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ウェリエの聖域:滅びゆく魔族たちの王  作者: 加賀良 景
第1章-エピローグ-
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最初の一歩

作者名とアカウントネームが違うため、私の活動報告に直接飛べません。目次の下部にある「作者マイページ」から、私のアカウントの活動報告の閲覧出来ます。


 姉さんにもメティアにも別れは告げた。

 思い残すことは今のところはない。

 早く出て行かないと、想いが溢れて後悔しそうだから、さっさと出て行くことにする。


 村の出入口に来た。

 装備は着の身着のままだ。

 傍らには誰もいない。

 俺が拒んだからだ。



――生前の基準だと、俺はまだ小学1年生。


 生前、一人で地元の電車に初めて乗ったのは、十五歳のときの高校見学会で行ったときだ。

 その時は道を間違えたり迷ったりして、最終的に着いたのは予定より二時間遅れていた。

 この世界(いせかい)よりも、文明の利器が発達している世界で迷った俺だ、ましてや六歳の子どもが一人旅など無謀だ。


 普通なら、「死ぬ」か「出ていくか」と選ばされたら死ぬしかないのか。

 だが、折角選ばせてくれたんだ。


「死にたい」と村長の家で思った。

 それでも、自己満足の偽善と言われようと母さんから頂いた生命だ、せめて自分の歴史には抗いたい。

 それに死を選んだら、そこで『俺』という物語は終わるけど、もしかしたら旅している間に心優しい人が俺を拾ってくれるかもしれない。

 そして行き着く先が山賊でも、仕方がない。


 個人的にはまともな家の人に拾われたいが、死ぬか生きるかの瀬戸際だ。

 自分の歴史は選べない選ばない。


 成人したら、この家に帰る。

 それまで、旅をしよう。

 意地でも生きるんだ。

 山賊でも海賊でも囚人になっても、泥を啜ってでも帰ってみせる。


 そして、幼馴染のメティアに「ただいま」と言って結婚するんだ。

 母さんもトラウマが克服出来ていたら、姉さんと一緒に旅をするんだ。

 ずっと住んでいられるような地を見つけて、一緒にいる。

 紆余曲折で波乱があったけど、最期には笑えるように、俺は最初の一歩を踏み出した。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ずうっと待っているから。


 帰ってきて、私の主人公(おうじ)さま。




 古代の歌詞の碑文:(削れて読めない)-メティア・フォロット-



丁度50話で第1章終了しました。

お疲れ様でした。

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