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 鳳凰とソラの班では休憩に入っていた。

〈イーリスタ、羽を(むし)られたとは?〉


〈昔のコトだから気にしないで~〉


〈〈イーさま、私達も気になるぅ〉〉

〈そうよ。私も気になっているのよ〉


〈父様も母様も お嫁ちゃん達もぉ~、気にしないでよぉ〉


〈私達が姿を消したからではないの?〉

〈鳳凰の里で何があったのだ?〉


〈鳳凰の里は~、住んでられなくて~、すぐに出たんだよぉ〉


〈妹が追い出したのか?〉


〈叔母様は優しかったよ。

 でもね、僕が居たら叔母様までイジメられてしまうからコッソリ出たんだ〉


〈私が兎だからなのね……〉


〈僕は兎で幸せだからぁ〉

〈イーリスタ、正直に話さないからだ。

 ご両親に余計な心配を掛けるな〉

飛んで逃げようとした尾羽を踏んづけた。

「うわわっ!?」


「ちょっと拾いましたので、お連れしました」


「ソラぁ~」


「ソラとは繋がっているからな。

 ソラには俺の欠片を大切に育ててくれた恩がある。

 だから呼ばれりゃ直ぐ来るぞ♪

 俺だけじゃあ不満だと言うならフィアラグーナも連れて来るが?」


「ガイアルフ様で不満なんてナイナイナイ!」


「だったら話せ。嫌なら俺が話すぞ」


「話しますからっ!

 僕、逃げたんだけど まだピヨピヨだったから鳳凰のオッサン達に捕まっちゃったんだ。

 騒いでたから人神の軍神(ぐんじん)達も集まって。

 オッサン達に掟破りの子だから処分してくれとか言われて軍神に渡されちゃったんだ。

 軍神達は()っこいし焼き鳥にでもすっかって軽く言って、羽は高く売れるぞとか言いながら毟ったんだよ。それだけだよ」


「翼と尾は すっかり。身体は半分程も毟られてたよな。

 俺とフィアラグーナが通らなかったら焼き鳥にされてただろうよ」


「うん。されてたと思う。

 だから感謝いっぱいで言われた通り修行したんだ。強くなりたかったし~」


「どの獣神にも他種族との結婚を禁ずる掟なんぞ無ぇよ。

 だから神殺しとして訴えるぞと脅して雛鳥を奪い返したんだ。

 俺達も若かったからな、かなり乱暴に奪い返しちまったよ。

 治癒を当て、羽が戻るよう術を唱えてたら鳳凰の女神が飛んで来た。

 慌てた様子で泣きながらな。

 その女神の欠片と種羽(たねばね)でイーリスタは息を吹き返したんだよ」


「うっすらしか覚えてないけど叔母様の声が聞こえたよ。泣いてた。

 ごめんなさいって言いたかったけど声も出せなかったんだ。

 目も開けられなかった」


「俺達は里に戻せば繰り返すだけだと女神を説得して、弟子にすると約束してイーリスタを貰い受けた。

 約束通り鍛え、巣立ち迄を共に過ごしたんだ。


 その後、息子達が四獣神を継ぐと言い出したから俺はオフォクスに、フィアラグーナはドラグーナにイーリスタの話をした。

 二神(ふたり)は大喜びで探しに行ったよ。

 俺が知ってるイーリスタの話はこんなもんだな」


「羽も元通りだし~、僕は元気だし~、父様も母様も、もう気にしないでね?

 僕を連れて行けば良かったなんて言わないでね?

 その過去あってこその今の僕なんだから。

 僕はシッカリ幸せなんだから~♪」

ミルキィとチェリーをギュッと抱き締めた。


「「イーさま♡」」ぴとっ♡×2


「うん♪ 大好き♪♡」



【ガイアルフ様、鳳凰の里に行ってみませんか?】


【そうか。

 イーリスタの叔母を捜したいんだな?】


【はい。それと――】


【おう。解った。

 明日、フィアラグーナと共に迎えに来る】


【はい♪

 サイオンジと一緒にお待ちします】



―・―*―・―



 一通りの作業が終わり、ラピスリと響はルサンティーナの部屋に来ていた。

部屋ではシャルダクルが穏やかな愛情の光で包まれて すやすやと眠っている。


〈シャルダクル様はルサンティーナ様とザブダクル様の御子様になったんですよね?

