表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/51

問題も解決しよう



 ルサンティーナの方も、ティングレイスの方も良い話になっているとは夢にも思っていないザブダクルは、マヌルの里の居室で決意はしたものの後悔の涙に暮れていた。


〈仕方ないなぁ、もぉ~〉


「えっ!?」キョロキョロ!


〈エーデに叱られちゃったじゃないかぁ〉


〈マディア、様?〉


〈友達。なってあげる〉


〈私、と……?〉


〈うん。神は許す者だから。

 過去のはナターダグラルだから。

 さっきは拒絶して逃げちゃって ごめんなさい〉


〈そ、そんなっ、悪いのは私の方で――〉


〈うん。

 でもね、僕も隠れてコソコソしてたし、おあいこだよね。

 だから、せ~ので忘れよ。過去は過去だし。

 いい? せ~の! 今から友達!〉


〈あ、あの……〉


〈ダメ?〉


〈いえいえっ!!〉


〈僕、嫌われちゃった?〉


〈いえいえいえっ!!!!〉


〈じゃあ何なのぉ?〉現れた。


「マディア様っ!?」


「来ちゃダメ?

 僕にとってマヌルの里は実家みたいなトコなんだけど~」


「そそそうではなくっ!

 嬉し過ぎてっ!」


「ん♪ じゃあ友達ね♪

 ザブさんでいい? 僕はマディアでね♪

『様』とか付けないでね?」


「はいっ!」コクコクコク!


「ホンット毒気どこ行ったの?

 目が別神(べつじん)~♪

『儂』は? やめたの?」


「それは……」と~っても困り顔。


「ソレも過去?

 あ♪『儂』はナターダグラルなんだね♪

 ザブさんは『私』なんだね♪

 ザブさん、(まつりごと) 興味津々でしょ♪

 復興 終わったら関わらない?」


「ですが私は……」


「少なくとも死司域はエーデラークが自由にできるから来ていいよ♪

 ナターダグラルは滅されたことになってるからザブさん自身で新神(しんじん)になるけどね。

 友達優待で早く引き上げてあげるね♪」


「よろしいのですか?」


「敬語ダ~メ。友達でしょ?

 ザブさんのフツーって そうなの?」


「まぁだいたい……」【マディア♪】


【グレイさん♪ なぁに?♪】

【ちょっと相談なんだけど、ザブダクル様の事で――】

【今、友達になったトコ♪ 行っていい?♪】

【いいよ♪】

「グレイさんに呼ばれたから神王殿に♪」

手を取って瞬移した。



――神王殿。

「グレイさん、こんばんは~♪」


「マディア♪ ザブダクル様も此方に♪」



 お茶が柔らかく湯気を立てているテーブルには、王妃と前王、ドラグーナと、シャルダクルを抱いたルサンティーナが着いており、ザブダクルに微笑みを向けていた。


響とソラが椅子を増やして自分達も座った。

「ザブダクル様はルサンティーナ様の隣ですよ~♪」

手招きしている響の もう一方の手はルサンティーナの腕に絡めている。


「遅くなって ごめんなさい!」現れた。


「エーデ♪ エーデラークのまま~♪」


「あっ!」戻す!



 マディアがエーデリリィとザブダクルの手を引いてテーブルへ。

「父様♪ 友達のザブさん♪」


「そう♪ ザブダクル様、息子を宜しくお願い致します。

 娘達も、親友のグレイも」


「えっ」 「「そうね♪」」「そうだね♪」


「みんな友達ねっ♪」


「あっ……あっ……」

「ありがとうございます!」

うるうるのザブダクルより先にルサンティーナが深々と頭を下げた。


「ルサンティーナ様、私達と……」

「よろしいでしょうか?

 あの……お茶とか……」


「よろしいのですか? 私なんかと……?」


「「お願い致します!♪」」


「ありがとうございます!♪」



「いい感じだよね~♪

 それでグレイさんのお話は?」


「議会に掛けるのは明日なんですけど、宰相殿が必ず通りますよと仰ってくださいましたので嬉しくて!

