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戸籍も必要



 会議が終わった神王殿では、マヌルの里に戻ろうとしたザブダクルをティングレイスが呼び止めた。

「会議には、関わる部分にしか お呼びできず、すみませんでした。

 それまでの議事録です。どうぞ」


「宜しいのですか?」


「はい。ご意見とか ありましたら お願いします」


「今の神世では何を悩み、良くしようとしているのか、勉強させて頂きます。

 ありがとうございます」


「ルサンティーナ様は最初の議題だけで急いで戻られましたので、呼び止められませんでしたが、ご一緒にご覧になってくださいね」


「ああ、はい……」


「つまり、それを口実に お部屋に伺ってはいかがですか?」


「あ……ありがとうございます!」


「僕もマディアも すっかり元通りで、しっかり幸せですので、ザブダクル様とルサンティーナ様も幸せになってください。

 そうでないと困りますので」


「困る? のですか?」


「はい。なんだか僕達の方が悪者みたいな気分になってしまいます。

 障害物みたいな? そんな感じで」


「そうですか……頑張ってみます……」


「全てが始まったばかりです。

 まだまだこれからなんです。

 一緒に頑張りましょう」にこにこ♪


「え? あ、はい」


「ね、ルサンティーナ様」「ええっ!?」


ザブダクルの後ろでルサンティーナが苦笑していた。


「ラピスリ様に、忘れ物がある筈だから会議室に戻るようにと……」


「見つけましたので背を押して来てしまいました♪」

ルサンティーナの肩越しにユーチャリスが悪戯っぽい笑顔を見せた。


「それじゃあ僕も♪」とんっ。


「あっ!」とっとっととっ。


「ユーチャ♪ 行こっ♪」「はい♪」

一緒に消えた。



「す、すみません……その……」


「いえ……」


俯いたまま、じわじわ離れ――


「あ♪ あったあった♪」とんっ。「うっ」

「うっかりしていたわ♪」とんっ。「あっ」


「えっエーデラーク!?」

「エーデラーク様っ!?」


「僕を見るんじゃなくてぇ~」

「そろそろ目を合わせては?」


「「あ……」」合ってしまった……。


「それじゃ♪」「お幸せに♪」

2エーデラークは仲良く消えた。



「そ……そろそろ、、どうだろう……?」


「……はい……協力を、ですよね?」


「そう、、なのですが……」


「はい?」


「離したくなくて……その……」ぎゅっ。


「……はい……困りました……」


「っ……すみません」腕を緩め――


ルサンティーナの手が、離れようとしたザブダクルの背を止めた。


「離れたくないのです……困りました……」


「ルサンティーナ……」


「ザブダクル様……」



―◦―



 大会議室の隣、控室では、

【もう大丈夫だよね♪】【そうね♪】

2エーデラークと、


【これで前に進めるね♪】【ええ♪】

ティングレイスとユーチャリスが、にっこにこで静か~に お茶していた。



―・―*―・―



 なんだか盛り沢山だった1日も夕闇から宵闇へと移り変わろうとしている。


「今日は もう切り上げます?」


響が声を掛けたがルサンティーナは離れており、ラピスリは飛んで行ったウンディを目で追っていた。


〈ルサンティーナ様、おしまいにしませんか?〉

と、声を掛けてラピスリへと走る。


「ラピスリ、どうかしたのか?

 ウンディなら僕が追うから休んでくれ」

アーマルも飛んで寄った。


それでも無反応。


気付いたランマーヤが飛んで来た。

さっきまで紗に戻って飛翔と話していたのに、だ。

「叔母様ってば! 囲まれて疲れたとは思いますがシッカリしてください!」

【皆さん驚いてますよ! 切り上げましょう!】


「あ……そうだな。切り上げねばな」


「確かにアレを1日中は疲れますよね~。

 それじゃ、ゆっくり休んでくださいねっ。

 お疲れさまでした~♪」

王都でも何度も囲まれていたし、大都に逃げても囲まれてしまっていたなと苦笑して、響はソラの気へと瞬移した。



「父様はパパをお願いします。

 私、叔母様をマヌルの里に連れて行きますので」


「そうしてもらえるか? ではまた明日にな」


「はい♪ パパ~♪ おやすみなさ~い♪」


飛翔が頷いて手を振った。


「叔母様? 行きますよ!」連れて術移!



