全ての始まり
どうも序盤元気マンです。
序盤だから頑張っちゃうぞ〜。
-あるド田舎の学校にて-
「ライト設置終わったか〜?」
「こっち終わりました!」
「今年こそは頼んだぞ…わざわざ先生に土下座までして時期ずらしてもらったんだから…」
「大丈夫っすよ先輩、今年はカブトムシとか取れますよ。」
「ほんとかなぁ…今年カブトムシとかの標本作れなかったら生物部の存続は厳しいからなぁ…」
「ですよねぇ…」
俺の名前はタカシ、現在遅刻中だ。
「やっべぇ、電車10時出発ってことにアグラかいてゲームしてたら9時57分だった…」
我が家から駅まで徒歩5分ダッシュで3分に届くかどうか。
仕方ないアレ使うか…疲れるから嫌なんだけど…
「【念動】」
念動を足に纏わせて地面に対する反発力を増幅させる。ついでに自分の目の前に念動の壁を作り、空気抵抗を減らす。
「うおおおおおおおおおおおお」
『ドアが閉まります。』
「間に合えぇぇぇぇ!」
スライディィィィング!
「あっぶねぇ間に合わなくなるとこだったなぁ。」
ゼェゼェと息をしながら空いていた席に座る。今日は日曜日だが、なぜか席が空いていた。ラッキー。
『駆け込み乗車はおやめください。』
アナウンスさんに怒られちゃった…
さっきの現象でわかると思うが、この世界では超能力が使える。
そして超能力は全人類が使用でき、学校でも月一ぐらいの頻度で授業がある。
一般人なら【念動】はもちろん、すごい人なら【発火】を使える。
ちなみに俺は【念動】を朝食一回分のカロリーを消費して使うことができる。他人は11円スナック菓子一本分で発動できるのになんででしょうかねぇ。
まぁ、かと言って超能力の良し悪しでいじめが起こったりする様な世界ではない。むしろね、もうみんな手を取り合って生活してるし、理想郷って言っても良いぐらいですからね。まぁ、ガラの悪い学校とかだったらいじめとかあるらしいけど俺には関係ない。
超能力を全人類が発現し出したのは200年前のこと。
突如世界遺産とかそういう価値のある遺産が崩壊して、ダンジョンと呼ばれる洞窟のようなものが出現した。
それと同時に人類は超能力を発現。ダンジョンには魔物がいるのだが、超能力で一応対処できるようになったという。
その後、超能力によるいじめや職場でのハラスメントが多発したのだが、そういうことをした人物はダンジョンに入った際を機に超能力が使えなくなってしまうことが発覚。
このような現象を某ネット掲示板で
『今日さ、会社でダンジョンに潜る日があって、そん時にワイをパワハラしてきてた上司が超能力使えんくなったんやけどなんで?』
『あ〜それなぁ、ワイもどういう仕組みなんか知らんけど【ざまぁシステム】っていうことにしてるわ』
という会話より、【ざまぁシステム】と呼ばれている。
ちなみにダンジョンはというと、今ではストレス発散のアミューズメント施設扱いです、はい。ダンジョンを作ったりした神様?は泣いて良いと思う。
いやぁ、ね?なろうとかでよくあるダンジョン内の魔物が溢れかえって地上に出てくるとかそういう現象はないからほんとにテストの点が悪かったりして落ち込んだりした時の学生のストレス発散場として人気なんだよね。
ただ、ダンジョンに潜ることを仕事にしている人もいて、その人は冒険者と言われている。冒険者の登録は15歳から可能で15歳になった夜に受付に行って登録する人がよくいるらしい。ちなみに俺は、友人のストレス発散に付き合う時に登録した。
「っと、着いたな」
ちなみに現在なぜ電車に乗っていたかというと、生物部で宿泊イベントがあるからだ。俺の通っている学校は校舎から少し離れたところで山を持っていて、生物部は夏休みになるとライトトラップやバナナトラップを仕掛けて虫をとる。
学校は駅から徒歩10分。まぁまぁアクセス良いよね。
「それにしても楽しみだなぁ。」
今年はいつも何故か8月開催のところをわざわざ先輩が先生に土下座して7月開催にしてくれた。ありがたい。
ちなみに、俺はいつも風邪を引いて参加できなかったので、今回が初です。(友人からどんなイベントかは聞いてた。)
しかも昆虫の標本で有名なカズキさんも今日は来てくださっているらしい。
「あっついけど頑張るぞー!」
そうして俺は学校に歩を進めるのであった。
-夜-
現在午前1時。合計4回のアタックが終わって学校の理科室で集まっていた。
結果はカブトムシ5匹とクワガタ(ヒラタとノコのオスメスペア)とヤママユが3匹ぐらい。虫にそんなに知識のない人のために教えておこう。大成功である(地域によって差があると思うけど一応ここでは大成功。いつも死にかけのセミしかいなかったからね)
「時は来た。」
隣で俺の友達のトモノリが口を開いた。
「アレをやるのか?」
もう一人の友達タケルが震え声でトモノリに聞く。
「今年も持ってきたぞ…」
トモノリがカバンを漁りだす。そして引き出しサイズの箱を取り出した。
ゴクリ、と教室内に響いた。
「UNOだぁぁぁぁぁぁ!」
「うおおおおおおおおおお!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺はテンションが上がり、タケルは拒否反応で床でジタバタし始める。
このUNO、普通のUNOとは違って、最下位になると100均で売ってたノックする度に電流が流れるボールペンをノックするとかいう罰ゲームがある。ちなみに反則上がりした時やUNOを言わずに上がった時はカードを3枚引く代わりに3回ノックすることになっている。
タケルが嫌がっているのは去年禁止上がりを計2回UNOを言わずに上がったのが1回最下位が5回とかいう戦績だったからである。(心臓が悪い人は真似しないでね)
「良いじゃんやろうぜ」
「嫌だァァァァァァァァァァ」
あまりの声量に先輩からあんまり騒ぐならもう寝ろと言われてしまった
「ちぇっ、じゃあトランプで大富豪でもするかぁ、ボールペンなしで。」
「ボールペンなしならやるわ。」
「ふっ、初っ端から大富豪なって都落ちずっと回避してやるぜ。」
「タカシお前大富豪強いのか?」
「おうよ、ボッコボッコにしてやんよ。」
こうして賑やかな夜が始まった。
-2時-
「よっしゃ上がりィィ!」
「またタケルかよぉ、つまんねぇなぁ。」
「で?万年大貧民のタカシさんはいつ大富豪になるんだぁ?ええ?」
「ガキが、舐めてると殺すぞ。」
「こっわ〜wこの大貧民スラム育ちかってぐらいガラ悪いんだけどw」
「まぁ、大富豪やったらだいたいこんなもんだろ。」
はい、1勝もできていません。アレからずっと大富豪やってて現在部屋にいるのは俺たち3人とカズキさんしかいない。そんだけ長くやってるのにずっと大貧民です。いやぁね、まさか序盤から階段革命来るとは思わないじゃん?
