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神世へGO!



「えっ!?」「またっ!?」


響とモグをユーレイ化させ終えた時、地が再び揺れ始めた。


【オフォクス! 空に行かないと!

 この力、吸収しないとでしょっ!

 ドラグーナ先に行こっ!】

頭に子兎達(ミルキィ・チェリー)を乗せた兎イーリスタがドラグーナを連れて瞬移した。



「ふむ。ユーレイとしての修行をしてからと思うておったが猶予は無さそうだな。

 サイ、出発してくれるか?」


「行ってくらぁよ♪」ニヤッ。


「手紙は此れだ。

 (いず)れを渡そうが内容は同じ。

 儂とドラグーナが込めておる」

狐形と龍形の水晶を手渡した。


その時バッと扉が開いて陽が射し込んだ。

利幸(ウンディ)……何をしに来た?」


「俺が行く!

 俺は神と人、半々なんだろ?

 だったら神よりは近くまで行けて、オトリにもなれるだろ?」


「だが未だ自在に龍には戻れぬのであろう?」


「それならそれで相棒に乗せてもらうよ♪

 途中までな♪

 あとはユーレイ達と一緒にボチボチだ♪」


「ふむ……」


揺れが激しくなった。


「ほら行こーぜ♪ 外でアーマルが待ってる。

 行けるトコまで乗せてってもらおーぜ♪」


「では行って参ります!」

ソラの声でユーレイ達が動いた。




 ユーレイ達とウンディ利幸が乗ると即座に飛び立ったアーマルは、小刻みな瞬移を交えながら最速で昇っていた。


「アーマル、スッゲーなっ♪」ポンポン♪


「しかしウンディ、この先どうする気だ?」


「出たトコ勝負だ♪

 俺なんかが考えても仕方ねぇだろ♪

 さっきもアーマルが尾に込めてくれた通りに話したらOKだったからなっ♪」


「心配しか無い……」


「それにしても父様、輝きまくってたよな♪」


「それ程までにマディアの力は大きいのだな」


「マディアが揺らしてるのか?」


「マディアの気が感じられぬのか?」


「あ~、、だなっ♪」


「誤魔化すな」


三角に並ぶ神力射(じんりきしゃ)が見えてきた。


「ウンディが居るのならば試してみるか」


「何をだ?」


「僕の矢に力を込めてくれ」

光で成した弓を出し、浄破邪光矢を(つが)えた。


「おうよ♪」ムンッ! とリキむ。


「ウンディの神力を引き寄せ……放つ!」


銅色光を纏った矢が神力射に向かい、光は輝きに、そして炎光へと変化して頂点の1つに命中した。


神力射が弾け、連鎖して次々と弾けていき、三角全てが消え失せた。


「これで進めるのならば現世(うつしよ)の門まで乗せて行くとしよう」


「その先には?」


「神が通り抜けられると敵神に知らせる気か?」


「戻るのか?

 やっぱマディアんトコ行きたいんだよなぁ」


「戻って職神達を鍛え、反撃する」


「そんならいい♪」


「納得したのなら現世の門に向けて行くぞ」


「なぁアーマル」「どうかしたのか?」

「さっきの、俺の力かぁ?」「そうだ」

「へぇ~♪」


「命中させたアーマル様が凄いんでしょ」

「響、聞こえるよ?」

「聞こえるように言ってるのよ♪」


「ま、そのとーりだよなっ♪」




 三角神力射を破壊した事で後退した瞬移不可エリアの境界までアーマルは瞬移し、一列に並ぶ神力射にも同じように矢を放った。


しかし破砕できたのは1台だけだった。


「連鎖しねぇな……うわっ、直ろーとしてやがる!」


「先程のとは違うのだな。来たぞ!」


浄破邪光矢が粉砕した神力射が元通りになると、一斉に射出口が開き、禍矢(かや)が放たれた。


「ウンディ、力を!」


アーマルの前にズラリと並んだ光弓に同時に浄破邪光矢が(つが)えられた。


それら全てが銅色の炎を纏った神火矢と化し、神力射の禍矢へと向かって飛んだ。


「よーし! 全部 当たってやがる♪」


神力射の禍矢を木っ端微塵にした神火矢は、勢いそのままに神力射の射出口に飛び込んだ。


「燃えやがれ!!」オリャア!


