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ウェリエの聖域:滅びゆく魔族たちの王  作者: 加賀良 景
第2章-ツペェア-
105/503

本拠地

 さて、"宮廷魔術師"という称号をツペェアに来て即日で取得したものの、今日泊まる部屋がない。

 俺とエルリネは野宿に慣れているが、セシルはそうではないのでどうしたものか。

 今から一般街に戻っても、宿なんか空いている訳がない。

 "宮廷魔術師"だからといって、強制的に宿を空けさせる訳にもいかない。

 

 そう悶々していたところで、セシルの祖父母は「泊まっていきなさい」と誘ってきたが、セシル自身が丁重に断った。

 なんでも、村に家族を置いてきている俺がいるのに、妻である自分が血の繋がっている家の人の元に向かうのは、気が引けるのだという。

 そんなこと気にしなくていいのに。


 ただ本人がそうしたいのであれば、俺はそれを尊重し申し出を丁重に断った。

 当てはあるのかと聞かれたので、セシルのおっさんから借りることになった家について話す。

 すると、キュリア家のお宅の近くだとか。

 近くまで一緒に行くことになった。

 一緒に家に向かっている間、前を歩く爺とセシルは楽しくお喋りをしている。

 内容は分からないが、爺はともかく、セシルの顔を見ていれば分かる。

 リラックスしているときの顔つきだ。

 つまり、警戒していない。

 ならば、善きことだ。


 なんて、セシルの姿を見ていたところ、隣のお婆さんから声が掛かる。

「お爺さんのことを悪く思わないでくださいね」

 唐突になんだろうか。

「…………、」


「あの人は、本当の意味の"宮廷魔術師"なんですよ」

「…………、というと」

「聞いていると思いますのでそれ前提で話しますが、"兵器"なのですよ。

本当の意味の"兵器"。

だから、火力としてこの国にずっとおりました。

私がキュリア家の代表として、この世界(きゅうていまじゅつし)に入って直ぐに見初めました。

私にはこの人しかいないと、そう思ったのです。

そう思っても、お爺さんは今では考えれらないほどに寡黙な方で、失敗をしない人でした。

何度も諦めずにお爺さんに迫りました。

『私の家に入婿として来い』と」


 でも、その度に。

「心底遠慮しているように笑いかけられました。

そして戦争があって、彼の"兵器"を見てその上で求婚をして、子どもが産まれて。

お爺さんが独身のときとは打って変わって、子煩悩になり。

今に至ります。

……あのとき、寡黙であった時代で出したかった感情というものを、今露出しているのだと思います」


 だから。

「ウェリエさんも孫の前で、感情を吐露してくださいね」

 意味深な言い方だ。

 俺が感情を出していないように見えるのだろうか。


 だからといって異なことは言わない。

 ええ、そのときは必ず。

 と、濁しておいた。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 お婆さんは屋敷に入ったが、爺のほうは俺たちと共に借家に向かうことになった。

 この辺りの地理が分からない俺と、セシルからすれば有難い申し出だ。

 だが、一々小憎たらしい俺ではなく、可愛い可愛い孫娘のためと強調するのは如何なものか。

 俺には、ツンツン。

 孫娘(セシル)にはデレデレ。


 これがいわゆるツンデレか。

 ……うわぁ。

 自分で言って悲鳴を上げる。

 いい歳こいた年寄りのツンデレはキツいな、主にビジュアル的に。


 相変わらず先頭を歩く爺と孫娘はお喋りをし、爺はデレデレしている。

 一族水入らずの会話中に、横槍を入れるような無粋なことはしない。

 しかし、特に考えることもなく、暇なので俺の後ろを静々と歩くエルリネに、今日は「どんなことを思った?」と話題を振ってみた。


 主人ありきなことを考える彼女(エルリネ)

