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サクッと読めちゃうTANPEN!!

真夜中の働き蟻

作者: 提灯鮟鱇

 星が夜空を踊りだし、人間たちは眠りだす。

 猫も狸も目を閉じて、世界が夢を見てる頃。

 月の明かりに照らされて、働き蟻は今日もゆく。


 常にせっせと働いて、自分の仕事に(いそ)しめば

 いつしか心は消え失せて、疑問も夢もなくなった。

「己の為になるはず」と、言い聞かせたは、いつの事か。


 三日三晩は食わずとも、まだまだ動くこの身体。

 これもひとえ女王おうの為、明日も身を粉に働いて。

 前に見えるは同志の背、あとに続くは同志の顎。

 決して列は乱さぬよう、重荷を背負って這ってゆく。


「自由は要らぬ、仕事のみ」


 (こころ)に刻んだ教訓は、思考さえも捨てさせた。


 星が夜空を踊りだし、人間たちが眠る頃。

 働き蟻の一粒が、ふと立ち止まり、月を見る。

 空に浮かぶは丸い月。

 雲風吹いて千切れれば、夜空は姿を変えてゆく。


 移り変わるは儚き空。

 黒いまなこでそれを見て、働き蟻は何思う。


 尻に仲間がぶつかって、我に返って歩き出す。

 歩き出したら皆忘れ、今日も今日とて歩いてく。

 月の光に照らされて、今日も今日とて歩いてく。

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― 新着の感想 ―
[良い点] リズミカルん素敵な詩ですね。ありがとう
2019/10/28 05:07 退会済み
管理
[一言] この作品、修正された後に読んだ時に思ったことがあったんですが、書きそびれていたので、今日書かせて頂く次第となりました((+_+)) 蟻の行進のリズムを連想させてくれる、そういう詩に思えたの…
[良い点] リズム感があって、読みやすかったです。 童話のような可愛らしさの中に紛れたブラックユーモアが光ってます! [気になる点] 後半になると、ちょっとリズムが崩れているかな? と思いました。 […
2014/11/06 21:50 退会済み
管理
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