副都の貴神殿にも行く
「ヤダッ!
あのオジサン大っキライ!!
ヤダヤダヤダヤダヤダッ!!」
身体も歳相応に小さくしてもらったマディアがエーデリリィに抱かれてジタバタ騒いでいる。
「どうしても支配が消えきらないのよ。
だから消してもらわないと。ね?」
「だってヤダッ! コワイもん!
キライなんだもんっ!!」うるうるっ。
「マディア……」ぎゅっ。
「好き~♪ コレ大好き~♪
エーデ大好き~♪」
「え……? マディア?」
「エーデ♪」すりすり♪
「可愛いんだから……もうっ」
「僕が消すよ♪」尻尾ふりふり♪
「あら……」「まっかせて~~はい♪」
「ホントに消えちゃったわ……」
「もう大丈夫♪」
てってっと弾むように離れた。
「モグ~♪ ありがと~♪」
マディアの手とモグの尻尾は楽しそうにシンクロしていた。
「エーデリリィ」
「父様……」
「不安そうな顔をしなくても大丈夫だよ。
魂が身体に馴染んで少し落ち着いたら、ちゃんと元に戻すからね」
「はい」なでなで。
「今日はエーデリリィもマディアもゆっくり休まなければならないよ。
俺達は動き始めるけど、気にせず休んでね。
そんな小さなマディアは ほんの2、3日だから期間限定だと思って楽しんでね。
マディアは時々何を考えているのか分からないくらい気が利き過ぎるよね?
そんなマディアが全力で甘えるなんて後にも先にも二度とないよ?」
「はい♪」「と~さまも大好き~♪」
するっと抜けて父に ぴとっ♪
「あら♪」「マディア、いい子だね」
「ん♪」すりすりすりすり♪
「でもそろそろお昼寝の時間だよ。
大好きなエーデと一緒に、おやすみなさいしてね?」
「は~い♪」エーデに ぴとっ♪
「と~さま♪ おやすみなさ~い♪」
「うん。おやすみね。
エーデ、家に帰る力は残っているかな?」
「そのくらいなら大丈夫です♪」
「それじゃあ、また明日」
「はい♪」笑顔で瞬移した。
―◦―
「救世主達、チョイと頼みがあるんだよ。
まだ派遣された目的を全て果たせてないんだろ?
その続きを兼ねて副都とやらに行ってもらえないかねぇ?」
「あっ、はい! 副都の貴神殿ですよね!
前王様と側近さんと王子様達を助け出します!」
「たぶん厄介な状態だろうけど、ユーレイなら助け出せる筈だよ。
出せたら此処に連れて来てもらえるかい?
術にも必要なんだけど、この大変な時に王が不在だからねぇ」
「はい! ソラ、行きましょ。
力丸とショウは案内をお願いね。
モグはまだ忙しい?」
「ソッチにも支配されてる人神様いるから行きたいけど~。
王様も込められてるから残りた~い」
「じゃあ王様優先ね」「うん」「俺は?」
「お兄は行くに決まってるでしょっ!」「おう♪」
「此処に居たって役立たずなんだから!」
「響がどんどんキツくなる……」
「連れてってあげる~♪」
アミュラと話しながら桜色の龍尾をフリフリしていた天使が振り向いてニッコリ♪
「え? 彩桜クンだったの!? その格好……」
「ドラグーナ様の神力が出ちゃうの~♪
気にしにゃいでぇ」龍尾フリフリ~♪
「彩桜、ドラグーナ様は?
さっきまで居たよね?」ソラは驚いていない。
ソラと手を繋ぐ。
「休憩中なの~♪
ユーレイ探偵団 集まって~♪
行き先は俺するから瞬移発動だけね♪
手繋ぎ発動、せ~のっ♪」みんなで瞬移♪
――副都。瓦礫しか見えないが。
「門がアレだから……彩桜、ここ貴神殿の真上?」
「サクラすっご~い♪ 一発だねっ♪」
「確認してもらったから力丸とショウは神王殿に戻るよ~♪」
「へ?」「ど~して?」
「王子様席 作らないとね~♪」
「入りきらないぞ」「うんうん」
「だ~いじょ~ぶ♪」連れて瞬移♪
ソラ 響 カケルは瓦礫の山でしかない貴神殿に残された。
神様は簡単には死なないと信じて発掘するしかなかった。
〈しっかしコキ使ってくれるよなぁ〉
〈術に必要だと言ってたでしょ。
文句言わずに捜しなさいよね〉
〈響、たぶん この下〉〈うん♪〉
ソラは地下に空洞を見つけていた。
【よく見つけられたね♪】
【彩桜に教えてもらったんだよ】
【彩桜クンて……】
【龍のシッポがある天使♪】
【見たまんまね♪ ソラも天使なんでしょ】
【称号だけだよ】
話している間に確認した。
〈いるわね♪〉〈行ってみるよ〉地下へ瞬移。
〈お~い響、コッチも見てくれ〉
〈ん〉寄って確かめ……〈大勢ね〉
〈けど神様っぽくないぞ?〉
〈きっと力丸とショウのお兄さん達よ。
2998もいるんだから〉
〈そんなにも居るか?〉少なそうだと真下を指す。
〈あのね、王子様なのよ?
