第9章 心の中にある星
前回のあらすじ
少し狂羅とのバトル。姫妖が天狗の里から見たという幻想郷で有名な話を再現する。その内に姫妖は用が済んだからと天使城に帰る。姫妖が再現したせいか不壊が狂羅を使って話をする。朱子が来た、そして朱子はある…
「…………」
「どうしたの舞歌」
「蜩、今すぐ行くわ…」
「え…?……………………そういうこと」
「!神綺!来るぞ!」
「…………蜩!」
架依は叫ぶ。
そこにはただ立っている。舞歌と架依の幼馴染、蜩が立っていた。
「架依じゃん!」
「か…」
(蜩じゃないってことは分かってる。でもなんか…)
「どうしたの架依。そういえば舞歌は?」
(…記憶は全部消されている、というより奪われたのね)
「どうしたの架依」
「な、なんでもない…」
神綺が口を挟む、真剣な顔で。
「ねえ、せっかくの再開のとこ悪いけど。早く正体を現したらどう?」
「あれ、やっぱり知ってた?仕方がないね。昔神綺がやってたみたいに不意を突いて殺そうとしたのに」
黒く不気味な笑顔。架依は再確認した。やはり操られていると。
「不幸『フェアリーモンスター』」
「歴史『宇宙と記憶を展覧会』」
焦りながらも架依はスペルカードを宣言する。蜩が宣言したスペルカードを消す。
「早く死んでよぉ。面倒くさいんだから」
「元に戻れば楽になれるよ!」
「拷問」
蜩がスペルカードを宣言しようとする。
「神話『邪神の触手』」
「星符『新たな星が生まれる日』!」
同時にスペルカードを宣言する音と声がする。
「⁉︎」
蜩は縛り上げられる。上を見ると舞歌と朱子。そして蜩は朱子のスペルカードで胸部分が上に上がる。簡単に言えば頭と足でのブリッジ。悪魔が人間の身体から出て行く時になる姿。
「ちっ。こいつもか」
その身体から出てきたのは不壊。
「まあこの娘には使いこなせないか。それにこの雑魚が、幻想入りしたばかりだしな。これが本当の破壊、崩壊じゃ」
「絶望『人は永遠に生き死ぬ』」
不壊がねらったのは朱子、蜩、魅魔の三人。
「させるか。崩符『肉崩多壊』」
次回
第10章 最終戦!異変の最後