まで聞けやッ!」

「あー、はいはい。で?」

「クッ……。こいつムカつく……。とりあえず私はブラック・サタン・クロースだッ!」

「あー、はいはい。とりあえずちょっと待っててね~。」

「むっ?なんだ?」

「もしもしお巡りさん。うちに不法侵入者が……。」







「で、要するにお前は魔界からやって来た独り身の哀れな魔王様ってことか。」

「黙れッ!この非リアの哀れで無様な童貞野郎がッ!」

「どどどどど童貞ちゃうしッ!」

「嘘つけッ!反応でわかるわッ!」

「で、本当の名前はなんなんだよ。」

「お前に名乗る名はないッ!アンクだっ!」

「名乗ってんじゃねーかッ!」

こいつの目的はただひとつ。クリスマスをもとの聖なる日に戻すことだ。こういえば聞こえはいいだろう。だが、正しく言えば、わいわいきゃっきゃとしてるリア充共を不幸のどん底へ叩き落とすことだ。

まあ、悪くはない。っと言ったところで。

「で、契約して手にはいる能力はいったいどういうものなんだ?」

「自分以外の人の嫌悪と好意を入れ換える能力と、本音しかしゃべれなくする能力です!」

「それだから、お前、彼氏ができないんじゃねぇの?」

「ア?」

「なんか、すいませんでしたッ!」

てか、その能力だったら……

「お前一人で出来るんじゃねぇの?」

「いや、だから、いったであろう?悪魔は契約しないとその能力が使えないと。」

なるほど、納得。

「なら、早速契約して、町へ出るとするか。リア充共を殲滅しに……。」







「ベリィィィィィィィッ、クルシメマァァァァァァァスッ!」

狂ったように笑いながら町中で能力を解放した。

そのとたん。

さっきまでキャフフウフフとなっていたリア充共が。

「君の瞳はまるで宝石のようだッ!」

「貴方もまるで夜空に輝く星の王子様……ポッ。」

みたいな感じになっていたのが。

「君の目は見ているだけでえぐりとりたくなるほど吐き気がする。」

「貴方こそまるで夜空に羽ばたくGのよう……ケッ。」

みたいになっていた。

実に愉快だった。愉快で愉快でアンクとめっちゃ笑っていた。










ずっと、ずっと、笑っていた。

世界に広がっていくのを……。












ずっと、ズット、ワラッテイタ。

ズット……………………。




















ハッッ!今何時だっ!?

時計を見ると7時だった。

「やべッ!今日は研究の日だった!」

そうして、俺は慌ててアパートを飛び出した。

まだ、間に合う。まだ次の電車までは5分ある。

ここから駅までは5分あれば十分だ。そう考え、走っていった。





















そして、枕元においてあるプレゼントに気がつかず。



「めりーくりすますbyアンク」


結局テメーもリア充じゃねぇかっ!主人公ッ!

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