ギルド長の心配
おれはギルド長をしている。初心者冒険者の多いのどかなギルドだからたいした仕事はない。
一番おおきな仕事はポーション屋を守ることだと言える。
このまえ肝をひやす事件が起こった。ミーナのところの居候のフィルが男をかついでやってきたのだ。
そいつはなんでもミーナを脅迫したらしいのだ。そいつを殺さんばかりのフィルを落ち着かせて話を聞くと
こいつはミーナの過去の王都の知り合いで、過去を触れ回ると脅したんだそうだ。
王都と聞いておれは王宮とか神殿を思い浮かべ、背景のおおきな影を想像してずーーんと気が重くなったが杞憂だった。
すぐにそいつのことを調べるとただのケチな野郎だったからだ。
ミーナ、聖女であり王太子の婚約者であった彼女の護衛だったらしい。断罪の際彼女の腕をとってねじあげたのは彼だったらしい。
彼は多分はめられたのだろうが、賭け事でおおきな借金を作りその返済のためにミーナを売ったようだ。
その後、王都にいられなくなりこの地で、はやぶさ隊にはいり、なんとなくやっているときにミーナを見かけた。変わらなすぎて驚いたらしいが、ミーナだとわかるとおどして小遣いを稼ごうと思ったらしい。
やっかいな背景がないのはわかったので、釈放することにした。殺しておくほうが楽でいいが、うちで殺すと厄介だからな・・・・
釈放したが、はやぶさ隊でも懲罰として独房にいれたらしい。そして翌朝、死体でみつかったらしい。
隊にいれているスパイの報告によると、喉をつぶされて声がでない状態で、体を切り刻まれていたらしい。ただ武器の特定がまだできないそうだ。
だれかから恨まれていたようだ。だがこれ以上のことはわからない。かれは共同墓地に葬られた。
クズがひとり消えた。そう思うことにした。