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決戦、真魔王軍

「成る程、その真魔王は紅涅姫(ネムシス)、メルタザイトと自称しているのですね……ですがすみません、私は聞いたことはありませんね」


「そうですか……」


「で、何故またここに来たのですか?」


「いいじゃないですかー減るもんじゃないし、それにここが1番見通しがいいんですよ!ねぇニース様」


「急にすみません、でもどうしてもここにいさせて欲しいんです」


 決戦の朝、僕達はそれぞれ配置、つまり僕とウルは聖塔の頂上から見渡していた。


「嘘です気にしません、そもそも真魔王を倒す為の約束をしましたからね。私も出来るだけ協力はします」


「そういえば、オーヴァル帝国はこんな時にも現れないで完全に関わらないで通すつもりですかねぇ?」


「オーヴァルは協力しないでしょう、私が力を与えた時も魔王討伐には興味がないようでしたから。永世中立国としてその立場を明確にしています」


「今は参加してくれる皆でどうにかするしかないよ、僕達の準備は万全、後は真魔王軍がどう動くかだね」



「というか帝剣ですよ!ディアマンテは仕方ないとしてオリカルクはもう食べられないってことじゃないですかぁ!」


 確かに帝剣を取り入れることはウルが強くなるために必要なことなのは違いない。



「帝剣オリカルクならここにありますが?」


「……え?何故?」


「盗んできました、4つは揃わずとも3つと2つでは違いますからね」


「流石ユグちゃんです!それじゃあいただきまーす!!」


「え、あの、ちょ」


 ユグドラシル様が妙に歯切れの悪い口ぶりなのは何か理由があるのだろうか。


「何をもったいぶってるんですか、早く帝剣下さいよ!」


 ウルが無理矢理ユグドラシル様から帝剣を取り上げそのまま丸ごと食べてしまう。


「うーん、ちょっと独特の香りがしますね……でも決して悪くはないです、むしろこの何とも言えない香りが癖になりそうですねぇ」


「そ、それは良かった……」


 よく見れば、ユグドラシル様が帝剣を取り出したのは茶色の物体の中。


 異臭を放つそれは明らかにあれ(うん○)だった。


「ユグドラシル様、まさかこれ」


「駄目です!もう食べてしまった以上そんなこと言えば……」



「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」



 地面に溶けるようにして広がるウル。

 うん、速攻でバレた。


「いえ、待ってください!高級食材のなかにはあえて魔族に食べさせて体内で熟成させるものもあると言います!そうと決まれば全て食べてみせます!!」


「僕は臭いウルなんて装備しないからね」


「う、うう……無念です……ぱく」


 泣きながら食べている。


 ウルが号泣しているところをこんなくだらないことで見ることになるとは……


「ところで、ここでのんびりしていてもいいのですか?誰か来たようですよ?」


「ニース様!」


 土巨人(ゴーレム)に乗って来たのはフィルーダ。


「魔王軍が来たんだね!?」


「はい、グランディナだけでなくイグニス、そしてミストラで突如として同時に現れました」


「ウル!!」


「わっかりましたぁ!!行きましょう!!」



 四大帝国は聖塔からなら良く見ることができる。


 特にミストラの天空区は見やすく、天空区が炎に巻き込まれていたのがすぐに見えた。


「ウル、詳細を確認できる?」


「そう言われると思って状況は把握済みです!」


 今すぐ何処にでも向かうことも可能だからこそまずは詳細な現状把握だ。

 蒼皎姫となり詳しく見てみると、ミストラは膨大な魔力のおかげで都市自体は守られており、爆発しているのは天空区の障壁の外側だ。



「ミストラはまだ平気のようですね、イグニスを襲う大軍は……信じられませんがユガ1人で返り討ちにしています。そして襲っている中で特に反応の強いのは、グランディナの1……2人です!」


「ウル、グランディナに行こう!」


「もっちろーんです!私は帝剣を食べることが出来ましたし完璧です!」



「フィルーダ、ガリアにグランディナの守りを固めるように連絡して、僕達は直接厄介な魔族の所に直接行くから!」



「わかりました!」



「ウル、到着までどれくらい?」


「約5分と言うところですねー、グランディナに向かう魔族はどうにか土壁で進軍を食い止めてるようですが時間の問題かもですね」


 僕達は空に蒼炎の軌跡を残しながら高速で移動してゆく。


 誰かと共にでは間に合わない、単騎で来たのは正解だったみたいだ。



「あのニース様、1つだけ注意があります」


「何?」


「魔力についてですがなるべく私やスーリ、ルキを通して放つようにして下さい。ニース様の魔力は確かに膨大で強力ですがそれ故に身体への負担が大きいんです」


「それならミニからでも良いってこと?」


「いえ、ミニはあくまで保険、まだ魔力は十分に扱えないでしょう。ニース様は知らないかもしれませんが私達はニース様の魔力を上手く調整して放っています。ですがニース様が直接全力で魔力を放てば、ギリギリもって連続3回、それ以上は……」


