はじめに
はじめに
長い人生の中で女の3大イベントといえば、初潮・出産・閉経です。しかし、ここでは真に勝手ながら、周産期に絞らせていただきたい。周産期、すなわち妊娠・出産・産後(育児)です。なぜならば、これほど「普通の人間」がまるで大富豪から文無しに転落するような感情の起伏を味わえる体験は他にないからです。
女性、あるいは母親となった女性に限らず、普段の生活をしていれば誰しもが辛い体験や得難い喜びに遭遇します。しかし周産期は心身を押し潰しにかかる荒波の密度と頻度が、通常時の倍以上なのです。
すでに体験された方はご存知かと思いますが、出産の痛みを「鼻からスイカ」などと例える表現があります。でもこれ、納得している方、一体どれほどいるでしょう。確かに、言わんとすることは分かります。「出るはずのない大きさのものが出る」ということなんでしょうね。しかし、ヒステリー持ち予備軍の私は出産時に怒りに震えました。「こんな的を得ない例えがあって良いのか?ふざけるな!」と。
それは、出産に限りません。様々な情報が氾濫する中、ピンポイントの知識や先輩ママさんたちのご意見が役に立つことは多々あれど、そのイベントに立ち向かう前に、漠然とした不安を見事に解消してくれる情報に出会うことが果たしてあるのでしょうか。
入学前に学校で自分がどんな体験をするか、または就職前に職場でどんな体験をするか・・・様々な知識や情報があったとしても、そんな予知のように時間が進む前から全てを把握している人間などいません。もちろん、この3大イベントにおいてもそうなのです。でも、どんな気分になるかというのは、ここでお知らせすることができます。それは出産経験があろうがなかろうが、男性だろうが女性だろうが、必ず経験したことのある心身の痛みの延長上に存在している感覚だからです。
どんな体験から何を思うのかは、人それぞれです。しかし、大元の原始的な感覚や感情は人間みんな一緒。私はそれを体験前に知りたかったと、今心から思っています。ですから、これから体験する人しない人、もう経験済みの方が納得するような「解明」を進めさせていただきたいと思っています。
「鼻からスイカ」よりは、幾分まともな例えで。