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凍てつく地で発掘調査



 吹雪の中、凍てつく地を掘り始めて体感1時間程が経過した。

【お兄、水晶玉を掘り出すのは慣れたよね?

 もう単独でも大丈夫だよね?】


【おう】たぶんな。


【それじゃ、ショウ達と一緒に掘り出してて。

 ボクと響は書庫跡を探すから】


【書庫?】


【歴史とかの記録を探すんだ。

 解決には必要だと思うから。

 ここはサミル王国のお城だった場所。

 だから必ず書庫がある。

 燃えて跡形もないだろうけど、歴史は拾えると思うんだ】


【水晶玉って、いくつ掘りゃいいんだ?】


【分からないよ。

 ソレ、神様の避難所なんだから】


【ええっ!? 神様が入ってるのか!?】


【うん。聞いてなかったの?

 術とかを使って自力で水晶みたいな結晶体の避難所を作って入って、地中深くに逃げられるくらい強い神様ばかりだから丁寧に扱ってね】


【もう行きましょ】【そうだね♪】

響とソラは手を繋いで離れた。



―・―*―・―



 サミル王国跡で一晩中、もう嫌だと言いたくなるくらいカチカチの氷原を掘ったカケル達は、また吹雪の広い地と火山の山脈を越えて、西隣のカリュー王国跡へと瞬移を交えて飛んで行った。


まずは王城跡を探し出し、其処を起点としてカケルと犬達は水晶玉を掘り出し、響とソラは地に残る歴史やらを調べ始めた。


【城は? 発掘しないのか?】


【後回しだ。敵城なんだからな】

【罠あるかもだから~♪】【ね~♪】

【そんな場所にルサンティーナ様が隠れるとでも思っているのか馬鹿者】


【う……】



 掘り出し続け、調べ続けて数時間。

景色も明るさも何も変わらないのだが、たぶん昼は越えただろう頃。


「よーし! また出せたぞ♪ え?

 ええっ!?」独り言なので普通に話している。

随分と発掘が速くなったカケルが手にした水晶玉に亀裂が入り、閃光が迸った。


パリーン――


割れて砕けた水晶玉はキラキラと散り、消えてしまった。

【俺が割ったんじゃないからなっ!】


【誰に叫んでるんだかねぇ】


【バババーサン!?】


【失礼な()だねぇ。

 アタシはアミュラ。

 ん? お前さん、人かい?

 神世の救世主は人だったのかい♪】あっはは♪


【もしかして……自力で出られるのか?】


【アタシくらい強ければね♪

 それでも呪だらけの地中じゃあ無理だ。

 掘り出してもらわないとねぇ。

 ほれほれ、もっと掘りな♪

 王妃様を見つけておくれよ♪】


【ってルサンティーナ様か!?】


【そうだよ。

 見つけ出してくれたなら、何が起こったのかを話してやろうじゃないか】


【俺達よか神様が捜した方が早くないのか?】


【ルサンティーナは強い。最強女神なんだよ。

 神には見えぬようにするも容易いのさ。

 己を滅するのだけは阻止したんだけどねぇ。

 アタシじゃあ残っているのやら、何処かに飛んじまったのやらサ~ッパリ見えないんだよ。

 ほれほれ四の五の言わず早く探しな】


【水晶玉でいいのか?】

周りに転がしているのを指す。


【其処にゃあ居ないよ。

 居りゃあ とっくに開けてるさね】【女神様っ】


ソラが響の手を引いて飛んで来た。

【失礼な相棒で!】【すみません!】


【いやいやなんのだよ】あっはっは♪


【ボク達も【捜しますので!】】

サッと地を探り始めた。


【アタシはチョイと離れさせてもらうよ】


【【【【【はいっ】】】♪】】




【ソラ~♪ ヒビキ~♪ こっち~♪】


 探って掘って、また探って掘る。ガンガン掘る。

新たな水晶玉が30個程増え、探り方を変えるべきかとソラが思い始めた時、ショウの声が聞こえた。


【響、ショウの所へ!】【行きましょ!】



――ショウへと瞬移すると、力丸とモグも集まって来た。

【ここ見て見て~♪】 【おう】【ん♪】

みんなでクンクン。

【確かにナンか違うよな】【違うね~♪】

【ホントここ掘れワンワン♪ だねっ♪】


【そうだね。当たりかも】

ソラも地に手を当てている。


【一緒に掘れば速いわよ♪】【だね♪】

響が手を重ねて一気に掘る!



【ったく~、目 開けたら居ないんだもんな】


【お兄やっと来た~♪】【遅いぞカケル】


【力丸コノッ!】【ナニしやがる!?】

【遊ぶの?♪ ボクも~♪】

2匹と1人で わちゃぐちゃ。ゴロゴロ離れる。


【お兄ってば、ジャマしに来たの?

