ノンフィクション?
気が付けば夏の日差し
キラキラ通り越してギラギラ
大好きだったはずの
あれは
陽炎の向こう側
眩しすぎたあの夏
ムダに走り回ってた
ような気がしないでもない
あの頃まだ知らなかった
終わらない夏があるって
だからほら
君に言ってなかった事があるんだ
暑すぎたから
いつだって巡りくるのさ
頼まれもしないのに
南高北低
夏の気圧配置
置かれたままに
役目を果たすよ
眩しいのは僕のせいじゃない
君たちのせいだろ?
渇きすぎて
朦朧としてたのかも
乾きすぎて
熱風に舞い上がる砂ぼこり
転がってきたボール
投げ返す
君が広げたグローブに
届かなくて
「ごめん」
言いたかったのはもっと
ちがう
ちがう言葉なのに
そんな事はお構い無く過ぎていくよ
君の後悔は君だけのもの
南高北低
夏の気圧配置
暑さを届けるのが仕事なんだよ
渇いているのは僕のせいじゃない
君たちのせいだろ?
二人
過ごした夏に置き忘れた
「すきだよ」
言えなかったまま
消えた言葉
もしかしたら
あの夏に見た陽炎
歪んで見えたのは
あの夏のせい
向こう側にいた君に
届かなかったボール
投げ返したかった
その広げたグローブに
ちゃんと
いっだって巡りくるのさ
頼まれもしないのに
南高北低
夏の気圧配置
その度に思い出すのは
僕のせいじゃないだろ?
だけどまた性懲りもなく
南高北低
夏の風通り過ぎて崩れてく
気が付けば涼やかな空気
お別れも告げぬまま
振り向いて陽炎
向こう側に姿残して
あの夏にピリオドが打てない