ジェネラル倒したらなんかジェネラルから差別撲滅委員会に入らないかって言われた話
「」←人が喋ってる時
『』←魔物や精霊が喋ってる時
【】←スキルや魔法、超能力を使ってる時の詠唱用
「あ、先日はお世話になりました…」
「……こいつ誰?」
「えーっと、前俺を殺そうとしてきた子。」
「殺そうとしてきたァ!?」
ズザザァー
すぐに距離を取るチトセ。いや、それはそうなるだろうけど仮にもお前からしたら命を助けてくれた人なんだぞ?
「でもまぁ、違法な依頼で仕方なく殺そうとしてきただけで、悪いやつじゃないはず。」
「はずって…」
「で、なんでここに?依頼か何かで?」
「う、うん…」
「ここって結界的なやつが貼られてて入れないはずだけどどうやって入ってきたんだ?」
「実は…」
「実は?」
「元からいたんですよね。」
「え!?」
「いや、依頼が終わって受付さんのところに行って報酬貰おうとしたらたまたまお二人と一緒に巻き込まれまして帰れなくなったんですよ。それで、まあ戦闘が終わってからどうせ結界解けるし待っといたら良いかなーって思って待ってたらチトセ?さんが死にそうになってて急遽参戦したって感じですね…」
「…元からいたなら最初から参加してくれてたらまた変わってたり?」
「確かに、早期決着できていたかもしれないわね。」
「うぅ、上位種とか初めてでそう簡単に戦う覚悟ができなかったんですよ〜!」
「そ、そっか…だが助かった。」
状況は好転した。人員は増え、しかも一人はほとんど消耗なし!
ジェネラルは武器なし左腕なし!
「で、あのナイフは?」
「えっと、第一階層のコケッチョーの腎臓から摘出した麻痺毒が塗られたナイフです。数時間はまともに動かせないかと…」
「数時間!?流石に盛りすぎよ。コケッチョーの腎臓毒で魔物を麻痺させることができるのはせいぜい五分くらいのはず…」
「いや、お二人が戦闘されている間ずっと毒を抽出してはそれを繰り返したものを塗ったナイフなのでそれぐらいはいけますよ。」
「でも、それだと毒の量が少ないんじゃ…」
「五十八匹」
「…え?」
「私が今回毒を抽出したコケッチョーの数です。」
「…信じるしか無さそうね。」
『う…ぐ…』
ジェネラルが動き出した!
『不意打ちとか…姑息な手を使いおって…!おかげで右腕が全然動かん…!』
「いや、不意打ちは…ごめんね?」
『クソが…クソがぁああああああああああああ!』
ダッ
「脚は普通に動くのかよッ!」
足にかけていた念動をジェネラルに向けて…突き離す!
ドッ
『さっきからなんやねんソレ!魔力を一切使っとらんのになんでそんなことができんねん!』
「それは……契約してっからだよ!」
『訳がわからんわ!』
グルンッ
「身体を思いっきり回転させてその遠心力で腕を振り回すとか…豪快すぎんだろ!」
さっきの文言からして麻痺毒が塗られたナイフはあの一本だけ…どうやって倒す?腕を切り落とすのもありだが回転されると切り落としにくいはず…
「弱点とかわかれば良いんだが…」
「胸部です。」
「え?」
「オークジェネラルの弱点です。」
「…なんでわかったんだ?」
「私、魔視なんで魔物の急所がわかるんですよ。」
「魔視…?」
また初めて聞くワードだな。あとでどういうものなのか聞くか。
「胸部ね…さっきコトハが攻撃して丁度ちぎったところだからあと何回か斬ればいけるわね。」
「サポートする!【万能魔杖】」
ニョキニョキニョキ
サポートするなら…相手の足を奪う!…にしても魔力が回復しきってないからそんなにサポートできねェな。
「えーっと、コトハさん?コレを。魔力が回復するポーションです。」
「え、ありがとう。…【グランド・アーム・フォルテ】!」
ガシッ
『土の腕か…!やからなんやぁ!こんなモノッ!』
「下を見たな?」
『あ゛?』
「かるかん!」
『【蛇睨み】』
カッ
『こんやろう…!クッソ、さっきのやつより…!抜け出せへんッ!』
そらそうだろうよ。本家バージョンだからな。
「くらいなさいッ!」
ズバッ
「胸部に入った!」
ブッシャアアアアアアアアアアアアア
『うああああああああああああああああああああああああああああ!』
「ヨシッ!」
「もう一発…!」
『ハァ、ハァ、ハァ…一方的にやられてたまるか…!道連れやァ!』
…何か嫌な予感がする。
「…!チトセ離れろ!左右に避けろ!」
「一体何が…!」
『くらえや…!ワイの全身全霊全力を…!』
キュイイイイイイン
「胸部が光り出した!」
『【将軍砲】ッ!』
キランッ
ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
……ダンジョンの壁が完全に壊れた。出入り口は無事だが…当たったらひとたまりもないだろう…
「…危ねぇ……チトセは!?」
チラッ
『………お前、バケモンかよ…』
「ハァ、ハァ…」
ボタッ、ボタッ
『ワイのアレくらって出血程度で済むなんてな……』
「ハァ、ハァ…結構…消耗していて…威力が下がったんじゃないの…?」
『だとしてもスゲェよ……ワイの完敗や…』
バタリ
「か、勝てた?」
『クソ…今度の代には…索敵効果をつけといたらなな…』
「今度の代…?」
『せや、お前…』
「?」
『あのようわからん力…魔法でもスキルでもないやろ。』
「!」
『多分アレはこの世界のもんちゃう。そうやろ?そうやな…例えば…』
は?何言ってんだコイツ…
『超能力…とかな?』
「ちょっ、テメェ馬鹿!ここでそんなこと言えば…!」
『安心し、一応結界貼ってある。ワイとお前のな。』
「…ほんとか?」
『ほんまや。…お前に頼みたいことがある。』
「なんで聞かねぇといけねぇんだよ。」
『…ほんまに頼むから。』
「…一応聞いといてやるよ。」
『魔族を…助けてやって欲しいんや…』
「魔族を…助ける?」
助けるも何も、魔族は人類とされてるはずじゃ…?