 兄様、モグ、相手しちゃダ~メ】


【だよなっ。ったく迷惑なヤツだよな】

力丸がモグを連れてカケルから離れた。


【ナンだとっ!?】【お兄ウッサイ!!】


【はい】しゅ~ん。


【【【ヒビキ最強~♪】】】


【お前らなっ!】【ウッサイわよ!!】


【静かにしよーぜ】【だね~】【うんうん】

カケルを引きずって更に離した。



 掘り出した水晶玉を確かめたソラが、カケルに冷めた視線を向けた。

【少しは役に立ってよね、救世主】


【ソラが冷たい……】


【アミュラ様、いかがでしょうか?】

水晶玉を差し出した。


【戻ってたのかっ!?】【悪いのかい?】

【いえいいぃぃえっ!】


【ふん。

 ま~ったく役立たずな救世主だねぇ。

 ふむ……この水晶らしいねぇ。

 さて、必要なものは揃ったね。

 ザブダクルを止めてやらないとねぇ】


【ソラ、話したのか?】【話したと思う?】


【偉大なる女神様には話す必要なんてないのよ。

 ですよね、ピュアリラ様】


【おやおや、嬢ちゃんにはアタシの尻尾が見えちまったのかい?】


【はい♪ それと老婆の仮面の下に隠している美しいお顔も♪】ソラも頷く。


【おやおや、人にしておくのは勿体無いねぇ。

 ま、アタシは継承しただけなんだけどね。

 さて、ザブダクルの城に向かう前に、ちょいと月に寄ってくかね】


 老婆神アミュラこと継承ピュアリラは愉し気に声を上げて笑うと、皆で掘り出した収穫物を全て引き寄せ、カケル達も光で包み込んで大術移した。




――「砂漠!?」「「「「「月!」」」~♪」」


「ま~ったく面白い救世主達だねぇ♪」


狐と龍が集まって来た。


「古~い神達に用があるんだ。

 案内してくれるかい?」


狐と龍達は困り顔を見合わせている。


「ああ、イキナリだったねぇ。

 ザブダクルを止める最終兵器を持ってるんだが、封印を解かなきゃなんないんだ。

 アタシはアミュラ。

 この名を出しゃあ、一発だろ。

 ちょいと行ってくれるかい?」


 2狐が消え、すぐに鳳凰が現れた。

その背から双子らしい少年の人神達が降りる。

「アミュラ様っ!」

「お久しゅう御座います!」


「ああ、アンタらも居たのかい。

 それじゃあ案内してくれるかい?」


「「はい!」」


「それじゃ み~んな僕の尾羽を掴んでね♪」

鳳凰が ぴょんぴょん♪

狐クス(きつねクス)達~♪ 龍っ子達 連れて来て~♪」

術移した。



――月の表、宙に浮かぶ白い神殿前。

半透明な(初代)四獣神が現れた。


「アンタら、再誕しなかったのかい?

 この危機だってのに」


《イキナリなバーサンだなっ》

《白虎っ!》玄武が押し潰した。《ぐぇえっ》


《大変失礼致しました、偉大なる女神様。

 私共は再誕しなかったのではなく、出来なかったのです》

朱雀が見苦しい仲間を翼で隠す。


《ザブダクルを止める最終兵器とは何なのでしょう? 美しい女神様》

青龍も朱雀と同じく巨体で隠す。


「お前さん達、ザブダクルを護ろうとしてザブダクルの禍で呪われたのかい?

 仕方ないねぇ、それは解いてやるよ。


 で、最終兵器はルサンティーナだよ。

 この()の言葉なら、盲目状態だろうが何だろうがザブダクルの心に響くだろうからねぇ」

スッと地を指しただけで、大きな魔法円を描いた。

「さ、纏めて入りな。

 朱雀(フェンラーグ)玄武(タートガイア)青龍(エアラグーン)白虎(サンタイラー)

 ほらほらボヤッとしない!」


4神は互いに顔を見合せ、頷いて魔法円に入った。


「おっと、アタシも この姿じゃあ神力不十分だねぇ。

 仕方ない。今だけ戻るかねぇ」


 アミュラが光を纏った その時、人世通路からオフォクス、ドラグーナ、ラピスリが慌てた様子で出、術移して来た。


「いいトコに戻って来たね~♪

 これからスッゴイ術するよ♪」

兎に戻っているイーリスタが両手に嫁でぴょんぴょんしている。


「強い神力を感じたんだよ」「はい……」

「真四獣神様に術とは……?」


「まぁ見てて~♪」

「見ているのなら囲み、神力(ちから)を貸しなさい。

 神だけでなく救世主達も」


「あっ!」「はい!」

その場に居る者 皆で囲み、神力を注いだ。

【どうしたらいいんだ?】

【浄化とか治癒とかだ!】【リキんでね~♪】

【強くガンバレ~でも♪】【【お兄早く!】】


「呪を消し去り、身体の再生まで一気に行います。では――」


凛々しい眼差しで ぐるりと見回した何の動物なのか判らない不思議な姿の美女神は、ラピスリに微笑むと唱え始めた。







何の動物なんだかな不思議な姿は龍と狐が混ざった姿です。


風雪と灼熱の地から月へ。

なんとも忙しいユーレイ探偵団です。



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