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ウェリエの聖域:滅びゆく魔族たちの王  作者: 加賀良 景
第4章-ある日の一日- VI
274/503

『衛星からの鉄槌』

 今日の気分は風と水を中心にしたい。

 理由は……、暑いから。


――穿て、「風槍(ピアシングス)


 脅す目的で、セイカーの鼻頭にちょっぴり刺す程度の距離に「風槍」を生成したところ、人通りが激しいところで剣を抜いた馬鹿。

 当然、辺りは騒然とする。


「くっ、ウェリエ君。なぜ、こんなことを!」

「さあな、自分で考えろ。ほら、もう一発だ」


 そういって生成するのは風槍……と、「「x,y,zの爆弾(キュービックボマー)」!」

 いい感じに俺とセイカーの周りの人間がささーっと逃げていく、それに合わせるように設置式の見えない機雷を設置し、触れてもいない状態で爆破させる。

 もちろん、息つく間など持たせない。


「オラァ、次は!」

――爆縮(インパクトエクスプロージョン)


 キィィンと、耳鳴りに似た音を作りながら発生させる現象は、精製された魔力を一点の中空に集中させて、圧縮。

 元来、魔素というものは酸素と同じく、生きとし生けるものの周りにはあるが、実際には見えないものだ。

 だが、精製された魔力というものは、流石"精製された"というだけあって、特別製で、

 要は、集約させるとその部分が見える。


 もちろん、圧縮の時間はほんの一瞬。

 よってほぼ見えないが、セイカーにとっては充分な一瞬だったようだ。


「チッ、避けたか」

 そう呟くのが早いか否か、現象が発生。

 圧縮によって熱を作り、その不安定で歪な状態から一気に破裂。

 先ほどまでセイカーがいたところに、そこそこ大きな半球状の穴が出来る


 幸い、もう既にこの大通りにはあんなにもいた人はいなくなり、あるのは街路樹と無人の屋台と俺と黒白毛玉と寒天団子にセイカーのみ。

 セイカーの目は血走ってはいるものの、顔面は喜色満面で非常に気持ち悪い。

「なんだ、そんな程度なのかい? 意外とそれほどでも――」

 最後までは当然言わせない。


 そんな暇はない。

 俺の脳内に占めるのは、黒白毛玉をモフる未来。


――一秒でも長くモフるためにも、お前(セイカー)の存在が非常に邪魔。


 正直、今までの魔法はただの低級、またはそれに近しいもので辺りに警告として出しただけだ。

 本番はここからだ。


「あっそ。『世界』後ろの家族を括れ」


――承知致しました。


「それと、「文明根源の厄災災禍(ヘルファイア)」起動」


 初めてこの魔法を見たのは『魔草(マンディアトリコス)』戦だ。

 火の玉というより、炎の玉が円状にサークルを描きながら、セイカーの周りを回る。

 描くサークル内の文字は生前の世界の漢字『炎』とそれを意味する絵。


 誰が見ても分からせる『炎』。

――(にが)しはしない。


 何故なら一瞬で離れるには難しい範囲だからだ。

 更に言えば、『魔草』戦では少々時間が掛かったものだが、今回はほぼ一瞬で出来た。

 よって、逃げる(ひま)はない。


 (じめん)から(そら)まで届く、獄炎の柱。

「天空から墜つ焼灼の槍」の爆圧には及ばず、風圧(かぜ)の暴力を伴わない単純な炎の柱という違いがあれど、ビジュアル的には全く変わらない。


 寧ろ近くにいるだけで焼き焦がすかのような熱風と、大地をも穿ち街を滅亡(ほろぼ)しかねない噴火と見まごうばかりの一撃が「天空から墜つ焼灼の槍」より、この場ではより効果がてき面といえる。

 発生時の爆音は近くにいるだけで鼓膜を揺さぶる。

 それ以上に皮膚(かわ)()く『精製された魔力』の痛痒感。

 まともに火柱を見れば、目をも焼き水分を奪い去る。


 火の精霊が踊るかのように、火の粉と熱風と炎の玉が火柱の周りを、巡り舞う。


「まだまだ、」


――「焼夷の命令(インセンダリィ)焼夷の雨(ナパームフォールアウト)