『魔族は元々魔物と人類の交配の末生まれた種族や…』
「!」
『確かに表向きでは差別なんてされとらんよ。』
「表向きは…?」
『そう、表向きは、や。』
「…どういうことだ?」
『なんとなくお前さん察してるやろ。こういうダンジョンやスラム、それこそお前が通っとる学園とかでも差別はある。』
「なんで俺が学園通ってること知ってんだよ…」
『このダンジョンでの会話はだいたい把握できるんよ。』
「でも不意打ちくらったんだな。」
『…今それはええやろ。で、差別をなくして欲しいんや。』
「まぁ、差別は良くないから俺も看過するつもりはないけどそれとお前に何の関係が?」
差別を止めて欲しいのはわかるが、それがなんでジェネラルのお願いなんだ?
『…家族がイジメられててキレへん家族がどこにあんねん。』
「!」
『ワイらが最初に生まれた時、同じ生き物やのになんで差別されなあかんねんって思ったらしいんや。それで初代は知恵を手に入れて、二代目は言語を手に入れた。交渉する前に殺されて、無理やと判断して戦闘系の進化に切り替えた。そしてある日、先代が目撃したんや。魔族を殺す人類をな…』
「…続けてくれ。」
『そんで、戦闘系に進化しつつも思考は変わっていた。魔族をどうやって助けるかってな。それほど酷くて惨かったんや。差別を止める為にはまず誰かに差別を止めるように言わなあかん。でもだいたいそれで返ってきた答えが「魔物が吠えてやがる」やった。それで計画したのがダンジョンを出て革命を起こすことやった。でも無理やった。ダンジョンから魔物は基本出ることができへん。コレばっかりは進化してもどうにもならん。やからずっと待ってたんやワイらのお願いを聞いてくれる人をな。』
「…俺も聞くとはかぎらねェだろ。実はさっきのは口だけで差別してるかも…」
『いや、絶対ないわ。』
「…なんでだよ。」
『お前差別したことないやろ。…むしろされた側や。』
「…ハァ、俺には家族愛とかそういうのはわからんが、わかった。できる範囲でやってみるよ。」
『!そうか。なら安らかに死ねるわ…』
「ああ、それは良かった。」
『ああ、そうそう。』
「?」
『ルヴェルチュール、コレがワイの名前や。…良かったら覚えといてな………』
「…死んだか。」
急に差別無くせ…ってなんだよソレ。俺はさっさと家族見つけて………
でも、そういうのは嫌なんだよな。
俺がぬくぬく学園生活してる間にも…って考えると…
……やっぱり、やれるだけ、やれるだけやってみるか。
「…帰るか。」
「ええ。」
「コトハさんは大丈夫ですか?傷とかありますか?」
「大丈夫だ。…ていうかお前名前まだ聞いてなかったな。なんて言うんだ?」
「セツって言います!」
「…またこの三人でダンジョン潜る?」
「え?」
「いや、私たちでオークジェネラル倒せたし、セツに至っては奇跡的に会えたじゃない。だからコレもきっと何かの縁かなーって。」
三人で狩りか…効率も良くなるし良いかもな。
「俺は良いぞ。」
「私も問題無いですよ!」
「じゃあ、また明日、ここに集合よ。」
「そうだな。」
「明日はどんな依頼受けますー?」
ワイワイガヤガヤ
このあと三人で色々話をした後、素材屋に行ってコケッチョーを解体とかしてもらって寮に戻った。
少し帰るのが遅くなってしまってカレンとアンビアスに少し怒られた。