神力射が銅炎に包まれた。


「やったなアーマル♪ 進んでくれ♪」



 同様に次の列も、その次も燃やして、最後の列に。


「そんじゃあラスト1発だなっ♪」

「待って後ろ! 矢が来てる!!」


最下の神力射列が復活していた。


「前からも来てるよ~」


アーマルの弓が後ろにも現れた。

「ウンディ!」「おうよ!」


双方の神力射の禍矢を神火矢が弾き消す。


距離が近い前の列が先に銅炎に包まれた。

続いて最下も。


「ユーレイ達! 行ってくれ!」


アーマルが叫んだのは、下方3列の真ん中列が復活した為だった。


「今のうちに早く!」「はい!」一斉に飛ぶ。


戦っているアーマルとウンディが気になるが、振り返る余裕は無い。

全力で上昇するユーレイ達だった。



―◦―



 どうにか現世(うつしよ)の門を通り抜けたユーレイ達は暫くは そのまま上昇を続けた。

今は桜の大木のような樹の下で休憩している。

「この木、永遠の樹だっけか?」

「お兄でも覚えてた~♪」「あのなっ!」

カケルはショウ・飛翔(たかし)と共に浄化の門から逃げた時の戦いを思い出していた。


「この後は?」「ソラは無視かよっ!」


「真上に行く~♪」「あの雲が入口だ」皆で無視。


「モグ? 元気ないけど大丈夫?」


「大丈夫~」えへっ。


「モグはオイラが連れてっていいかぁ?」


「いいわよ♪」


「マヌルの里にゃあ神眼の強いソラが行くべきだぁな。

 ヒビキチャンと行くかぁ?」


「「まさか他は滝?」」


「2人で十分だろ~がよぉ?」


「そうですけど……」「デートね♪」

「あのねヒビキ――」「何事も楽しむべきよ♪」


「でぇ、カケルとショウ 力丸が禍の滝だ。

 ショウなら森を抜けられるだろ~よぉ」


「頑張りま~す♪」「俺は?」「ボク……」


「モグは付いてきたいトコに行っていいよぉ。

 オイラでもショウでもよぉ」


「うん……」「なぁサイ様、俺は?」


「力丸は通れるか試してみりゃあええだぁよ。

 ショウは弟で相棒なんだろ?」


「おう♪」


「サイオンジどうするの?」


「オイラ達は後になる神王殿と貴神殿を見ておくよぉ。

 先に襲われちゃあナ~ンもなんねぇからなぁ」


「そっか。

 それじゃあ張り切って行きましょ♪」




「うわ。近づいたらナンか出た!」

「コッチの道な」「一方通行なんだよ~♪」

「また俺無視かよっ!」「行こ~♪」

力丸とショウが先導して、2本並んで縦に伸びる筒のような神道の一方に入った。


「エレベーター?」「「箱は無い」けどね~♪」


皆が続いて神道に入ると、上の地の出入口らしい雲に向かってスイッと引き上げられた。


ふわりと地上に出る。すぐ近くには城壁。

【王都を囲む壁だ】【人神が飛ぶ限界の高さだよ】

【そのまま上昇な】【門兵さんに見つかるから~】

既に力丸とショウは上空に居た。


ユーレイ達も上昇し、少し飛んで王都中央部の上空に着いた。


【此処が神王殿なのかぁよ?】

サイオンジは額に手を(ひさし)にして、ぐるりと見渡している。


【うん♪】【マトモに入ったコトないけどな】


【王子なのに?】

響はソラと手を繋いで西を向いている。


【巡視の報告は、あの守衛殿なんだ。

 本殿なんて呼び出されるのは叱られる時だけだって兄様達が言ってたんだ。

 何度か入ったけど、大広間に押し込まれて話なんて聞くどころじゃなかったよ】

【だから探検した~♪】【コッソリな】


【探検してくれてて良かったわ♪】


【うんっ♪】【褒められるなんてなぁ……】


【そんじゃあ急ぐだぁよ。

 此処は襲撃されるのは最後だろ~からよぉ。

 ナンジョウ、トクと一緒に見ててくれよなぁ】


【へ? 奥様と?】


【オイラはモグと副都だぁ。

 トクにゃあ少しでも安全なトコに居てもらいたいんだぁよ】

ずっと寄り添っているモグを撫でた。


【あら♡】【そんならまぁ……】


【力丸、ショウ。滝に行く前に、副都に連れてってくれるかぁよ?】


【おんなじ東~♪】【一緒に行こうぜ】

【お兄、乗る?】


【いいのか!?】


【飛ぶの遅いから~♪】【う……】


ソラと響は笑いながら西へ。

ショウ達は東へと出発した。



―◦―



 副都上空でサイオンジは宙に座り、モグを抱いて撫でていた。

【ちぃと思い出しちまったかぁ?】


【…………うん】


【そぉかぁ。

 モグラよぉ、生まれ直したんだから気にしちゃあなんねぇよぉ。

 犬のモグとして精一杯 生きりゃあええ。

 オイラもその方が嬉しいからよぉ】


【サイ……】


【オイラは戻って来てくれただけで嬉しいんだぁ。

 また一緒に生きようなぁ】


【ありがと……サイ……】







なんだかウンディ利幸が活躍してしまいました。

カケルよりは役に立つ。うん。

ま、なんだかんだ言ってもドラグーナ様の子ですからね~。


神力射(じんりきしゃ)群という凶悪障壁を突破させたから敵神ザブダクルにとって最大の邪魔者だと占術で出た(外伝1)のかは まだ不明ですが、何にせよユーレイ探偵団は神世に到着しました。



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