一緒くたに雑魚寝とかあると思う?〉実はある。
〈だったら宿舎その1か?〉
〈でしょうね〉〈響♪ 脱出成功♪〉
ソラが5神連れて戻った。
〈アミュラ様が仰った通りだったよ。
神様は通り抜けられないように蓋がされていて、外からも退けられないからボク達ユーレイが入って持ち上げるしかないんだ〉
〈それが『厄介な状態』なのね。
それじゃあ次々と蓋を上げましょ♪
お兄、頑張ってねっ♪〉〈お、俺!?〉
〈だって急いでるんだから~〉5神を見る。
〈コッチはソラと私に任せてねっ♪〉
〈ったく~〉
「前王様、現王様の所にお連れいたします」
「私達はユーレイ。
つまり、敵かもとか考える必要すらない存在ですのでご安心を♪」
にこにこと前置きして連れて消えた。
「潜ってフタ上げりゃいいんだよな?」
呟いて実行に移った。
―◦―
彩桜へとソラが瞬移すると、神王殿の大広間に建築用の足場みたいな座席を輝竜兄弟総出で組んでいた。
力丸とショウとモグも人姿で手伝っている。
「アミュラ様、間に合いましたか?」
「ああ、お帰り♪ 止めて待ってたよ♪
そうかい そうかい♪ い~い鍛え方だ♪
で、また解かなきゃなんないのかい!
ダグラナタン! サッサと解きなっ!」
「は、はいっ!」大慌てっ!!
ダグラナタンが前王の前で唱えている間に王子席は完成した。
輝竜兄弟は消えて、犬に戻ったショウ達は現王の魔法円へ。
呪縛が解けた前王も犬達を追って魔法円に入った。
その魔法円の中央ではユーチャリスが光球を抱いて座っており、その両側に力丸とショウが寄り添って光球を見詰めた。
モグは禍や支配の残滓を探して消そうとユーチャリスの背後に伏せた。
光球の中では、すやすやと眠る赤子が漂っていた。
「グレイ……」
全ての縛りを解いてもらった前王で兄のサティアタクスが光球に手を添える。
カイダームとクウダームがサティアタクスの肩に手を添えた。
「やっと お会い叶いました。
ユーチャリスと申します」
「グレイと結婚してくれたのだね。
支えてくれて ありがとう」
「いえ……助けていただいて、支えていただいたのは私の方です」
「グレイの、この状態は……?」
「私が神王殿に勤め始めた頃のグレイは魂の奥に封じられ、眠らされておりました。
抜け殻のような状態で玉座に座らされていたのです。
目覚めて後も神王殿に縛られておりました。
その後、私が封珠に捕らえられ……従わされていたようなのですが、秘かに親友と手紙を交わしていたと知られてしまい、記憶を消され、魂のみで封珠に放り込まれてしまったのです。
近い記憶をすっかり消されておりました。
グレイの魂は、封じられて以降も少しずつ記憶を失っておりました。
それは記憶を失っているのではなく、命そのものが削られていて退行していたのでした。
退行は止められず進んでしまい、とうとう赤子にまで……。
ですが、どうにかグレイが消えてしまう前に封珠から出られたのです。
そして やっと今、グレイの魂は身体に戻れたのです。
戻り、定着したのですが……意識が……」
「私との共鳴で目覚めさせられるのか……やってみよう」
「お願いいたします。
グレイ……目覚めて……」
「君達はグレイの子なのだね?
手を添えて手伝ってもらえるかな?」
「「はい!」♪」肉球ぴとっ♪
何処かに消えていたドラグーナが7龍を連れて戻った。
「父様、あれは?」
父によく似た金龍が尋ねる。
「皆の小さな欠片を持っているティングレイスだよ」
「えっ?」「まさか……」「ナンで!?」
驚きを口々に。
「抱いているのが皆の妹でグレイの妻のユーチャリス。両脇の犬はグレイの子。
神力を注いでくれているのがグレイの兄サティアタクスだよ。
詳しい話は後で。
皆の欠片も共鳴させてグレイを目覚めさせてもらえるかな?」
「はい!」一斉に飛んで行った。
輝竜兄弟もドラグーナ様から出て活動を始めました。
もうそんなに頑張って支えなくても大丈夫ということなんでしょうね。
龍尾天使な姿は神力が大きいからこその神世での姿です。
そうなると、そのうち響やソラも尻尾が生える?