 白であっても黒と俺が言えば、発言を覆して黒と言う彼女。

 なんでも「YES」と言わせたい(やから)からすれば、理想的な性格をしているだろう。

 戦闘力も申し分ない。


 あと正直に言えば、ロリい体型でもなく俗にいうナイスバディでもなく。

 ただ程々でありながら、男好きするような肢体を持つ褐色肌の彼女。

 その手の人には大好物だ。

 俺も正直大好物だ。

 触手の海にポイとかしたいと、思ったり思わなかったりするぐらいだ。


 但し『"生前"なら』と、注釈が付く。

 現地"作者"として、ずっと少なくとも死ぬまでは彼女といたい俺としては、ただの奴隷では困る。

 対等な存在というか、俺に対して遠慮がない……というのはちと困るが、発言を覆したりしない方がいい。

 彼女は一人の魔族の人間だ。

 人形ではない。


 こんな『触手の海にポイする』とか考えるご主人様なんて大っ嫌いとか言ってくれれば、彼女が大事な俺としてはそれを改善しようとする。

 でも、本当は嫌なのに『触手の海にポイされる』ために、泣きながら寄ってくるのは違う。

「本当は嫌だけど、でも命令だから」というのは駄目だ。

 そういうのをやりたいなら、『人形』でも買えってんだ。

 なお心底嬉しがって『ポイされるために』寄ってくるのは、範疇外なのでそれは除外する。

 彼女があのときに見せた涙から、それは無いとは思うが……。


 とにかくそういったことにならないように、自立した思考を持って貰うための一環として、彼女に「考える」ということをさせる。

 今日の感想とか、ご飯が美味しかったとか、ご主人様の目がやらしいとか、なんでもいいからそう思ったことを、「夜の寝る前に言い合いっこしましょう」と、ツペェアへ向かう馬車の中でエルリネとの間で決めた。