 を、精製された魔力で起動させる。

 そして発生するのは目の前からこの通りの先まで、鼠一匹の隙間を無くすかのように焼夷弾の絨毯爆撃。

 燃やし尽くすことが目的の炎。


 これで殺せるとは欠片も思っていない。

 事実、魔力検知にはまだセイカーが「文明根源の厄災災禍」の中心地でのたうっているのか、はたまた炭になっているかは分からないが、とにかくまだいる。

 で、あれば、完全に検知出来なくなるまで炭にさせたほうが後腐れはない。


「「火砕流(パイロティックスライド)」!」で溶岩の海を作り押し流す。

 当初の予定だった、風と水属性の内、「風槍」しか使っていないことに今更気づくも、もう仕方がない。

 家族を殺そうとする馬鹿には、大地の怒りたる火の力で焼ききることにする。


 そんなことを考えていると、一瞬の間にセイカーが突っ込んできた。


「確かに火力がとんでもないが! 甘いな、ウェリエ! キミのような魔法使いは接近戦に弱いものなんだよ!」

 だから、痛い思いをして貰うと、真ん前に迫るセイカーの口の形からそれが見て取れる。

 剣の軌跡は大上段切りではなく、袈裟でもなく、

――突き……か。

 だが、


――甘いのは、テメーだ。セイカー。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ガキィイィイイインと甲高い金属音が、通りに響き渡る。

 その音と共に「な、何……ッ」と呟くのはセイカー。


「は……ン、セイカー。誰が接近戦に弱いって言ったかな?」

 と、言ってセイカーの細剣を受け止めている俺。

 もちろん、真剣白刃取りとか、指で摘んで受け止めている訳ではない。


 受け止めているのは、


――『戦熾天使の祝福(セラフィックイージス)』の通常駆動を確認しました。


 の腕甲部分だ。

 流石、その手のプロだけあって狙いがわかれば、ブレることなく狙いに向かって突きが飛んできた。

 だから、受け止めるのは楽だった。


 俺の言葉と共に、または遅れて足元の地面からは、八つの太陽と天使の羽と弓が描かれた白一色の魔法陣の中から、いかにも勿体ぶったようにゆっくり現れるのは、金色(こんじき)縁取られた白銀の立方体。

 背中に装着されるのは、さながら天使の翼。

 天使の羽の砲口をセイカーに向けて一発。


 音は聞くだけでスプラッタを想像させるかのような一撃。

 更に言えば、そんな音をセイカーの顔から出させた。

 剣を意味する魔法陣が足に現れ、脚甲のように白い鎧に覆われたと確認したと同時におもいっきり足の平を使って、蹴り飛ばした。

 セイカーはどうやら足と腰に力を入れていなかったためか、簡単に三メートルほど後退。


 その距離を離れた瞬間に、ほんの一メートルほど後退。

 それは別に逃げるためではない。

 あくまで攻撃のため、一手間。


――穿(つらぬ)け!


 そう掛け声を上げながら、やった行動は右の羽根の一枚を引っこ抜き、突くかのように投げつけた。

 魔法陣とはいえ、『戦熾天使の祝福』はそこそこな質量を持つ。

 且つ、表面には反発するような力が働いているため、直接殴られれば吹っ飛ぶ。

 結果、実際に吹っ飛んだ。


 もちろん、それだけではない。


――質量攻撃、もういっかい!


 そう念じれば即座に応えるのが魔法陣。

 対するセイカーはのけぞり、血走った目でこちらを見た。

 その目で非常に目立つように人指し指を上にし、「上を見ろ」と促した。

 止せばいいのに、セイカーは上を見たと同時に、その額に向かって直上から羽根の一本が落ちる!

 障壁があるだろうとはいえ、人間が出してはいけない音が辺りに響く。


 またえげつないことに、羽根一本が地面に縫い止めたと同時にぐりぐりと回転。

 あれでは、お脳が砕ける。

 ついでに言えば砲口という鈍角とはいえ尖った部分があるので、ぐりぐりされればそれなりに痛い。


「な」


 もう一本の背中の箱が外れ、また一本が自動で飛び、直上から直下に落ちた。

 その衝撃で舗装されていた石畳が壊れ、その下の地面を破壊。

 もうもうと砂煙で辺りを覆う。


「舐めるなああアァァァァ」


 (セイカー)の声が聞こえた。

 だが、


「バァカ。俺は接近戦が主体なんだよ!」


 言うが早いか、二本の羽を吹き飛ばし起き上がる敵。

 その姿をただ手を(こまね)いて待っている俺ではない。


――ガガガガ……カリカリカリ。


 どこからともなくHDDが読み込むような音がし、相変わらず自動で一つの一撃必殺が発動する。

 正直言って異常(バカ)威力。

 ただ、戦闘に置いてその異常威力は非常に助かる。


――()け。「追跡者(チェイサービット)」!


 二本の弾かれた羽が綺麗に石畳に突き刺さり、カバーが外れて中から覗くのは小さな小さな砲台。

 それらが今か今かと出番を待っていたが、この度見事に外に出られたことを喜びと見たか、嬉々として飛び出して行く。

 その後はまた、分かりやすく。

 敵の周りを回りながら、どこぞのロボゲーのようにレーザービームを照射、またはガトリングのように連射する砲台(ビット)


 それから逃げようとする敵。

 しかしそれを追いかける!

