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ラーサメモ1:私は物知りです。自信を持って言えます。・・・何を言っているのでしょう?

300行オーバーです。

といってもこの作品の書き方は行数ではあまり参考にならないかもしれませんが。

「・・・・・サ、ラーサ」

 ? だれかわたしをよんでいますか〜?

「ラーサ、朝だよ」

 ま、マスター!

 マスターと気づいた瞬間、夢から一気に目覚め体を飛び起こしました。

 というか飛び起きました。勝手に体が動きました。

 すると右側にベットに顎を乗せたマスターがいました。

「おはよう、ラーサ」

「お、おはようございます、マスマー」

「よく寝れた?」

「はい」

「それは良かった」

 マスターがニッコリしました。

 マスターの笑顔が私にとっては一番です。

「ご飯届いているから食べよう。それとももう少ししたらにする?」

 そういえば今日の担当は私ではありませんでしたね。

「今食べます」

「そっか。自分で歩ける?」

 からかってますか?

「ふふ、もちろんです」

「じゃあ先行っているね」

「はい。私は身支度してから行きます」

 私は部屋着からいつもの服に着替えてマスターの元へ行きました。

 部屋着の方が動きやすいのですが何故かシャキッとしないというか何か違うんですよね。


「私もメイドですからメイド服がしっくりくるのですかね?」

「ん? なんの事?」

「いえ、この服の方がしっくりくるのでなぜかなと」

「うーん、確かにメイド服の方がしっくりくるかもしれないけどそれが全てとは言えないかな」

「と言うと?」

「部屋着は行動しやすいように少しゆとりを持ってあるから、ピッタリ作っているメイド服の方が姿勢が・・・なんて言うの? シャキッとって言えばいいの? まあそんな感じになるから」

「言葉選びが適当ですね。これくらいの方がいいのかもしれませんが」

「言葉選びを失敗しても内容はバッチリでしょ!」

「そうですが言葉選びは大事ですよ」

「まあね」

 そんなとこを笑いながら話していると、

「お、ニュースの時間だ」

 このくらいの時間になると闇様のPCがニュースと天気予報を教えてくれます。

 そしてそのニュースはステータスに表示されます。

 便利ですね。

 今日は目立ったニュースはありませんでした。

 ですが天気が過ごしやすい天気です。

「今日はお散歩日和ですね」

「うん、どこか行きたいくらいだね」

「今日はちょうど休日ですのでどこか行きます?」

「そうしようか」

 マスターとお出かけ、楽しみです!


 さすがにお出かけにメイド服は目立つのでいつもお出かけする時は着替えます。たまに着替えない時もありますがね。

 オシャレもお出かけのオシャレのひとつです。

「準備できた?」

「はい、バッチリです」

「じゃあ行こうか」

「はい! でもどこへ?」

「着いてきて。着くまで秘密ね」

 ふふ、楽しみです。


 街に出ると大通りは活気に溢れていて色んな人で賑わっています。

 ここには色々なお店があり、必需品はなんでも揃う場所。

 食べ物屋から武器屋、少し外れると・・・イケナイ宿まで全て揃っています。

もちろん普通の宿だってあります。なかったらやばい街になってしまいますから。

 でも昔はこうなっていなかったらしいです。

 区画事に何があると決まっていてあっちこっち行かないと揃わなかったらしいです。

 住民からの不満も相次ぎ、やっと最近になってなんでも揃う場所になったみたいです。

 どこの街にも今と昔の差はある物です。

 ファステストはだいぶマシなようですけどね。

 場所によっては数キロ離れたところに行かないと買えない場所もあったみたいです。

 他にも大きい街なのに病院が全てヤブ医者しかいなかったりしたそうです。

 そのため、出張病院サービスが人気みたいです。

 王都が運営しているサービスなので信頼できるということですね。

 実際、最上級の医師免許を持っている人しか配備されなかったので治療もしっかりやってくれるそうですよ。お値段も税金を払っていれば無料ですし。そのおかげで予約は取りづらい見たいですけど。なので普通の病院も需要はあります。