 決めたその日、早速考えて喋らせてみれば、「夕食美味しくなかった」と返ってきた。

 その日は俺が料理当番で、男らしく近くの森で取ってきた熊肉をちょちょいと荷馬車の人が持参していたスパイスで味付けて焼いて食った。

 それがちょっと不満だったようだ。

 彼女には胡椒っぽい味のものは最低限にしよう、とそう決めた。


 さて、そんな感じの言い合いっこを先日決めた。

 寝る前ではないが、話のタネとなるこの話を今しても問題ないだろう。

 ということで聞いてみた結果。


「試験官の女性の胸の谷間みて、ご主人様デレデレしてました」

 アイターと、右手の平でぺちっと叩く。

 見られていたらしい。

「男性ですし、仕方がないと思います。

でも、他の女性を見てデレデレするなら、私を見てください」

 いや、男性っていうものはですね……。

「先程の女性が胸の谷間しか見せないのに対し、私なら全身をご主人様に見せれます」

 いや、うん。

「思う存分見てもいいですし、顔を埋めてもいいです」


「もちろん、契りについてはご主人様の成人まで待ちます。

ですが、もう少し触れて頂けませんでしょうか。

主に埋める方針で」

「いや、埋めるとかその辺りしないけど、その触れるという部分は改善しよう」

 では早速とばかりに、左手で彼女の硬くも柔らかい手を握る。


 荷馬車の中ではセシルと付きっきりが多かった。

 エルリネにちょっと寂しい想いをさせていたのは事実だろう。

 彼女との付き合いを『奴隷とご主人様』として接するのではなく、『エルリネと俺』として接するのであれば、彼女のことを考える必要があった。

 言い訳をするつもりはないが、口で偉そうなことを宣った。

 だが、実際は彼女を結局は都合のいいモノとして、見ていた。


 自分を殴りたい、などは誰でも簡単に言える。

 その先のことが必要なのに。

 一個の『人形』ではなく、一人の『人間』いや、『エルリネ・ティーア』として見る必要があった。

 見る必要じゃない。

 彼女は俺が死ぬまで一緒にいると言った。

 ならば、俺は彼女の想いに応える。


 そして、久しぶりに彼女の薄荷の匂いを嗅いだ気がした。

 久しぶりと思えるぐらいに、彼女と離れていたのか。

 薄荷の匂いを嗅ぎたくて思わず魔族系の娘たちのように、お腹と腰の辺りをぐりぐりと頭を押し付ける。

 漂う薄荷の匂い。

 そして、押し付ける度に強くなる匂い。

 ああ、これ相手の匂いを嗅ぐ行為なのか。


 不安になったときとかに、相手の匂いを嗅いで精神の安定を図る。

 なるほど、確かに頭ぐりぐりは精神が不安定になったときにされた気がする。

 エルリネの細い指が俺の頬を撫でる。

 ふと腰の辺りに触れていることを思い出し、慌てて離れて謝ろうとして、彼女の顔を見た。


 そこには、愛しそうに俺の頬を撫でる母の顔を幻視した。

 俺をあの家の近くの森で、揺り椅子を揺らしながら子守詩を唄ってくれた。

 あの母の顔。

 森特有の緑の匂いとあの詩がフラッシュバックする。

 匂いなんて違うはずなのに。

 

 母の顔を幻視して、すぐに頭から振り払った。

 エルリネを見る度に母の顔を思い出し、そしてあの事件によって毒された母も思い出してしまうからだ。


「ごめん、いきな――」

「謝る必要はありませんよ。ご主人様。

嬉しいです。手だけではなく身体ごと触れて頂けるなんて」

 そういって彼女(エルリネ)微笑(ほほえ)んだ。


 その笑顔がやはり母に見えた。

 母さんに、姉さんと一緒に作った不出来な花かんむりを作ってプレゼントして、お礼を言ったあのときの母さんに見えた。


 俺自身も忘れがちだが、身体は七歳だ。

 まだまだ、母さんというものに甘えたがりの時期だ。

 少なくとも"生前"の世界だと、そういった世界だった。

 そしてそんな世界を、俺は二十七年生きた。


 "生前"の世界の常識に引っ張られて、六歳で親元を離れるのは、「ああ、なんて俺は可哀想な子どもなんだろう」と心の隅で思っていたのかもしれない。

 この世界では、六歳という年齢は親離れ、子離れ出来る年齢なのかもしれないのに、だ。


 そして都合よくエルリネという母性を持つ女性に会えて、勝手に幻視して、どんだけマザコンなんだろうか。

 自分が気持ち悪い。


「うん、こんな程度でよければ今後もエルリネに触らせてもらうよ」

「はい、ありがとうございます」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 さて、エルリネとほかにも言い合いっこしている内に、借家についた。

 中々に大きい。

 借家でいいのだろうか。

 あの村の村長の家並にでかいのですが……。


 だが、爺は間違いがないようでさっさと敷地内に入る。

「ぬぅ。ちょっと扉の取っ手が固いが、油を挿せばどうにかなるだろう」

 フンッと爺から気合を入れたような声が聞こえ、ガキンッという金属が折れたような音がした。

 鍵を壊したのだろうか……。

 不法侵入という四文字熟語が頭のなかを跳ねる。

 その心配をよそに「ささ、お入り」と俺たちを促す。


 中に入れば暗かったが、ランプの中に宝石のようなものが見えた。

 これがいわゆる魔石だろうか。

 ダイヤモンドのような玲瓏さ、ルビー、サファイア、エメラルドといったような宝石もある。

 それらがすべてランプの中に入っている。

 これを消耗させるのかと、(いささ)か勿体無いと感じるのは"生前"の世界の記憶を持つからだろうか。

 念のため、エルリネに聞いておくとやはり魔石のようだ。

 ただ純度が高く見えるものはないようだ。

 つまりは発掘モノ。

 

