主人公になりたかったら、まずコミュ力が必要やで(ニッコリ)
ちゃららららーちゃらら、ちゃらららーちゃらら、っちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃ、ちゃららーちゃらら、ちゃららーちゃらら、っちゃ――
『BGM担当!?』
えっ?違うんですか?
あれですよね?戦闘中のバックグラウンドミュージックの担当は私ですよね?
「いやいやいや、どう考えても違うだろ!それだと俺たちが何してるか、読者に全く伝わらないよね!?わかる!?そこはわかってる!?」
読者への状況説明に関しては――ほら、皆さんの技量で?wwww
「丸投げされたあげく、嘲笑!?」
「駄目ですよクロさん。天の声さんは使えない子ですから、ポンコツさんなんです」
「そうねー。基本的にー、天の声はーポンコツよねー」
総批判!?
ま、待ってくださいよ!皆さん!
パーティー総出で寄って集って一人を虐めるなんて、酷いです!こう見えても、私だって頑張ってるんですよ!
もっと罵ってください!
「まずいですよシズネさん。可哀想なオーラ放ちつつ、天の声さん喜んでます」
「そうねー。ポンコツな天の声はー、変態だったのよねー」
シロキジカAの攻撃!クロは13のダメージを受けた。
「突然のナレーション再開!?」
当然じゃないですか。なんてったって天の声ですよ?これくらいは私の仕事じゃないですか。全くちゃんちゃらおかしいぜ!
「いや褒めてないよね!?それ全然褒めてなかったよね!?」
なんですかクロ君、私に反抗する気ですか?
もうこの際だから言っておきますけどね。私がその気になれば、クロ君のHPを0にして、強引に戦闘不能にさせることも可能なんですからね?
「こいつやることが陰湿過ぎる!」
シロキジカAの攻撃!クロ――
「メテオイ○パクトォ!」
テルの攻撃!シロキジカAに凄いダメージ。
シロキジカAは倒れた。
「よっし、綺麗に決まったわね」
『ナ、ナレーションに割って入ったぁ!』
「えっ?何?」
「いやいや!『何?』じゃないから!なんでナレーション中にテルが攻撃してんの!?ターン制ルールガン無視!?ていうか技がグロッ!なんというオーバーキル!まだ最初の街にもたどり着いてないのに、一体ステータスどうなってんだ!」
「しかも凄いダメージって……天の声さんやる気ないですよね」
「まぁ基本天の声は働きたがらないし?それにテルのダメージがカンストして、測定不可だったってことじゃないかな?」
「ダメージカンストって何だよ!?」
シロキジカBの攻撃!クロは15のダメージを受けた。
「そして鹿うぜぇ!」
シロキジカCの攻撃!クロは12のダメージを受けた。
シロキジカDの攻撃!クロは10のダメージを受けた。
シロキジカEの攻撃!クロは17のダメージを受けた。
シロキジカFの攻撃!クロは15のダメージを受けた。
「ちょ、ちょっと待――」
「あはははは、クロが集中砲火だね?」
「いやイツキさんは、見てないで助け――」
天の声の攻撃!クロは6のダメージを受けた。
「ナレーション、テメェちょっと待てコラァ!」
イツキは わらっている。
「そういう情報いらねぇから!ていうか、なんで敵は俺しか狙ってこないんだよ!明らかに、人為的な何かが働いてるよね?私情が絡んでるよね!?」
クロ君ってば、俺『しか』狙ってこないだなんて。あぁ、もしかして『鹿』だけにってやつですか?ww
「うぜぇ!」
「マスタースパー○!」
敵全体に凄いダメージ!
シロキジカたちは倒れた。
「……おい、誰かテルの無双を止めさせろよ」
「いやぁ、テルは昔から強いからね?」
「いや……なんかもう、これは強いとかそういうレベルじゃな――」
天の声は倒れた。
『ファッ!?』
「えぇ!?て、天の声さん、死んじゃったんですか!?」
「あれ?私の魔法、当たっちゃったのかしら?」
「あんたこそ、実は魔王族の人間だろ!」
「失礼な!私はちゃんと正義の味方をしてるわよ!」
「正義の味方は、敵に笑顔で『マ○タースパーク』なんて撃ちこまねぇよ!」
「でもー、天の声がいないんじゃー、いつまで経ってもー物語が進められないんじゃなかしらー?」
「まぁ、いいんじゃない?天の声はいなくても、僕たちが諦めなければきっと魔王を討伐出来るさ?」
「なんだか今の台詞って、すごく打ち切り臭いですよ!?」
さーて、戦闘も終わりましたし、早く次の街を目指しましょうか皆さん!
『……チッ』
うら若き美少年美少女の皆さんが、こぞって舌打ちをするというのは、あまりよくない絵柄なんじゃないかと思うんですけどどうですかね?
「……死んでなかったんだな」
あれあれ?もしかしてクロ君、私のこと心配してくれたりしてました?うわぁ!嬉しいなー!嬉しいなー!
「いや、敵にまぎれてしれっと攻撃してくる天の声なんて、俺からしたらむしろ死んだほうがよかったけどな」
またまたそんなこと言って、このツンデレさんめwwww
「なんか蘇ってからウザさが増したんだけど!」
「まぁまぁクロさん、もういいんじゃないですか?テルさんのおかげで、無事に魔物にも勝利できましたから」
「ふふん、私を褒めていいのよ」
「それにしたってテルの魔法は、どう考えてもおかしいだろ。あんなのが曲がり通るんだったら、もはやゲームバランスの崩壊どころじゃねぇだろ」
「えっ、ゲ、ゲームバランスってあんた……」「ゲームバランスねぇ?」「そ、そういうのって言っていいんでしょうか?」「もうー、歩くの疲れたわよー」
「なんだよ!言いたいことがあるならはっきり言えよ!」
「い、いえ別に!言いたいことなんてないですよ!クロさんは真面目な方ですから!私たち皆知ってますよ!」
ちゃんとクロ君のフォローに回るなんて、あぁ!ミキちゃんはなんて健気な子なんでしょう!……はい?ゲームバランスを気にする勇者?いえ、知らない子ですね。
「俺か?これって俺が悪いのか?」
こうしてすっかり自己嫌悪に陥った残念なクロ君はさておいて。
無事、二代目一行は最初の拠点『砂漠の街 アルゲート』に到着しましたよ☆
『いやここ砂漠だったの!?』