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お祭りの夜、初心者冒険者が見た

ぼくたちは、ミーナさんを誘うことは諦めていたけど・・・その姿を追っていた

今日は、年に一度のお祭りだ。ミーナさんを誘いたかったけど勇気がでなかったぼくたちは、会場で偶然出会ったら話しかけようと、探していた。


ミーナさんはいたけど予想通りフィルさんと一緒だった。


ふたりは屋台を巡りいろいろ食べていた。歩きながら串焼きを食べてもミーナさんは上品だった。


ダンスが始まりふたりは踊った。ぴったり息があっていて・・・・ミーナさんの髪飾りが時折きらめく。ぼくなんかが一緒に踊るなんて100年早かった。


だけど僕たちはそれとなくそばをうろうろしていた。


しばらくすると空いていたテーブルを見つけるとフィルさんは踊りながら、椅子にミーナさんを座らせると、飲み物を買いに行った。


まったくもってかっこよかった。


あたりを見回していたミーナさんは、ぼくたちを見つけるとにっこり笑ってくれた。


ぼくたちは、フィルさんが戻ってきたら話しかけようと待っていた。そのとき女性がミーナさんのそばにいくと大声で話し始めた。


おばさん。じゃまとか聞くに堪えないことを大声で話している。まわりの人間は皆、聞き耳を立てていた。


こころなしがダンスの音楽も小さくなった。


はやぶさ隊とかの言葉が聞こえてきた。


隣のテーブルにいるのが、はやぶさ隊の隊員らしく、あれはお嬢様、城主、婚約とか穏やかでない言葉を聞いて驚いていた。


助けに行こうと席を立とうとした、おれを連れが止めた。様子をみてみろと囁かれて落ち着いてみていると、ミーナさんはいつもの穏やかな雰囲気のまま、お返事をしている。


あの跳ねっ返りのメス豚を人間扱いできるなんてさすがは、ミーナさんだ。


メス豚を観察しているとそこにフィルさんが戻ってきて、メス豚を撃退した。


フィルさんにエスコートされてミーナさんは去って行った。


取り残されたメス豚は大声で


「許さない、あのおばさん。この街から追い出してやる。はやぶさ隊に命じて・・・」


はやぶさ隊に命じて・・・このあとの言葉はよく聞きとれなかったけど・・・見当は付く。そのような行為と結び付けられた隣のテーブルのはやぶさ隊員が怒り狂っていた。気持ちはわかる。


ただ、権力者がミーナさんに牙をむくのを止める手段はない。・・・・あのメス豚が・・・・



そうやって明日からあのメス豚がいろいろ活動するだろうと思っていたが、あいつにそんな時間はなかった。


メス豚がいるにふさわしい場所で死体がみつかったのだ。



温泉の街の特殊な宿で、この国の宰相と同じ部屋で見つかったのだ。ふたりとも裸で体は縛められていたそうだ。


国からの発表は、密かに愛を育んでいたふたりが事故で死んだというものだった。



◇◇◇ギルドマスター

その知らせがギルドに届いた時、おれは腰を抜かした。


送り主は間違いなく犯人、もしくは犯行の詳細を知る者、まぁ犯人だろうな


こいつは頭の良い人間のようで受け取ったおれたちが、握りつぶせないように送り先一覧を同封していた。


ギルド、城主の館、ドレスメーカー、娼館、宝石屋、王室、文官。全員が協力すれば握りつぶせるだろうが、敵のスキャンダルは味方の糧。だが、へたに使うとそこを突かれて自陣を攻撃するものになるかもしれない・・・


事件はこうだ。


正確には知らせに書いてあったのはこうだ。


『隠れ宿・お好きにどうぞ』の特別室に死体が三つある。


城主の娘エミリー・リード。宰相ネルフ・ガードナー。娼婦メグ


ネルフはエミリーと意気投合して宿で待ち合わせた。メグは運悪くネルフに呼ばれた。


ふたりはメグを快楽のために殺した。その後、快楽を追求しすぎてふたりは死んだ。


上記のことを国民には発表すること。


さすがに要求には応じなかったが、貴族には真実が伝えられたようだ。


おれたちの街はエミリーの地元だ。さすがに真実はひろめられない。城主は街で人気があるしはやぶさ隊も親しまれている。

エミリーは秘めた愛に殉じたという扱いになった。


ふたりの身体に残った傷とあのクズの傷が似ていると思ったが、気のせいだと思うことにした。

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