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ウェリエの聖域:滅びゆく魔族たちの王  作者: 加賀良 景
第1章-人生の分岐点- I
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メティアの想い

削ったので非常に短いです。


 それに対して幼馴染(おうじさま)に、


――行かないで


 と、私は。


 それはとても傲慢なおねがい。

 あのお姉さん、シスに彼を会わせたくない。

 シスもきっと私と同じように囚われているのだ。


 お姫様は私だけでいい。


 それはとてもとても醜い嫉妬。

 魔法もダメ。

 運動もダメ。

 ずっと一緒にいられる訳じゃない。

 シスは家で安心しきった場所で、私の幼馴染(おうじさま)とご飯を食べているところ眺めて、夫婦(かぞく)のように一緒に寝て。


 お願い。私を見て。

 シスだけじゃないんだ。

 私だって。


 そして私の幼馴染(おうじさま)が血に濡れたのは、私だけの責任。

 私を見て、貴方はあの鮮烈な紅の魔力の色を心配そうにくすめた。

 知っているんだよ。

 私はある程度の感情(おもい)が見えるんだよ。

 火属性か風属性の上級魔法とお父さんに考えられた、あの時の円形の凹み。

 それは貴方がさっきの男の人を殺した魔法なんだよね?


 巻き込まれたから青い顔をしてたのではなくて、私を巻き込んでしまったからなんだよね?


 あのときも鮮烈な紅の魔力もくすんでいたから、今もとても心配なんだよね?

 貴方を信じてくれる人。

 貴方を理解してくれる人。


 だから、私は貴方に応えるよ。


――人間を殺すという禁忌を超えたのは仕方がなかったんだ。

 二人が生きるためには、仕方が無かったんだよ。


――だから、泣きそうな顔をしないで。貴方の想いは私と共有しよう。私の想いも貴方と共有したい。

 ずっとずっと一緒にいたい。だから。


「行かないで」

 と、私は呟いたけど、私の声を聞いて欲しかったひとは既に失せていて。


 私の呟きは暗い教室の中に溶けて消えた。



作者名とアカウントネームが違うため、直接飛べません。目次の下部にある「作者マイページ」から、私のアカウントの活動報告の閲覧出来ます。

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