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真の妻決定戦

「お疲れ様です父上、ミニはお役に立っていましたか?」


「凄く役に立ってくれたよ、ミニがいなければどうなっていたか」


「パパがすごかったからです!ミニはそれをひきだしただけです!」


「パパは謙遜しすぎよ、パパの魔力で私達は生まれた、それは全てパパの力のおかげよ?」


「父上は確かに過小評価していますね」


「そんなことはないってば……で、それよりも僕達は何でここにいるの?」


「知りません、僕達も父上の帰還祝いだと母上に言われて来ただけですから」



 ──お疲れですニース様!急ですが妻に必要なものは何ですか!?


 無事に喰魔の空間から脱出した僕達がいきなりウルにそんなことを言われたのでなんとなく料理が上手い人がいいと答えた……なのに何故温泉に?


 それも全員タオル1枚身体に巻いた状態。


「スーリ、何で皆でお風呂入ってるのかな?」


「何故と言われても、家族の裸の付き合いではないですか?ルキとは混浴をしたのですよね?」


 まぁ、そうだけど……にしても急すぎないかな?


「母上には僕から無理なことはしないように念を押しておきましたから、安心して下さい」


「スーリがいてくれてよかった、ウルは僕の話を聞いてくれないからさ……スーリがお嫁さんだったら上手くいきそう、なんてね」



「父上、そういうことは安易に口に出さないで下さい、覚悟が揺らいでしまいます」


「え?何の?」


「……なんでもありません」


「パパって本当女たらしよね」


 なんでそうなるの?


「はい、聞いて下さい!ニース様が妻に求めるのは3つ!料理の腕、性格、そして……1番はやはり見た目です!」


 いきなり現れたのはウル、一応身体にタオルを巻いていた。


「パパンさいてーです」


「待ってよ!そんなこと言った覚えないんだけど!?」


「あ、後の2つはミニにお願いして心を読んでもらいました」


「ごめんなさいパパン、ママンがどうしてもって言うからいいました」


 裏切られた、けど嘘じゃないから否定できない。



「と言う訳で1番魅力的な女性は誰か決定戦です!!全てを曝け出すこの温泉で誰が1番の美しいか……ん?何ですか皆さんその顔は」


 いや、それはそうでしょ。


「今はこんなことしてる場合じゃないでしょ?」


「僕も同感です、父上の妻は母上だけ、それでいいではないですか」


「いまだからこそですよ!それに私の勘がニース様が浮気すると告げているんです、ならばいっそのこと妻候補を集めて競い合うのが1番、見て下さいよこの美しい白い肌!誰にも負けないもちもちの肌!そしてシワシミ1つない肌!」


 肌しか言ってない。


「ママ、それじゃあ肌しか取り柄がないみたいよ」


 言われているし。


「うるさいですよォォォォォォォ!どうせ私に勝てる要素なんてこれくらいしかないんですから!とにかくニース様と一緒に風呂に入って1番ニース様を喜ばせた人が妻なんです!異議は受け付けません!」


「1番はガリア!もう子供産める!」


 突如脱衣所から現れたのはガリア、でもそれだけじゃなかった。


 羞恥を知らないのかガリアは全裸で俺に抱きついてくる、まだ8歳だから当然かもしれないけど……


「どうだ!嬉しいか!」


「いやまぁ……可愛いとは思うけど」


 頭を撫でてみる。


「ふふふ、もっと撫でろ!」


 これは僕よりガリアの方が喜んでないか?


「はい失格でーす、ニース様は全然喜んでません!ニース様、ほらほらどうです私は?この妖艶でみずみずしい……肌を!!」


「うん、確かに肌は1番綺麗だよ、肌は」


「勝ちましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!優勝ですぅぅぅ!」


「ママも人型になってしまえばパパも喜ぶんじゃない?」


「え、嫌ですよ人型なんて気持ち悪い」


 それは僕も気持ち悪いって言われてるのだろうか。


「な、何で私がこんな場所に出なければならないのですか!?」


 いつの間にかいなくなったガリアが大浴場に連行して来たのはナータだ。


「むむっ、あれは……凶器ですね……」


 綺麗な碧色のドレスを着ていたナータだけどそれはすぐに脱がされ、そこには美しい2つの双丘。


 うん、つまりおっぱいでかい。

 シャロに勝るとも劣らないだろう。


「ニース様、あの……改めてありがとうございました。貴方のお陰で今こうして生きていられます」


「あれは成り行きで助けたみたいなものだから、気にしないでよ」


「いえ!理由が何にせよ助けられたことは事実、私にはこれくらいしか出来ませんが……」



「ナータ、ニースみたいな男の子好きって言っていたぞ!」


「ガ、ガリア様!それは言わない約束です!!あの、ニース様、あれは言葉の綾というか、もし夫にするのであればニース様がいいといっただけで決して」



「はいとにかくニース様の疲れを癒やして、そして闘気を養うんですから欲望を解放するんです!食欲、睡眠、そして性欲!!いざ!」


 ぽよんと背中をウルに押され、僕は身体を支えようとして両手を前に出すと、収まりきらない程の柔らかな感覚。


「……すごい、じゃなくてごめんなさ」



「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


 ばちこーん。


 あ、頭吹き飛んだ。





 ◇ ◇ ◇ ◇




「すみません!本当に申し訳ありません!嫌ではなかったのですが驚いてしまって!」


「あれは僕が悪いよ、いやウルが9割だね。一応言っておくけどあれはわざとじゃないからね?」


「パパに揉まれるなんてご褒美じゃない?スーリもそう思う……いや、スーリは胸無いから無理ね」


「胸なんてあっても戦闘には向かないですから不要です第一僕は父上の理想の女性として生まれましたのでこの身体に不満はありません」


「揉んで……うう……」


「誤解があるから言っておくけど揉んでないから!触ったけど」


 それにしても……凄かった。

 本当にシャロに勝るとも劣らない、あれは国宝級だ。


「パパン、わたしもあれくらいあったほうがいい?」


「ミニ、心を読むのはやめて……」


 明日はグランディナを壊滅させた怪物と闘う、何故かそれを忘れていた。


「ありがとう、ウル」


 きっと僕の緊張を解いてくれようとしたのだろう。


「へ?何のことですか?まさかナータの胸をもみもみしたことですか!?許しませんよというか私の胸も揉んでください!それで真の妻を決めるんですからね!」


 ……いや、僕の勘違いかも。

お読みいただきありがとうございます。

次の話からは結の部分となり、あと8話ほどで完結となります。

是非最後までお楽しみ頂ければと思いますので、よろしくお願いします!

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