 ザブダクル様、古の人神の地も元に戻します。

 ですので王にお戻りください」


「あ…………」

「あなた……皆様お優しいですね……」


嬉し涙に咽ぶザブダクルは何度も何度も頷いた。


「ただ、古の歴史は国と国との争いの記録が多過ぎると感じました。

 ですので争いが起こらないよう、向こう側も1国のみとしてください。

 此方1国、彼方1国の友好国のみです。

 神は皆、どちらの国にでも住んでいい。

 行き来も自由です。


 これは僕個神(こじん)の思いなんですが……、広すぎるから分けているだけみたいな、そんな感じになればいいなって……勝手な事を希望しています」


「はいっ……はいっ……」

まだ頷き続けている。



「アタシは反対なんかしないよぉ。

 古神達を出してもらえるんなら万々歳さね。

 アタシも協力すると約束するよ。

 婆ァは早く寝たいんだよ。

 もう行っていいんだろ?」

アミュラは部屋の隅でラピスリに腕を組まれて ずっと居たらしい。


「では、お送り致します」

アミュラを連れたまま、微笑んだラピスリは瞬移した。



「ドラグーナ様、獣神様の里も、もっと住みやすい場所に広く取ってください。

 それと職域にも お願いします」

「父様! それは僕からも!」「私からも!」


「ありがとう。マヌルヌヌ様に話してみるよ。

 陰ながらの手伝いなら幾らでもだけどね、まだまだ壁は高いと思うんだ。

 ゆっくりになるけど着実に進められるように尽力するからね」


「あ♪ ドラグーナ様が王様すればいいよね♪

 僕よりずっと王様らしいし♪」


「嫌だよ。引き受けないからね。

 獣神が共通して最も大切にしているのは自由なんだ。

 もちろん神としての行動範疇の中でのね。


 グレイ、王は君だよ。

 君が王だからこそ俺達は協力すると決めたんだ。

 これからの神世をお願いね」


「でも――」

「父様らしい言葉だよね~♪」「「そうね♪」」


「……そっか。そうだよね♪

 そうでないとドラグーナ様じゃないよね♪

 僕、頑張ります!」



―・―*―・―



 翌日、ソラ達が待っていると、ガイアルフはフィアラグーナだけでなくオフォクスとドラグーナも連れて来た。

しかも鳳凰の赤い尾羽までもを掴んでいる。


「ガイアルフ様っ!?

 お師匠様ってば!?

 ナンてコトするんですかっ!?」

長い尾羽の向こうでイーリスタが騒いでいる。

「離して~! お尻イタ~イ~!」


イーリスタの背から子兎達が顔を出した。

「「父様ぁ~」」うるるっ。×2


「ん? そうか。嫁の親はドラグーナか」


「はい。娘達が どうかなさいましたか?

 イーリスタ様を無理矢理お連れになるなんて、話していないんですか?」


「悪いか?」「そんなら話す。鳳凰の里に行く」

「えええっ!?」「「きゃっ」」


「鳳凰が兎と結婚して何が悪い。

 それを知らしめに行かねぇとな」

「ついでに小動物を侮るなと教える。

 だからイーリスタが主役だ。

 鳳凰と兎の対決だ♪」


「イーリスタ様、いいですよね?

 頑張ってねオフォクス♪」「んんっ!?」


「フルコンプなんだから兎もあるよね?」


「まさか儂が兎で対決……?」「ですよね?」


「だよ♪ 存分にヤれ」「う"」

「こういう不和が起こった時の為にフルコンプを生んだんだからな」


「まさか……否、今 思い付いたのでしょう?」


「いいや。マジだからヤレ」


「ぐっ…………はい」諦め溜め息。


「よーし! 聞いたからなっ♪

 今じゃないのはマジだが、思い付いたのは昨日だ♪」


「父様っ!」

「あはははははっ♪ あ♪ そ~だ♪

 僕よりオフォクスが大将ぽいよね♪

 貫禄イチバンだもんね♪」


「イーリスタが大将だ。オフォクスは副将。

 嫁達も戦えよ♪」「「は~い♪」」

「マディアもと考えてたんだが、まだ不安定なんだとよ。

 ま、不戦勝1つくらいプレゼントしても問題ないだろ」


「小さくても龍。並みの兎より遥かに強い。

 だから娘達も勝つし、オフォクスとイーリスタ様は当然。

 小動物神を侮るなと教えるには4神で十分なんですね?

 俺は何の為に?」


「ドラグーナが認めてなかろうが獣神の王だからな。

 気位の高い鳳凰ですらも一目置いている。

 これは事実だ♪

 見届け神として最適だろ♪

 それに鳳凰だけが復興に加わってねぇだろ。

 今 分からせとかなきゃあ未来永劫の不和の元だ。協力させろ」


「また勝手に王だなんて……」


「言いたければ鳳凰に言え。

 お前を王だと言い出したのは龍でも狐でもなく鳳凰なんだからな」


「仕方ないなぁ。

 あ、ユーレイの皆さんは父の背にね。

 先に対決になるだろうからね」


遠くに森が見えた。


「あの果物の森に囲まれて鳥神の楽園があるんだ。

 その真ん中に鳳凰の里があるんだよ」



 近付くにつれ、木々の緑の中にカラフルな実が たわわに見えてきた。

陽を照り返す色とりどりを見ていると、別角度から飛んで来た紫龍神も果物の森に向かっていると感じた。


「もしかして~」【エィム?】


【何? 今は行けないからね】


【何してるの?】


【小動物神の皆様を避難所から里に運んでいるだけ。

 今は小鳥神様を運んでいるんだよ。

 君達こそ、こんな南の果てで何を?

 都の復興は?】


【これも大事な用なのよね~♪

 ドラグーナ様もいらっしゃるけど来ない?】


【父様が!? ……区切りがついたら行くよ】


【うん♪】







小動物神様は全て下空の避難所に居たんです。

この日に里に戻っているので復興に加わるのは これからです。

中型以上の獣神様は里に居ましたので既に復興に参加しているのですが、鳳凰神だけは里から出ようとしなかったんです。

それが前日にソラが言いかけた事なんです。


我が儘で偉そうで協調性の無い鳳凰神に、他の神を侮るなと教えに行くのも神世の未来の為に必要だと動いたんです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