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フィルの語り

「大丈夫ですか」この声に惹かれて意識が戻った。


その声の持ち主の微笑みをみた。だが次の瞬間また暗闇に落ちた。


次に目が覚めたときはベッドに横になっていた。


ひとりで寂しくベッドにいると彼女がやってきた。あの声の女性だった。


それから毎日あの女性、ミーナは料理と共に見舞いにきてくれた。


退院のときどこか行くあてはあるかと聞かれて、あてはないと答えた、するとうちにいらっしゃいと、言ってくれた。


身元がはっきりしない男を家にいれていいのかと聞いたら、36にもなったら大抵の若い男は息子と一緒でしょ。気にすることじゃないわと笑って言った。


36と息子のことがよくわからなかったので、医者に質問したら、ミーナの年の36にびっくりしていて年を聞いたことを褒められた。


そして

「単純なことだよ。18で子供を産んだら36の時、18歳の息子がいるってことだろ?きみの歳は17.8 かな?だからおかあさんの年ってことだろ・・・しかし若いなぁ・・・まさか36とは・・・・・」


その後、ある男が彼女を訪ねてきた。その男は彼女を脅迫していた。


おれはそいつを叩きのめした。それから機会をみて殺してやった。さきにのどを潰してやったから、外に悲鳴はもれなかった。


ゆっくり体を引き裂くとき、ミーナの苦しみが消えるような気がした。


しばらくすると女が来た。こいつも昔、ミーナを陥れたのだった。


こいつは、帰るときの、馬車のなかで殺してやった。走っている馬車に乗り込むと悲鳴をあげた。


馭者と護衛が馬車のドアをあけようと外で、騒いでいるがかまわずナイフで、体を切り裂いた。


それから、護衛全員を殺した。馭者は証言してもらうために残したが、その後どうなったかわからない。


この女のことはギルドで問題にならなかったせいか、ミーナはなにも気づかなかった。


それはどうでもよい。ぼくはミーナのためにできることをやるだけだ。


ここで終わりとおもっていたら、あの女が現れた。下品な小娘だ。こともあろうにミーナに絡んだのだ。


清らかなミーナに汚れたエミリーを接触させてしまった。どう始末しようと考えていたらちょうどいいやつが飛び込んできた。


この男はミーナを怖がらせ、悩ませたのだ。おれもあの男が口を開くまえに殺すべきだった。厄介事は早めに対処すべきだった。


だが、この男の言葉があの女を効果的に消す方法を思いつかせてくれた。ミーナにバレるのは良くないが・・・


ミーナがもらったカードをこっそり調べて宿がわかった。エミリーに連絡して誘うとすぐにやってきた。


ネルフのやつ娼婦だと思ったようで大歓迎で部屋にいれた。だってメグはそのときもう死んでいたからな。ネルフのやつ、その晩はいつになく張り切ってたからな・・・・無理もないが・・・


おれが部屋にいるのをみて、エミリーは喜び、ネルフは怒った。


最初にネルフの好きにさせた、後学の為に見学したいと言ったら快く見学させてくれた。


エミリーのことは本気で娼婦だと思っていたみたいで、いろいろ教えてくれた。


それから今度は、今教えてもらった通りのことをネルフにやった。


ネルフには昔を思い出してもらうという大事な使命があるので、ぼくも熱が入ったかも知れない。


ミーナのこと、まわりのこと。あの頃の全てを教えてもらった。


かなり積極的に教えてくれるようになったが、体が弱って死んでしまった。


そのあと、多方面にこの事実を広めた。たいしたことではない。手紙を書いただけだ。


王宮の発表はあたりさわりがなかった。


娼館からはかなり正確なことが漏れたが、おおやけでない分ひどい話になっていった。


メグには気の毒だったが、遺族には補償がされたので許してもらいたい。


ミーナは一般的な発表しか知らないようだったが、時々考え込むようになった。


そんなときぼくはミーナの好きなお菓子を焼いたり、遠乗りに誘って気分をかえてもらうようにしている。


今もぼくは、最近王都から進出してきたお菓子と新しい本を買って家に戻っているところだ。


多分ミーナは今頃、庭の日差しがまぶしくて家に戻った頃だろう。気が付くと足が速くなっている。


家はすぐそこだ。



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