 僕の身体がもたない、そういうことだろう。


「で、でもぉ私がニース様から離れることは早々ありませんから心配無いですよ!一応ってことです!」


「ありがとう、僕も気をつけるね」


「約束ですからね!」


 約束する、と僕が返事をしようとしたその時、急に僕の視界が真っ赤に変わった。

 

「来ます!!」


 僕達の頭上で何かが光り輝き降り注ぐ何か。


 ウルのおかげで僕は無傷だったけど、それは遥か後方の土壁を貫通してグランディナ兵が次々に倒れて行く。


 そしてふと顔を上げると、そこにいたのは巨大な人影だ。


「がっ!?」


 ウルの上からでもわかる衝撃と共に土壁まで吹き飛ばされ、それでもどうにか立ち上がると、巨大な人影は一瞬で目の前に飛び込んで来た。


 無理矢理蒼炎を放ち謎の巨体を吹き飛ばすと正体が露わになる。


 上半身裸の筋骨隆々のその身体は青みがかり、まるでオリハルコンで出来ているかのようだ。


「Gyaaaaaaaaaaaaaa!!」


「来たのねぇ、リスティちゃんの敵が」



 もう1人は細くすらりとした手足と奇妙に輝く爪と眼差しが気味が悪い、特徴的な口調の男。


「君達が四魔皇だね?」


「あらぁ、まさかまさかあちらから最重要の標的が来てくれるなんて嬉しいわぁ。ミストラ国民を皆殺しにしようかと思ったけれど、貴方を殺せばリスティちゃんはもっと喜んでくれるわねぇ」


 男の身体からダイヤモンドで出来た短剣を幾つも生え、無数のそれが降りかかる。


 背後には土壁、避けるだけでは再び兵士達に当たるし蒼炎では全てを焼き落とす事はできない。


 どうすれば……


「ニース様!新しい帝剣を使います、魔力を!」


 そうだ、ユグドラシル様から貰った帝剣だ。


「来い!オリカルク!!」


 僕が魔力をウルに込める。

 すると現れたのは無数の短剣、というか濃紺の針。


 それは同じく無数のダイヤモンドの短剣を相殺して行く。


 これがオリカルク?ゴルトやミスティガルとは異なる奇妙な武器だ。


「ミストラを攻撃するのは止めてと言ってもやめないんだよね」


「無論よぅ、貴方達は必ず殺せと言われているからぁ。自己紹介が遅れたわねぇ、ワタシはダモン、四魔皇の1人よぉ?よろしく可愛いボウヤ。それで巨大なこれはヴィゴ、馬鹿だけど力なら四魔皇、いやメルタザイト様すらも凌駕するのよぉ?」


 確かに馬鹿力、攻撃を受けた右腕がまだじんじんと痛い。


「ニース様、やっちゃいましょう!」


 それは僕も同感、でも少し話ができるのならするべきだ。


「君達もリスティに無理矢理従わされてるんじゃないの?それなら僕達がリスティを倒すよ」


「勘違いしないで欲しいわぁ、確かにアタシはあのお方に操られているのは事実、でもそれ以上にあの方の力に忠誠を誓っているのよぅ!!」


 説得するのは無理そうだ。


「あなた達なんか私達が一瞬で倒してやりますから!!ニース様!」


「うん、行くよ!!」


「対象確認、対象命中率100%です!!」


蒼炎を両腕に、全身全霊の魔力を放つ。


排除エリミネーター蒼炎バースト!!』


お読みいただきありがとうございます!

次回の32部、33部は7/14、18時頃と20時頃に投稿予定、主人公ニースとは別の視点、ルキとユガ、スーリとシャロ視点になります。


一応読まなくても大筋の話は理解出来ますが、面白いので是非お時間あれば読んで頂きたいです!


主人公ニース視点34部、35部、最終36部は7/15、18時頃から順次投稿予定からになります。

最後までよろしくお願いします!

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