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第二章 サイボーグ娘覚醒 6

「なんでまた、あんな男といっしょに?」

 敬子は、ひかりが怪しげな男とともに学校近くの喫茶店に入ったのを目撃した。

 先ほどのひかりの態度がちょっと気になって跡をつけるとこの始末だ。

 いったいなにを隠してるんだろ、ひかりのやつ?

 けっこう軽い気持ちで尾行したのだが、いざやってみると、なにかとんでもないことが起きているのでは? と心配になってきた。

 中に入ればばればれなので、窓の外から様子をうかがう。

 ふたりは席に着き、飲み物を頼んだ。とりあえず、緊迫した様子はないが、あまり親しげでもない。

 そもそもひかりは男に対してはすごく奥手で、もしナンパだとしたら、あんな怪しげな男にほいほいついて行くとは思えない。

 ここからでは会話が聞こえないのが残念だ。

 ただひかりの表情を観察する限り、なにかすごく慌てているようだ。なにかを必死にごまかそうとしているようにも見える。

 ひょっとして、あの変態男の事件のことを聞かれてる?

 となるとあの男は刑事? いや、刑事ならもうちょっとちゃんとしたかっこうをしているだろう。となると、新聞記者? いや、フリーの雑誌記者かなんかの可能性が一番高い。

 ひかりは席を中座した。たぶんトイレだろう。

 今のうちに、あの男になにが目的か問いただそうか?

 一瞬そう思ったものの、ひかりはすぐに戻ってきそうだし、とくに危ない感じでもないし、ほっておこうか?

 案の定、ひかりはすぐに席に着いた。

 その後のひかりは、ますます落ち着きをなくしているようだ。顔に焦りの色が見える。

 ん、なんか変だ?

 ひかりがスマホを取り出すと、ちょっと怒ったような顔をした。そのあとすぐ席にへたり込んだ。

 男は介抱する様子だったが、ひかりは急に具合が悪くなったのか?

 男は会計を済ませると、ひかりに肩を貸す感じで、外に連れ出す。

 敬子はとっさに建物の陰に身を隠した。

 男は近くに止めてあったワゴン車にひかりを押し込むと、自分は運転席に着いた。

 こ、これって、まずいんじゃ?

 誘拐? まさか? それともラブホかどっかに連れ込む気?

 車は発進する。敬子はとっさにスマホを取り出すと、110番した。

 状況を説明する。車種を聞かれた。あいにく車にはくわしくない。

「ええっと、白いワゴン車」

『ナンバーは見ましたか?』

「あ」

 しまった。とっさのことだったので、そこまで気が回らなかった。

 白のワゴン車なんて、そこら中に走ってる。その情報だけではとうてい車を特定できそうにない。

 詳しい情報を聞きたいから、そこにいてくれといわれ、電話は切れた。

 続けてひかりのスマホに電話した。出なかった。というより、電源が入っていないようだ。

 いやな予感がした。

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