「お前、じゃあ次大貧民のやつボールペンな?」
「別に良いぜ、どうせお前だし。」
「よっしゃキタ、都落ちさせてやんよ!」
「ところでさぁ。」
「うん?」
「タカシ、お前ってホタルみたいなやつ超能力で出せるんだな。お前いつそんな能力習ったんだ?」
「あとなんかお前瞳孔赤いぞ?カラコンなんてつけてたか?」
「え?つけてないし超能力なんて使ってないけど…」
「え?」
特に変わった感じはしない。でも、なんか深夜テンションとは違う謎の昂りがあるぞ?
「なんか昂ってきたわ。」
「なんじゃそりゃ。」
ワッハッハといつものようにバカみたいに笑う。すると何故かカズキさんが寄ってきた。
「あ、カズキさんもします?」
「今からずっと大富豪のコイツを都落ちさせようって話なんすけど。」
「おいおい3人相手は卑怯だろ!」
「…お前、魔女だな?」
カズキさんの言葉を聞いて全員が意味不明状態になっていると。
「【念動】!」
「!」
机の上にあったフラスコが一斉に割れる。今のは念動を一箇所に集めて飛ばす技【念動弾】を明らかにこちらに飛ばして来ていた。普通の俺なら当たって壁の向こうに吹き飛ばされていただろう。
だがそれを常人離れした動きで回避する。自分にも何が起こったのかわからなかった。
「タカシ、今のなんだ!?」
「あんな動き、俺には出来ねぇぞ!」
「俺にもわかんねぇよ…」
「しらばっくれるな!あの人間離れした運動神経!アレが魔女だという証拠!」
「なんだよ魔女って…!」
「【念動】!」
「っ!【念動】!」
また【念動弾】がきそうなので【念動】の壁【念動壁】で応戦する。
「超能力を使った!?魔女なら使えないはずだ!やはりここで始末しなければ…!」
「やめてください!タカシは魔女なんかじゃありません!」
「そうですよ!タカシは、俺たちの親友なんです!そんな悪いやつじゃない!」
「そいつの、さっきの運動神経を見てもか?明らかにアレは魔女だ!それにそいつのその赤い瞳孔、それは魔女が夜2時の丑三つ時に発現する症状と酷似している!それを見ても親友というのか!化け物だぞ!」
「そもそも、タカシはタカシなんです!俺たちの親友なんです!」
「たとえ化け物でも親友なんです!」
お前ら…
「魔女に洗脳されたか、なら火葬するしかあるまい【魔女焼の炎】!」
「っ!」
「【念動】!」
トモノリたちに向かっている炎を【念動壁】で遮る。しかし、
「炎が回り込んでくるッ!?」
「【魔女焼の炎】は魔女の血を持つ者を追尾し、確実に焼き払う超能力だ。まぁ、元は中世ヨーロッパの技術を改良して現代版にしたってだけだがな。」
「タカシ!」
今【念動】を解いたらトモノリたちが巻き込まれるかもしれない。…背に腹は変えられないな。
「ぐ、わあああああああああ」
「タカシ!」
ほんと散々な人生だったな。生まれた時から親はいないし、孤児院の先生は意地悪だったし、生きたまま焼かれて死ぬし。まぁでも、
友達がいただけ幸せだったのかもな…
「…ってアレ?熱くない?」
「え?」
「馬鹿な、【魔女焼きの炎】は確実に魔女を殺すはず…」
「ええと、あの…死んでないんですけど…」
「まさか克服!?でも、こちらの世界での死因は子孫は克服できないって言うし…」
「おーい、戻ってきてくださーい。死んでないんですけどー。」
「うるさい、今考えているんだ!」
「…こいつ殺しても良いかな?殺しに来ていたし。」
「俺もぶっ殺してぇとは思うけど殺人はちょっと重いじゃん。せめて万引き…」
「いや、万引きも犯罪だよ?」
「うーん、困ったなぁ。」
「どうしたんです?」
「お前を殺す方法がない!」
「…へ?」
俺の情けない声が理科室に響くのであった…
モチベーション上げるために一旦他の作品書かせてくださいお願いします。
タイトルはテキトーです。
案があったら教えてください。
ネーミングセンス皆無で泣いてます。