「チィッ。邪魔だァ!」

「あたりめぇだ! 邪魔させてるんだからな!」

邪魔と言っても普通であれば、当たれば人が死ぬ威力だ。

よって当たっても「邪魔」の一言で済む辺り、なかなか耐久力があるようだ。


 そんな中、有難いことに敵の方から離れてくれた。

 正直愚策と教えてあげてもいい。

何故なら『戦熾天使の祝福』は、

――近接から中距離なんだからな!


もちろん、遠距離にも強いが……そこらへんはご愛嬌か。


「「追尾の槍光(ホーミングレイ)」射出!」


 背中の箱計六門の内、二本の射出カバーが開き放たれるのは、相手に向けて飛んで行く光線(レイ)

 間延びする光。

 突き刺さればしばらく残る槍。


 それと同時にまた自動で一撃必殺の火力が発動する。

 それも『戦熾天使の祝福』に基本搭載されている、魔法陣の内の一つ。

『世界』を介して許可を求める前に、『戦熾天使の祝福』の個人判断により発動。


――『衛星(サテライト)からの鉄槌(オーバーキリング)』を通常駆動を確認致しました。


――『衛星』から超質量攻撃「一撃一殺の槍(コンフリクトジャベリン)」が射出されました。衝撃に備えてください。


 夜であれば非常に目立つが、生憎今は昼で全く目立たない。

 が、確かにある現象は三重(さんじゅう)の円状サークルが高速で空に描かれ、一つの星のように瞬く。


「この衝撃にテメーの、テメーの障壁が耐えられるかな!?」


――穿て、一撃!


 超高高度から放たれるのは、イメージで作った"タングステン鋼"のようなものを爪楊枝(つまようじ)状に作った槍を、音速以上に加速させる。

 そしてそれを直接ぶつける。


 言うが早いか、槍が敵もとい、地面に着弾。

 地面を貫き、更にその下まで潜る。

 その衝撃は見た者すべてを震え上がらせ、恐れ(おのの)くこと請け合いだ。


――硬ぇな、こいつ。


 しかし、ここまでしてもこの第二位はまだ死にきっていない。 

 硬すぎて泣ける。


「硬ぇな、ホント!」

「ツペェアの『魔王』様が、そう評してくれるなんてとても嬉しいよ」


 声はとてもじゃないが、嬉しそうには聞こえず、あるのは化け物相手に恐れを抱いているような声。

 先ほど以上の土煙の中から、ワックスで固めていたであろう髪はボサボサで、顔は埃だらけで口元は赤く、暑そうな鎧は半壊以上、全壊未満の半死半生の体でよろよろと現れる。


「いやいや、今までに「一撃一殺の槍」使ったことなくて、名前も「一撃一殺」とつけてたけど、初回で耐えられるとは思わなかったよ」

 改名する必要があるな。

「二撃一殺」だろうか。


「あははは、なんでそんなに余裕があるんだね……。こっちは何も出来ないぐらいに猛攻受けてるんだけど……」

「いやあ、だってねぇ? 全然疲れてもいないし?」


 ちょっと嘘である。

 結構疲れてはいる。だが、満身創痍というほどではない。


「流石……、化け物だね。キミは」


 満身創痍であっても細剣は構える(セイカー)

 無茶だなーとは思うものの、そこら辺は流石軍人というべきか。

 (かな)いっこない敵相手に、闘争心は絶えないようだ。


「人を化け物って言わないで欲しいな。なにせ"化け物"と呼んだお陰で、過去のザクリケルは『宮廷魔術師』によって滅ぼされかけたんだからな」


 ポカンと鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、その一瞬後に大笑い。

「ああ、そういえば……そうだったな。だから、ザクリケルは『宮廷魔術師』という職業の他に称号もあるんだっけ」

 砲台(ビット)を射出した、羽のような箱二つが自動で戻ってきた。

 まさしく、帰巣本能のようだ。


 腹に響くような重低音が辺りに響き渡り、左右各四門の箱の内、各二門、計四門の銃身が右腕に装着。

 その四本が中折れし、一瞬現れるのはガスバーナーの如き『炎』。


 "精製された魔力素"が燃焼していく。

「あまり……聞きたくないけど、なにそれ」


 いつもなら教えないが冥土の土産に教える。

「簡単にいえば、俺の魔力を大量に吸い上げて燃焼させて運用する大剣」

 燃焼させればさせるだけ威力が上がるシロモノだ。

 冥土の土産以上に、教えたとしても小手先のじわじわ系が多い『戦熾天使の祝福』の中でも、一撃系でこれしか出来ないものだ。

 対策しようがしまいが、これしか出来ないものならば教えても対策ごとぶった切る。


 因みにこれも使ったことはないが、正直城壁程度なんてチーズのように切り裂く。

 いや、この世界チーズ見たことがないので、バターのように切り裂くというべきか。


「……それで、僕を切るのかい?」

「…………、」

 何を当たり前のことを聞いているんだ、こいつは。

 お前以外に敵がいるのか?