 その街では毎年必ずすべての病院に王都の職員が立入検査をしているのですがその時だけ有能な医者になるらしいです。

 つまり医者は適当にやって金を楽に貰える仕事のようになってしまっているのです。

 最近になりそのことが発覚し、立入検査の他に聞き込み調査が新しく導入されたみたいです。

 ですが病院側は評判をなんとしてもあげようと賄賂までしようとしたらしいです。

 職員にも街の人にもまあまあ高額なお金を渡して良くしてもらおうとしたわけですね。

 そんなことをする人がいることはネスさんが一番知っていました。対処方も完璧でした。

 職員には、賄賂を受け取ったことが発覚した場合にはクビに、賄賂を受け取っていないことが証明されると給料増加にしました。

 街の人には

 これは大成功でした。中には賄賂をわざと受け取り、そのお金を証拠品として提示する人も居たそうです。

 これなら分かりやすいとお金を証拠品として提示すると特別手当が出るようにもなりました。

 ああ見えてネスさんはすごい人なのです。

 これでヤブ医者の病院がなくなるかと思いきや、今度は隠れて営業をする病院も出てきたみたいです。

 さすがにネスさんもこれの対処は大変で未だに全て無くなったわけではないらしいです。

 さて、こんなにお金を使って赤字にならないかと心配になってきます

が、問題はゼロです。赤字ですけどかすり傷程度らしいです。

 ネスさんには兄弟姉妹が沢山いてそれぞれが国の直属の会社を経営しています。

 その企業は驚くほど財政力が強く、周りの企業は手も足も出ないみたいです。

 流石にそれでは独占禁止法に違反してしまいます。まあそんな法律は存在しないのですがね。

 そのため、申請すると申請した会社を子会社にしてくれるようにしたそうです。

 おかげで市民が起業しやすくなったり、国全体にシェアがあるので管理するのが大変だったものが子会社によって管理が楽になったりと、Win・Winの関係みたいです。

 全ての子会社が黒字を達成しており、経済は凄く効率よく回っています。

『あのー、ラーサさん? 話が壮大になっていません?』

 あ、・・・。

 つい話しすぎましたね。私の悪いくせです。

『別に悪くは無いと思うけどね。一応話は繋がっているし』

 そ、そうですか?

『うん。ほら、もう着くよ』

 もうそんなに歩きました?

『ざっと三十分くらいかな』

 そんなにですか?

