第3神話 狂気の山脈
架依のお父さんを後ろに隠しナイアーラトテップ、星の精とともにショゴスに挑む。
「テケリ・リ…テケリ・リ…」
「ええっと。やっぱわかんない。恋音、パス」
「お姉ちゃんはやればできるんだけどな…ええっと。フィア=スピリート様はこの世界を壊す、だって」
続けてショゴスは言う。
「テケリ・リ。テケリ・リ」
「…フィア=スピリート様は二百年前峰一舞歌という人間の娘の身体を奪った…」
「はあ⁉︎」
蜩と架依は同時に言う。狂羅は黙っている。
「殺せばいいんだろお?簡単じゃねえかあ」
楽勝の口調、それでも結構疲れているようだ。
「狂壊『死姿十五枚』」
一瞬としてショゴスは死んだ。
「…パパさんはここにいてください。私達がどうにかします」
「わ、わかったよ」
架依は覚悟を決めた。もう架依と呼んでくれないと。
「朱子!」
「さがしたよ!」
学校の玄関に朱子がいた。
「いこう!舞歌が待っている屋上に!」
大急ぎで階段を登り屋上に行く。
「!…先に行って!ここで狂羅と止める!」
さすがに追ってくる神話生物が多い。
「ありがとう!」
三人は大急ぎで階段を上がる。
「いらっしゃい。私の最初の永遠へ」
舞歌が振り返る。
「馬鹿なこと言わない!舞歌は舞歌なんだから!」
舞歌は手をぎゅっと握りしめる。
「昔あの森で私は“この子”と出会った。それが私の絶望の前兆でもあった」
後ろを向きそして学校の裏にある森を指す。
「私は、あの時峰一舞歌という一人の少女に出会った。私は舞歌の願いを叶えた。だが私は、ラヴクラフトに言われもう宇宙に戻れないことを思い出した」
涙が流れる。それは涙というより血。
「私は峰一舞歌ではない!恐怖の魂!フィアー=スピリート!」
身体から肉が引き裂かれ触手が出てくる。そしておぞましい邪神の姿に変わる。
「これが本当の我!これまで山程の魂を喰らった者!」
戦闘が始まる。