吉田爱の日记
ただ、一人の小さな女の子が家の中に閉じ込められている日常です。
6月14日
今日はまた、水手の話を読んだ。孤島で漂流して、瓶を海に投げる話。助けが届けば、誰かが拾ってくれる。私も誰かに届くように、何かを投げたくて仕方ない。
7月3日
紙飛行機を作った。「元気でいてね」と書いて、それを飛ばした。風が少し冷たかったけど、飛ばすことに意味がある気がした。誰かに届くといいな。私にはこれしかできない。
7月21日
また紙飛行機を飛ばした。「私はここにいる」とだけ書いた。それが誰かに届くかはわからない。でも、飛ばさずにはいられなかった。
8月18日
お母さんが見つけた。声を荒げて「やめなさい」と言われたけれど、私はやめられなかった。お母さんが紙飛行機を壊しているのを見て、私の中で何かが壊れた気がした。
8月20日
今日は一人でいる。部屋は静かで、ただ私だけがここにいる。何も感じない。思い出さない。私はただ、紙飛行機を飛ばすだけだった。でも、どうして赤くなったんでしょう。
9月6日
今日は風が強い。部屋に閉じ込められて辛いけれど、紙飛行機を作って飛ばした。「見ていてくれ」と書いた。それが誰かに届くかはわからないけれど、今、飛ばさずにはいられなかった。
10月17日
今、私は海辺に座っている。風が冷たくて、波の音が聞こえる。
「小姐、どうか出てきてください。私たちはあなたを傷つけたりはしません。」
なんて奇妙なことだろう。海怪が話すなんて。私はその姿を見ることができない。それは、波の音と一緒に「咚、咚」と響きながら、どこかに隠れている。
「怪物!怪物!私から離れろ!」私は岸に立ちながら叫んだ。しかし、すぐに戻って机の前に座って書き始めた。
恐怖が広がり、私は逃げられないことを理解した。誰かに見つけてもらいたかった。けれど、気づくと、もうどこにも行けないことに気づいた。
その時、一枚の紙飛行機が飛んできた。それは私が飛ばしたものではない。でも、それを拾い上げると、「私は助かるかもしれない」と書いてあった。放り出された紙飛行機のように、今、私はもう、すべてが終わってもいいと思った。
風が強くなり、冷たい空気が肌を突き刺す。それは、私がずっと求めていたもののように感じた。
私は顔を上げ、漆黒の夜空を見上げた。私が放り投げた紙飛行機は今、足元に落ちていた。気づいた瞬間、私は恐れを感じなかった。自由に飛べる気がした。
もう何も心配することはなかった。
そして、空が私を飲み込んだ。