『うん。話に熱心すぎて時間を忘れたんでしょう』

 そうかもですね。

「着いたよ」

 急に口で話しかけられて驚いたのは置いておいて、着いた場所はすごく綺麗な所で服が飾ってありました。

「ここは?」

「少しお高めだけど質はネスさんのお墨付きのブランドのお店だよ」

「衣類ですか?」

「そう。私服はこのブランドを買っているみたいだよ」

「へー、そうなんですか」

「さては、あんまり関心してないな?」

「マスター以外興味ありません」

「おっとっと? それは問題発言じゃない?」

「そうですか? 事実ですし」

「じゃあお兄ちゃんは?」

「例外です」

「それズルくない?」

「ズルくないです。何事にも例外は存在します」

「じゃあお姉ちゃんも?」

「例外です」

「闇も?」

「例外です」

「例外の数がおかしいよ。まあいいか。さ、入ろうか」

「はい」

 大きめのドアを開けると目が落ち着く色の照明が沢山あり、服を選びやすいように計算されているような並び、更にはホコリひとつ見えない清潔感。

 入った一瞬で高額だとわかるような店内です。

 そして、初めて入るお店なのに何故が見慣れた人が、

「いらっしゃいませ! あ、先生!」

 見慣れた耳、聞き慣れた声、見慣れた体型。

 そこに居たのはなんとネロでした。

 学校は働くのを認めていますけどまさかこんなところで働いているとは。

「あ、ラーサさん? もしかしてなんで私がこんなところで働けるとお思いですか?」

「・・・・・」

「図星ですね!」

 あまりにも正確すぎて言葉を失ってしまいました。

「私が街中でプラっと歩いていたら急にスカウトされたんですよ。給料もすごいし凄く清潔で働いていて楽しいです!」

『ラーサ』

 はい。

『チェックして』

 了解です。

 事実確認開始。同時に心情検査も並行して開始します。

 ・・・・・・・検査完了。

 マスター、大丈夫そうです。

 給料も確かに凄いですし、びっくりするほどホワイトです。

『OK。ありがとう』

「案内しましょうか? いい服ありますよ!」

「じゃあお願いしようかな」

「はい!」

 お、マスター。

『うん? どうしたの?』

 売上によって給料は減りませんが、案内したお客さんが服を買うと手当があるそうです。

『よし、沢山買おう』

 了解です。

 すると、後ろから何やら偉そうなスーツ姿の人が近づいてきました。

「おや? お友達かな、ネローさん」

「はい! 私の学校の先生です!」

「先生でしたか。いらっしゃいませ。ネローさんの先生方は噂で聞いております。どうぞごゆっくりお買い物をお楽しみください。なにかお店についてありましたら遠慮なく仰ってくださいね。」


「ありがとうございました! またどうぞ!」

 ネローがお見送りをしてくれてニコニコしながら帰り始めました。

 あれから数時間ずっと服を選んで大きい紙袋十二袋分の服を買いました。

 お、重いです。

 服でこの重さはなかなかです。

「買いすぎじゃないですか?」

「これくらいあってもいいの。沢山あっても困らないからさ」

「確かにそうですが、」

「それに、これは私たちだけのものでもないし」

 実はこの中には陰様や陽様などの服も沢山入っています。

「さて、早く帰ろうか。流石にこんなに重いものを長時間は持っていられないよ」

「私もです」

 少し歩幅を広げて歩き始めたその時、街中に悲鳴が響きました。

「キャー! 助けて!」

 と。

 私とマスターはそれに気づいた瞬間、わざと入れていなかった荷物をインベントリに収納し、跳躍強化をかけ、悲鳴がした場所へ屋根を伝って向かいました。

 周りの人がこちらを見ていますがマスターだとわかった瞬間、“あ、英雄様だ!”というような視線に変わり何事も無かったようになります。

 この街は住みやすいですね。

「場所は分かる?」

「声の方角、声量、振動数から推測すると恐らくこの方向の1kmから2kmです」

「一体何が起こったのかな?」

「分かりません。緊急性が高いとしか」

「とりあえず急ぐよ」

「了解」

 ここでなぜ飛行しないかと言うと、低高度、つまり地面と近いとあまり速度を出せません。地上に被害が出る可能性がないとは言いきれないからです。そのため屋根をジャンプで伝っているという訳です。

 原理はわかりませんが伝っていくと地上への被害がゼロなんですよね。

 しかも被害はゼロなので足と屋根が許す限り速度を上げることができます。

 足を踏み外すとダメですが。

 そんなことは知りません。今は急ぐだけです。


 約二十分ほど進むと黒ずくめの男たちに追われている女性がいました。

 金目当てに追いかけているようには見えません。

 うーん?

 なんでしょう?

『とりあえず今は全力で追いかけるよ、手遅れになる前に』

 っ! マスター! 前!

 女性の向かう先は行き止まり、追い詰められそうです。

 それに女性の体力も限界を迎えそうです。

『あそこで叩くよ、準備して』

 了解です。

『数が数だから油断はしないように』

 剣が入っている鞘を腰から下ろしていると会話が始まりました。

「ここまでのようだな、お嬢さん」

「私が何をしたと言うの!」

「別にお嬢さんが何かをした訳では無いよ。お嬢さんの兄さんがやらかしてしまってな。本人を捉えようにも姿を消しちまって。だから代わりにお嬢さんを捕らえるってわけよ」

 なるほど、そういう事でしたか。一体お兄さんは何をしたのでしょうか?

「な、何をしたと言うの!」

「ろくでもないぜ? ギャンブルさ」

「!?」

 おっと? そう来ると話が少し変わって来ますよ?

「兄さんがギャンブルに手を染めてうちらに金を借りに来たわけ。うちはまだマシな方だぜ? 利息も8%/年だしな。だが返済期限になっても一銭すら返してくれないんだ」

 実際に硬貨でこの国には一円の下に銭が存在します。十枚で一円。

『・・・なんか追われてる女性が可哀想になってきた』

 ええ、完全な濡れ衣ですね。

『さて、いつ行くかな。でも今助けてもお金を返さない限り永遠に追いかけられそう』

 いっその事お金返しちゃいます?