 良かったというべきか。

 まだ、この国はカルタロセの狂気に蝕まれていない。

 発光のさせ方が分からないので、爺に聞いてみれば魔力を通せばいいらしい。

 早速通してみた。

 魔石にビシッという音と共にヒビが入った。

 ただ通すだけは、当然駄目らしい。


 今度は極限まで使用魔力を落とす。

 俺の魔力の使い方は、突っ込む魔力の種類と量で威力が変わるという特性で、且つ魔力は無尽蔵に近いため、全体の何万分の一という使い方をしている。

 なのでほんの微量を使うというのには向いていない。

 現魔力容量が百万あったとして、その内の一など相当気を付ける必要がある。

 百万円を現金で持っていたとして、その内一円だけの支払いをどうするか。

 千円または一万円といったそれ以上の数字で代用するだろう。

 

 それと同じだ。

 一を使うのであれば、千いや一万を突っ込む。

 流石に灯油という自分の魔力と、ガソリンという精製した魔力ぐらいは切り替えるが。


 さて、そんな訳でいざ使用魔力を極限まで下げてみるも、ビキキッと更に割れそうで壊しそうだ。

 爺に出来ないことを伝えれば、エルリネが率先してやってくれた。

 細かい魔力調整出来る人は本当に羨ましいと思う。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 長年、放置されているように見えたため大丈夫か? と思ったが、意外と埃は溜まっていなかった。