 ルサンティーナ様だけで育てるつもりなんですか?〉


〈それは……〉


〈シャルダクル様の為にも夫婦は揃って暮らすべきです〉


ルサンティーナは困り顔でシャルダクルを抱き上げ、ゆるゆると揺らした。


〈可愛いですよね~。

 シャルダクル様、父様も一緒がいいですよね~?〉ぷにぷに。


シャルダクルが ゆっくりと目を開けるとルサンティーナが見えたらしく、ふにゃ~と笑った。


「可愛いっ♪

 ね♪ 父様も一緒がいいですよね♪」


「と~さま……?」泣きそうになる。


「ザブダクル様♪」〈あ、あのっ〉


「に~さま?」


「そうそう♪」


「だ~いすき♪」


「ですよね~♪」なでなで♪


「ん♪」


〈神様って赤ちゃんでも話すんですね♪

 マディア様とティングレイス様の時も思いましたけど♪〉


〈それは……はい。

 あ……人は違うのだと思い出しました〉


〈ちゃんと兄様って解ってたし♪

 父様で緊張が走ったのはオーロザウラだって思ったんですね……〉


〈そうなのでしょうね〉


〈理解してるから~♪〉〈あ、あのっ――〉

「シャルダクル様はザブダクル様とルサンティーナの欠片をいただいて再誕なさったんですよ♪

 もうオーロザウラは居ません。

 ずっと未来になったんですから♪

 ですからシャルダクル様の『父様』はザブダクル様で、『母様』はルサンティーナ様なんですよ♪」


「ん♪ か~さま、ありがと~♪」


「えっ、あ……ええ」にこっ。


「に~さまの と~さまは?」


「もうすぐ会えますよ♪

 ね? ルサンティーナ様♪」


「ん♪」にこにこ目を閉じた。


〈また眠っちゃいました?〉


〈赤子ですので〉


〈それじゃあ少しお待ちください♪

 ラピスリ様、お願いいたします♪〉

にっこにこで瞬移した。



〈まさかザブダクルを連れて?〉


〈それも よろしいのでは?

 償いも、子育ても、共に。

 私も それが最善と存じます〉



―・―*―・―



〈ソラ~♪〉


〈あ、響も終わったの?〉


〈こっちも?〉


〈うん。休憩してたんだけど、そのまま今日は終わりにって。

 あとは建物だけだから〉


〈そ♪ それじゃあ王様の所に行きましょ♪〉


〈そうだね。一緒にね♪〉


〈夫婦は一緒がイチバンよね~♪〉


〈トーゼン♪〉




 そうして響とソラは神王殿を訪れた。

『救世主』として有名になってしまったので顔パスで中に入れてしまい、王と王妃にも すんなり会えてしまった。


「神世と僕達をお救いくださり、ありがとうございました」

飛んで来てニコニコ握手♪


「腰の低い王様~♪」「響!」


「王位は兄に返すつもりですので普通にしてくださいね」


「えっ?」「そうなんですか?」


「「はい♪」」にこにこ王妃も来た。


「それじゃあ、このお願いは……」

「どうしようだけど話してみない?」

「そうね♪」


「一応まだ王ですので。どうぞ♪」


「では遠慮なく♪

 今は火山と吹雪の荒野ですが、かつては肥沃で豊饒な地だった古の人神の地も、元に戻したいんです」

「多くの古神様が水晶に避難して眠っておられます。

 救出して、お住まい頂きたいのです」


「肥沃で豊饒な地……そうですか。

 そのお話はアミュラ様からですか?」


「いいえ。

 私達、ルサンティーナ様を捜していて、地に残る書物の痕跡や神様の記憶の断片を読んだんです」

「調べたのはサミル王国とカリュー王国だけでしたが、のどかで素晴らしい国でした」


「あ♪ 神様って手を繋げば記憶を見ることができるんですよね?」

手を差し出す。ソラも。


「はい♪ では失礼します」片手ずつ♪


そして王妃と共有する。

「どう思う?」にこにこ♪

「グレイと同じですよ」にこっ♪

「じゃあ決まりだね♪」


「「え?」」何が?


「私も賛成だよ。

 それと王位はグレイのままでね。

 やっと私も隠居生活を楽しめると計画中なのだからね」


「兄様が隠居だなんて……」


「これからは私が補佐だよ。前王としてね。

 目指すところは同じなのだから一緒に歩もう」


「一緒に……はいっ!」


兄弟にこにこ♪ 王妃もにこにこ♪


「あの~」


「あっ! そうでしたね!

 まだ議会に掛けなければなりませんが、僕としては その歴史を踏まえて、新たな国は1国とし、分裂も分割も認めず、初代の王様はザブダクル様にお願いしたいと思います」


「いいんですか?

 恨みとか、そういうの ないんですか?」


「神とは許す者です。過去は過去ですよ。

 ドラグーナ様のお言葉ですけどね♪

 いろいろありましたが、僕は今とっても幸せですから♪

 それに、あれだけ反省されてしまったから、僕達も何かしてあげられないかなって話していたところなんですよ♪」


「「そうですか♪」」







ソラの『それと――』の続きが神世の現状に絡む問題その1です。

イーラスタ様が追い出され、イーリスタ様は焼鳥にされそうになり、という一連の事にも絡みますが、これを正さないと次の魔は鳳凰神かもしれませんので。


問題その2は風雪と灼熱の地になって忘れ去られている『古の人神の地』です。

せっかくだから住めるようにしたい。

というか、そうしないと復興完了じゃないと響は考えています。

まずは瓦礫の山をお片付けですけどね。



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