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無限の魔力

「スーリくっつき過ぎよ、人族に見られたら変だと思われるわ」


「別に人族ごときに嫌われようと問題ありません、ああ父上は特別です。嫌われたら死にます」


「そう言う冗談はやめて欲しいんだけど」


「いえ、本気です」


 なら尚更なんだけど。


「それよりも帝剣ですよ、どうやって手にいれますか?スーリちゃんなら帝族みたいですし、侵入して手に入れられそうですが」


「まずは交渉かな、駄目なら強行策で奪うしかないのかもしれないけどそれは最終手段にしたい」


「それが賢明ですねー、スーリちゃんとルトちゃんはどうです?」


「私はそれで問題無いわ」


「スーリはどう?」


「父上、帝剣を交渉するのは難しいかもしれません」


 それは想定外の一言だった。


「何か思い出したんだね」


 理由を聞くと、今のミストラの国が見えてきた。




 追放区と天空区、その魔力の流れは膨大で魔力伝達値が最高のミスリル魔術回路を国中に張り巡らせても、それをどう使うかという管理が難しかった。


 そこで登場したのが帝剣ミスディガ。

 ミスティガがミスリル魔力回路の頭脳となり、更に魔力を溜め込むことで管理していたのだ。


 つまり帝剣が無くなることは天空区、そしてミストラの繁栄崩壊に繋がると言うことだった。


 帝剣は必要、とは言え国の仕組みを崩壊させるわけにはいかない。


 と、横でウルがきょとんとしている。


「どうしたの、何か良い案がある?」


「いや、何を悩んでるのかなと思いまして。ニース様なら余裕ですよね」


「……話が見えないんだけど何のこと?」


「だからですね、ミストラ帝国は追放区の人の魔力で成り立っているんですよね?ならそれくらいの魔力ならニース様1人で賄えるって言うことです」



 確かに魔王を倒した魔力だけれどミストラの50万人の魔力、国1つを支えられるほどはない……はず、多分。


「確かに父上の力であれば余裕ですね」


「え、そうなの?」


「それじゃ早く終わらせましょう、ママがよだれを垂らして待っているわ」


 完全に僕が50万人の魔力を賄える前提で話が進む。

 そこに疑いはないようだった。


 もしかしたら他にも方法はあるのかもしれない。

 でも、僕の力で代償無く全てを救える力があるなら使わない手はない。


「スーリ、案内を頼める?それとルキはここで待っていてくれる?」


 なるべく少数で行った方が目立たないしいいはずだ。


「分かったわ、気をつけて」



「父上、行きましょう」




 ◇ ◇ ◇ ◇




「おい!お前!ここは帝族以外は立ち入り禁止だ……って、も、申し訳ありません!!」


 スーリの姿を見て土下座しそうな程に頭を下げた衛兵を横目に僕達はある場所へと入ってゆく。

 ちなみに僕もウルを装備したことでミストラ帝族に変装していた。

 割と万能、ウル。


「流石だね、何処から見ても帝族だよ」


「それを言うなら父上もですよ、さぁ着きました」


 最深部に入るのは余裕だった。

 僕達がいたのはミストラ帝国天空区を支える中枢部。


 そこにあったのは巨大なミスリル鉱石。

 膨大な魔力を纏い、それは目視できる程の魔力の流れだ。

 


 四大物質はその量や純度に比例してその性質、つまり魔力を増す。

 これだけあれば天空区の人が1年暮らすには十分だろう。


「解析しますねー、魔力流量は……5000万ですね」


「確か1人が1日に生み出す魔力量は100だから……」



 500人の天空区では必要量は5万のはずだけど、今ある魔力量は1000倍、つまり自分自身が生み出す魔力以外に加えて1000人分の魔力を天空区の人々は使っている計算。


 追放区の人達が使うはず魔力を集めていれば、追放区で病に倒れ死に至る人が続出するのは当然だ。


「ニース様、魔力を出して頂けますか?そうですね……今のニース様なら1%程の力で結構です」


 そんなまさか。

 念の為ステータスを確認する。


 ──────────

 名前:ニース・ダグド

 スキル:□

 魔力量:∞/∞

 魔術適性

 地:F

 水:F

 風:F

 火:F

 ──────────


「魔力量がおかしくなってるんだけど!?∞っておかしくなってるよね!?」


「流石ニース様!それがニース様の真のお力という訳、と言うことでこのミスリル塊に触れて魔力を供給してください!」


「わ、わかった……こうかな?」


 言われた通りにミスリル塊に触れるけど、特に変化があるようには思えない。


「え?これで終わり?」


「はい、後は帝剣を引き抜くだけで完了です。表面上は追放区から魔力を吸収しているように見えますが、実際には魔力の流れは停止しています」


 帝剣は魔力の流れが消えたせいか簡単に引き抜けた、でも。


「これ、半分刃がない」


 両刃剣の半分が切り取られた様になくなっていた。


「そんなはずは……あー、ありましたねぇ、つまり残りは何処かにあるってことですか。スーリちゃん知ってます?」


「ご心配無く、これから案内致します」




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