ジンの孤児院での生活。七戦王の前日譚ー勇者の子ー
七戦王の前日譚ー勇者の子ー、主人公の孤児院での生活を描いた短編です。
夜が明けた。いつもは六時くらいに起きる。朝日が、ちょうどいい目覚ましになってくれる。
「今日は料理当番か。」
ベッドを片付け、朝ごはんの支度を始める。俺が料理を作ると、孤児院の連中は不思議とよく起きてくる。よほど腹が減っているのだろう。
「久しぶりのジンの飯だ〜!」
「今日の朝ごはんは、パンとサラダ、それにフルーツの盛り合わせだ。たくさん食べるんだぞ」
みんながおいしそうに食べてくれるのは、俺の至福の時間だ。誰かが笑いながらおかわりをねだるたびに、心が温かくなる。
「おかわりもあるからな」
「おかわりしてくる〜」
子供たちは何度もおかわりをして、数分もしないうちに皿は空になった。
食器を片付けたら、ボランティアの魔術師が来るまで魔術関連の本をめくる。今日は何を教わるんだろう。
ほどなく門がきしみ、見慣れた背格好の魔術師が顔を出した。いつもの日常が始まる――そんな感覚が、ジンの胸を穏やかに満たしていた。
本編は七戦王の前日譚ー勇者の子ーです。気になる方は読んでみてください。