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はじめに

「―――ですから、この台詞はシズネさんがですね……はい?えっ、もうこれ始まってるんですか!?ちょ、ちょっと待ってください!まだ最終チェックが――」

「あらあらー、ミキちゃんったらまったくー。いいー?物語っていうのはねー何にもまして最初が肝心なのよー?」

「わ、分かってますよ!ていうか、一体誰のための最終チェックだったと思っているんですか!」

「やだー、ミキちゃん怖いよー。ほらほらー早く始めて始めてー」

「うぅ、何で私が悪いみたいになってるんですか……。ええっとですね――って!これ最初はシズネさんの台詞じゃないですか!」

「あれー?そうだったっけー?んー、あら?そうだねーごめんねー」

「あ、あなたという人は……」

「えーこほん。それじゃあミキちゃんが怒る前にー、さっさと『この作品を読む際の注意点』を説明したいと思いまーす」

「いやもう既に怒ってるんですけどね……私」

「やだもうミキちゃんってばー。笑顔笑顔ー」

「いいから早く始めてください!」

「えー面倒臭いよー。私ー、こういうのあんまり好きじゃないのよねー。大体なんなのよ注意点ってー。こういうのって普通ー、天の声とかー地の文とかの仕事じゃないのー?そんなのー私たちの仕事の範囲外じゃないのよー。ねー?ミキちゃんもーそう思うよねー?」

「そ、それはそうですけど……。第一、肝心の天の声さんが使えない子ですし、この作品自体がそういう系統の作品なので、それだけでも予め読者の皆さんに理解していただいてないと、後々面倒なことになってですね……」

「系統ねー。とりあえずそう説明しておけばー読者の皆さんを騙せるとかー、天の声はそんな事思ってるのかしらねー?」

「ど、どうでしょうか……。こればっかりは確認してみないと――いやいや、そこはもういいですから!早く注意点の説明に入ってくださいよ!」

「えー、これ本当に私が読むのー?」

「ここまできて、まだそこ疑問なんですか!?し、仕方ないじゃないですか!上からそういう指示が出てるんですよ!」

「そうなのー?そういうものなのー?この作品ー、そういう感じで進んでいくのー?大丈夫ー?今ならまだ取り返せるよー?これ私に読ませる必要――はいはいー。分かりました分かりましたよー。読めばいいんでしょー読めばー。

 むー。それじゃあ以下がー、この作品を読む際の注意点になりまーす」


『この作品には、多くのメタ発言が通用ではなく乱用されます。なので、お好みでご拝聴ください』


「……はーい。以上でーす」

「ここまで冒頭から長々と引っ張っておいて、注意点これだけなんですか!?」

「そうねー。これだけみたいねー」

「こ、これだけのために、私たちわざわざ呼ばれたんですか!?」

「そうねー。これだけのためねー」

「こ、これだけのために、私はずっとシズネさんのお守りをさせられたんですか!?」

「そうねー。これだけ―――えっ?いや、それは違――」

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

「ちょ、ちょっと待ってミキちゃんー!?さ、最後のは、ちょっとおかしい気が――」

「たった……たったこれだけのために、こんなに長くシズネさんの面倒を見させられてたなんてありえないです!」

「ミキちゃんー!?も、もしかして何か私に恨みでもあるのー!?」

「これは後でテルさんに抗議ですよ!」

「ちょっ――どこに行くのミキちゃんー!?もしかしてだけどー、帰っちゃうのー!?この場はー!?この場はどうするのー!?このまま放置でいいのー!?私ー、一体一人で何をすればいいのー!……あぁ、本当に行ってしまったわー。

 ……ど、どどどどうしましょうこの状況ー。まさか私一人で進行役をすることになるなんてー。これって……完全に放送事故よねー。い、いやいやいやー!読者の皆さんがまだ待ってるのだからー、この場だけでもなんとかしないとー。えっとー、な、何か言わなければー、えっとーえっとーえっとー、あっ!お、お楽しみにー?」


「……あっ、ちなみにメタ発言っていうのはー『フィクションとしての物語内部でキャラが本来知りえるはずのない情報に言及したり、読者に向けて発言したりすること』でーす。そのあたりよろしくお願いしますねー。さてー、私も帰ろうかしらー」

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