「飛翔、王都に宿舎があるそうだ。行こう」


「はい」


アーマルは飛翔を乗せて王都に向かった。



―◦―



 飛んで行ったウンディは無自覚な瞬移を交えつつマディアに向かっていた。

「この辺りに感じるんだよなぁ」

キョロキョロして窓に灯明を見付けた。


飛んで寄って覗き込むと中の男神が気付いた。

「アイツじゃねぇけどマディアは此処だな♪

 お~いマディア~♪」コンココンコンッ♪


『え?』振り向いた。『入って♪』


「いや、それがだな。

 抜けられないんだよなぁ」ガシガシ。


『ちょっと待って♪』あははっ♪


マディアが窓を開けて握手♪

そのまま連れて部屋の中へ。

「無事で良かった~♪」


「ガス爆発で死んだけどなっ♪」


「ゴメンね~」


「だが俺は不死身だ♪

 人世でも戸籍を復活させてもらったぞ♪」


「戸籍?」


「マジな話、神世も作るべきだ。

 どこに どんだけ住んでたか分からんつって救助班が苦労してっからなっ」


「もっと教えて!」


「アーマル呼ぶから待てっ」焦っ。

【アーマル! 来てくれ!】


「うん♪ ダグさんも手伝ってね♪」


「え? ・・・私!?」


「おうよ♪ 頼むぞ♪」「うんうん♪」


「えええっ!?」「ウンディ、何を騒いでいる?」

「ホント、トシ兄よね~」「もうっトシったら!」

アーマルの背には寿と響、飛翔とソラが乗っていた。

「戦うのかと思って来たら楽しそうじゃない」


「神世にも戸籍を、って話の続きを頼む!」


「その話ね。でも王様の方が良くない?」


「王!?」「そうだね♪ 行こっ♪」

マディアがダグラナタンを乗せてウンディ アーマルと手を繋ぎ、瞬移した。



――神王殿、王の執務室。

ティングレイスとユーチャリスが休憩していた。


「考えるのは明日ゆっくりになると思うけど、人世の戸籍について一緒に聞きたくて。お邪魔しちゃいました♪」


「マディアが嬉しそうだから聞きたいな♪」

「もう少し広い部屋に行きましょう」




 場所を移して人世の――と言うか邦和人ばかりなので、邦和の戸籍について知る限りを説明した。


「それを参考にして明日も会議かな?」


「じゃあ僕が纏めます♪

 アーマル兄様、手伝ってもらえます?」


「それならユーレイの皆も少しの間だけ頼みたい」


「少しでいいんですか?」


「休むべきだと思う」


「甘いもの食べたいな~くらいで疲れてませんよ♪」

「稲荷堂のスイーツとか♪」「ね~♪」

「確かに懐かしいと思ってしまいますね♪」

「うん。人用も食べてみたいかな」ふふ♪


「あ♪ チーズケーキならありますよ♪

 今チェ――ええっと、サクラが作ってくれたんです♪」


「「「「彩桜」くんが!?」」」


「はい♪ 人世でも有名人なんですね♪」


「「友達です♪」」

「稲荷堂の子なのよ~♪」

「娘と結婚する予定です」

言って笑い合う。

「じゃあ纏めに行きましょ♪」「そうだね♪」




 死司最高司の館に戻ると彩桜が現れた。

「プリンアラモードの配達で~す♪

 俺、瑠璃姉トコにも行かなきゃだから配達だけで~す♪」

ササッと並べて消えた。


「「プリンアラモード苺ショート添えね♪」」

寿と響が大喜びで座る。

気合いを入れて人姿になったトシも寿の隣に。


「チーズケーキとお茶も用意しますね♪」

「ボクも手伝います♪」

マディアとソラは用意しに行った。


「アーマル様と飛翔さんも座ってください♪

 ダグさん逃げないの!」


「そうだな」「そうですね」「うっ、はい……」


と、座ったところにランマーヤが現れて紗に。

「私、父様とパパの間♪」

スポッと収まる。


「だから多かったのね~♪」

「でも……まだ1つ多くない?」


「マディア、用って? あっ、失礼しました!」

呼ばれたらしいエーデリリィが大勢なのに驚いて、慌てて頭を下げた。


「エーデも座って♪ 始めよう♪」


スイーツを味わい、平穏を噛み締め、まだまだ大変なのは分かっていても楽しくて嬉しくて、生きていて良かったと皆が思っていた。







神様は不便だと感じないようで、姓も無いし地図も無くて番地やらもありません。

ついでに、1国なので国名も。

救出するのにも困るので考え始めました。



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