第2章 狂気と白と黒の似た者同士
「……………私の体には破月狂羅を封印してるんだよ。次第に狂羅は私の一部分にもなって来た」
「裏、ということね」
「うん。それで狂羅は破壊神で、悪魔でもあって、操られたホムンクルスでもあって」
舞歌はピンときたよう。目を輝かせている。
「操られたホムンクルス」
「それで狂羅の封印はもうすぐ解ける。そうすれば私でもどうしようもできなくなって幻想郷が狂って、破壊される」
舞歌が朱子の前に手を出す。手が黒く光る。
「でも、その狂羅っていうやつだけじゃ幻想郷破壊はできないんでしょ?」
光が止み手をしまう。全員がまた舞歌に視線を向ける
「…よくわかったね。実は狂羅を操っているのが、破月不壊。今は紫の力で封印してるけど、狂羅はそいつの封印を解くつもりなんだよ!そうすれば幻想郷だけじゃなくて、舞歌がいた世界も壊される。夢の中でそう言ってたんだもん!」
朱子が泣き出す。真楽が朱子を撫でる。
「舞歌、これからどうするんだ?」
「とりあえず地上に行くわ」
少し間が空く。
「基本はいいな?」
「ばっちりよ」
また少し間が空く。
「ねえ小那姫、真楽。私と契約してみない?」
「急になんだよ」
「契約して、どうするんですか?」
「いざという時協力してもらうわ。血を」
「……どうぞ、少ないですがあげます」
真楽がコップの五分の一程の少ない量の血を渡す。それもコップをそのまま。
「はいありがと」
「はあ、くれてやるよ」
小那姫が血を流す。すぐに止めるが相当の量。
「はいどうも」
真楽がくれたコップに自分の血も、三人の血を混ぜて舞歌が飲む。
「…………契約完了ね」
「それじゃあ、ちょいと弾幕ごっこをするか」
勇儀が弾幕ごっこに誘う。
「ええ、いいわよ」
二人構える。
「初めてだろ?幻想郷で弾幕ごっこするの」
「初めてよ」
「怪輪『地獄の苦輪』!」
「然符『マスターフラワー』!」
弾幕を出し合う。二人とも何も言わずに。
「花鏡『エクストリームフラワー』!」
(こんなスペカだと能力は自然を操る程度の能力かな)
勇儀は思う。
(そろそろいいかしら)
舞歌も思う。そして勇儀の思惑とは違い。
「非符『冥界と地獄の死後』」
「な、なんだこれ……あ」
倒れる。勇儀が。
「な、なんで勇儀が」
パルスィが一番驚く。
「それじゃあね。地上に行くわ」
「ま、待って!私も行く!」
「いいの?」
「うん」
舞歌と朱子は地上へ行く。
疲れた
次回
第3章 繋がった悪夢と定