「……教えて欲しい。キミに対して、何が悪かったのか」

「存在」


「…………、」

 非常に絶望的な顔すんなよ。

「冗談だ。理由は二つ。まずは、その無理な勧誘」


 余りにもウザすぎる。

 転職しろ、転職しろと外野がとやかく言うな。

 少なくともクオセリスとセシルがいる、ツペェアに永久就職で骨を(うず)める気でいる人間に「転職、転職」とはなんというか。

 もうね、ホントなんというか。


 そもそもツペェアもといザクリケルを抜けるときは、どこにも所属せずどっかの地方に行って開拓する予定だ。

 内政知識はないが、知識の中にあってそろそろ危ない記憶の中に放り込んである、高校のときに学んだ北海道開拓知識を駆使すればなんとか行けるだろう。

 いや、覚えているうちに『十全の理』で記憶させたほうがいいかもしれない。


――うん、今度やろう。


「む、無理って……」


 自覚なかったのだろうか。


「無理だろう? 嫌がっている相手に女の子を(あて)がうとか、今以上に給与出すとか名誉もやるとかバカじゃないの」

 それも全部要らないってことは、それ以上の価値がツペェアにあることを示している。

 その価値を思いつかないどころか、神経逆撫でとかバカじゃないのかと。


「では、何が――」

「それぐらい、自分で考えろよ」


 人生に攻略本なんてあるわけない。

 ま、俺には人生の分岐点的な人生年表(くろれきしノート)という攻略本があるからどうにかなっているが、基本はあるわけがない。


「第一、ザクリケルの公務員……、いやザクリケルが誇る"兵器"相手に、ザクリケルから所属を抜けてウェックナーに来い、とかさ」

 どこをどうみても、

「ザクリケルの方針、内政に関わることだよな」


「…………、」

 あからさまに(マズ)いという顔をする、セイカー。

 おせえよ気付くのが。

「確か、内政に干渉するのってさ、戦争の引き金になったりするんだっけ?」


 少なくとも生前の世界であれば、内政干渉は戦争の引き金になると言われている。

 ただ、この世界では当たり前のように行われているものかは不明だが……、この反応を見ていると跋扈(ばっこ)しているわけではないか、あからさまなのは禁止と黙認されているか、どちらかだろう。 


「だから、『代理戦争』をしたのさ。戦争はいつでもどこでも、突発的に起きる。アンタはウェックナー代表。俺はザクリケル代表。国は動くのに月単位だ。だから身軽な俺とアンタがやってアンタが負けた」

 うぐぐぐぐと結構怖い顔で睨まれ、歯も食いしばり口元から一筋の血が流れている。

「今回で通算二回目の勝利、アンタは通算二回目の……なんだっけ?」

「ぐぅっ、敗北だッ……。わかっているなら、聞くな……!」

「いいやぁ? わっかんねーな、だって俺子どもだしー。言ってくれないとわっかんねーんだよなァ?」


「先に手を出したのは俺じゃねーよなァ? テメーらだろう? また、テメーんところにザクリケル経由で通達行くだろうなぁ。楽しみに待っていろよ」

「ぐっ……だが、実力行使したのは!」

「ああ、そうだよ。俺だよ、でもさ実力行使に出させたのはアンタだよな。こっちは嫌がっている事実が残っている。それこそ、一回目から何度も嫌がっていることは周知の事実」


 であれば、

「今回も嫌がっている相手に、しつこく引き抜きに掛かり、王族の名前は出さずともそれを匂わす。脅迫だよなぁ。内政干渉だよなぁ」

 更に言えば、

「戦争と決まれば、先制攻撃するのは当たり前だろう? (こまね)いて出方を待つ馬鹿がどこにいる」

「…………、」


「お望み通り、俺にも通達来るだろうが、まかり間違ってもウェックナーに行ってしまえとかの話は出ないだろうな。それに、うっかり出たとしてもそのときにはザクリケル人ではなく、ウェックナー人……の隙間たる無所属人であれば、無所属として別の国に行くわ」

 だから、

「テメーんところには行かねーよ」

「ぐ、後悔しても遅いからな」


 後悔?

「後悔するのは、テメーらだろ。まあいい、死ねよ。ぶった切れ――」



「待て!」

 この通りの右から接続する道から、大きく張り上げた声が聞こえた。

 目だけを声のした方に向ければ。




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