 調度品を昼ドラの鬼姑のように、指でなぞってみるも埃が欠片も付かない。

 状況保存の魔法でも掛かっているのだろうか。

 爺は特になにも言わないので、これが当たり前の現象なんだろう。

 そこまで気になるものでもないので、黙っておく。


 玄関とそのエントランスホールの灯りを点け終わったところで、爺がついて来いと促す。

 みんなで付いて行けば、軽く部屋の説明をされた。

 台所兼居間に寝室が五部屋、風呂場まである。

 爺いや、爺さんがどの部屋にどうあるのかを全て"そら"で言っている。

 何故知っているのかと聞いてみれば、元々住んでいたのだという。


 爺さんの家かと思えば、お婆さんと爺さんの愛の巣だったらしい。

 その後、息子や娘が産まれて手狭になったので、二人共"宮廷魔術師"だしということであのデカい屋敷を建てて引っ越したのだという。

 で、残った家は普通古い家であれば壊したりするもんかと思えば、あのお婆さんが壊したがらず今まで残っているのだという。

 多分お婆さんにとって、"思い出の家"なんだろう。

 中々にロマンチックな話だ。


 爺さん自体はなんて思っているのかと聞いてみれば、笑いつつも照れ顔ではぐらかされた。

 その様子からお婆さんと同じ想いなんだろう。

 そんな"思い出の家"を借りることについて、お礼を言えば「ああ、いいってことよ。家も道具と同じで使ってやらないと壊れていくからな」と、爺さんは言った。


「保存しておきたいと思うのは山々なんだがな。

だが家の中の道具として生まれた調度品が、使われずに朽ちていくのは残酷だと思うから、適宜使ってやって……っと」

 といって爺さんは空気の入れ替えとして寝室の一つの窓を開ける。

「使ってやった上で壊すなり、朽ちらせたほうが喜ぶだろうよ」


 この世界に悪神と成る条件の付喪神の概念があるとは、驚きだ。

 "生前"の世界のどこかで読んだ本で、悪神と良神の両方の面を持つ付喪神をテーマにしていた。

 そこでは使ってやって壊れかけながらも九十九の間使ってやれば、神と成るというものだった。

 そして使わずにいれば、物が意識(かんじょう)を持ったとき、何故自分は使われなかったのかと考え、地縛霊など人に害を為す悪神となるという内容だった。


「というわけだ。使ってやってくれこの家を」

「では、お言葉に甘えて使わせて頂きます」

「皿とかは綺麗だし、上下水は"宮廷魔術師"の名の下に常に使えるようにしてある。

もちろん寝台も風呂場も綺麗にしてある。

今日からもう寝れるぞ」

「何から何までありがとうございます」


「ウェリエ、お前のためではない。

孫娘と今後生まれるひ孫のためだ。

俺が死ぬまでに、ひ孫を抱かせろよ」

 ここで言うかコイツ。


 セシルが赤み掛かった頬を染めながら、俺を悩ましげに見る。

 その悩ましげさは「この爺、キモいんですけどー」という意味なのか、「やっちゃうやっちゃう子作りしちゃう?」という意味なのか。

 あの風呂場での肉食系っぷりを鑑みれば、多分後者だろう。

 

 爺さん、いや爺が爆弾を落としたまま、この屋敷から出て行った。

 こら、エルリネもセシルと似たような目で見ない。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 一先ず警備用システムを構築する。

 "宮廷魔術師"という称号を手に入れたが、ぱっと見ただの子どもだ。

 "宮廷魔術師"の家に忍び込む抜作がいないとも限らない。


 なので、魔力検知能力付きの「遠隔常時探査(リモートスキャニングソナー)」を廊下とエントランスホールと各部屋に設置する。

 "生前"の世界では、スキャニングソナーは魚群探知機だった。

 だがこの世界では俺のイメージ通りに魔法が作れる。

 というわけで今作った、「遠隔常時探査(リモートスキャニングソナー)」。

 かっこいい名前なだけで別に効果は「探知(ソナー)」と対して変わらない。

 ただ「探知(ソナー)」は使った瞬間に全方位を探知する魔法だが、「遠隔常時探査」は常時一定間隔で探知、いや常在型なので探査を行う。

 もちろんランダムの一定間隔だ。

 そして術者たる俺が離れていても動く。


 きっとこの魔法が、世間に知れ渡ったら世の中の貴族はこぞって金を出してでも求めるだろう。

 最低限の警備員は必要だが、侵入を知れ渡らせる。

 最高だ。

 抜作からすれば最悪だが。


 さて、この家には現在警備員などいない。

 そして俺には警備用ゴーレムなど作れない。

 だから、あくまで侵入してきた奴には魔法の応酬が必要だ。

 というわけで使うのは、この世界で作った魔法の「自動起動(オートスペル)」だ。

「自動起動」でいつもの「電磁衝撃」をセットする。


 対人にしか効果がないので重宝する。

 ゴーレム系が侵入者だったら……、そのときはそのときだ。

 設置を完了させて、エルリネたちを待たせている寝室に戻る。

 

 風呂があるとはいえ、今から湯を張るのは中々時間が厳しい。

 無理してでも入りたいのであれば、吝かではない旨をセシルに話せばもう寝たいとのことだった。

 エルリネも同意見だった。

 なお、胸ポケットにずっといたトカゲくんも、先程からずっと欠伸をしていた。


 うん、寝よっか。


 身体を調度品の布を生活魔法で出した水で濡らして身体を拭き、はしたないが俺もエルリネもセシルも下着姿で寝台に寝転がった。

 エルリネが触れて欲しいと言っていたので、今日は久しぶりにエルリネと抱きながら寝ることにした。

 セシルも寄ってきて、そこそこ広くも狭いベッドで川の字になって寝た。

 俺の頭の側には、トカゲくんがいつもの場所とばかりに、丸まって目を閉じていた。


 俺の両隣の彼女たちからは、数分も経たない内に寝息が聞こえた。

 寝付くのが早いな。


 ……さて、俺も寝よう。


――おやすみなさい。


 目を閉じる瞬間エルリネを見たところ、彼女の『精神の願望(マインドデザイア)』がぼんやりと青白く明滅していたが、特に気にせずに寝た。

作者名とアカウントネームが違うため、私の活動報告に直接飛べません。目次の下部にある「作者マイページ」から、私のアカウントの活動報告の閲覧出来ます。

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