『そっか、その手もあるのか。でも金額を聞かない限り返しようがないんだけど』

 聞いてくれないでしょうか?

「一応聞きますが金額は?」

 おー、随分空気を読む人ですね。

『“おー”は流石に酷くない? もうちょっと驚く場面じゃない?』

 そうですか? 私は別にそうは感じませんが。

 それより今大切なのはそこではありません。

『そうだけどさぁ』

「聞きたいか?」

「ええ、聞かないよりはいいと思うので」

「聞いて驚くなよ? 八十万だ」

『随分借りたね』

 ギャンブル依存症と言ってもいいかもですね。

 この国のギャンブルはカジノが主流で始めようとすれば一銭から始められます。

 これがまた厄介で《もう一銭だけ》を繰り返す人が続出し、依存性になる確率が非常に高いのです。やがて金銭感覚が失われていき、万単位でお金をかけていく。

 このような背景があり悪徳業者にお金を借りる人が結構いるのです。

 でもこの業者は結構優しい方ですね。

 酷い場所だと利息100%/日とか平気であるので。

「さて、そろそろお話もいいだろう。蹴りをつけますか」

「い、イヤ!」

『ラーサ!』

 武装解放、神剣:天照(アマテラス)

 剣を取り出してすぐに屋根から降り、敵を切りつけました。

 仲間はいきなりの出来事に混乱、一部の人は剣を取り出し戦闘態勢へ移行。ですが私は目に見えない速さで動いているので手も足も出ません。

 そのまま全員を死なない程度に切りつけて戦闘は終了。

「大丈夫ですか?」

「は、はい。大丈夫です」

「ちょっとー、私も暴れたかったー」

 上にいたマスターが降りてきました。

「マスターはいつも暴れているので私も暴れさせてください」

「えー」

「あ、あのー」

 助けた女性が不思議そうな目でこちらを見ています。

 外なのにお行儀よく正座してますね。

 力が抜けて地面にペタンとなったのだと思いますけど。

「ありがとうございました」

「いいよ、それよりコイツらの後始末をしなきゃ行けないから先行ってていいよ」

「いいのですか?」

「うん。本当は手伝って欲しいけどさすがにこんな血だらけの人を相手にはしたくないでしょ?」

 コクと頷いたあと、女性はお辞儀をして去っていきました。

「さて、どうせ見ているんでしょ、お兄ちゃん?」

 え?

「あ、バレた?」

 どこからかは分かりませんが陰様の声がしました。

 全方位を見渡しても姿は見えません。

「ラーサも混乱してるから早く出てきてよ」

「はいはい」

 すると、私の目の前に急に姿を現しました。

 私はもっと混乱しました。

「あ、あの、いつからいました?」

「光が女性の話を聞き始めた頃から?」

「それほとんど最初じゃん、ストーカー」

「悪かったけどストーカーはひどくない? それに最初っから気づいてなかった?」

「私が気づいたのは今さっきだよ」

「そうなの?」

「さすがにそこまで敏感じゃないよ。人の気配は感じたけど」

「やっぱり気づいているじゃん」

「それは例外ですーだ」

「例外はズルいんじゃないの?」

「何故それを!?」

「あ、やっぱり思ってたんだ。何か光が言いそうだったから言ったけど」

 フフ、この二人はいつ見ても面白いですね。

「んで、いくら借りてたんだっけ?」

「八十万ですね」

「うーん、出頭させるか」

「それでいいんですか?」

「えーっとね、闇?」

『はいはい』

「あ、闇。でもなんでここで闇が出てくるの?」

「説明よろしく。詳しいことは闇から聞いてくれ。じゃあ俺は運ぶから」

『はーい』

 陰様は襲っていた男を全員持って飛んで行っちゃいました。

 私たちも帰路につき始めました。

『じゃあ説明しますよ。光が接触した段階でパソコンの機能でそいつらの情報を俺に送ってきてね』

『なにその機能』

『怪しい奴と接触するとそいつの情報を調べて送ってくるんだよ。そんな機能作った覚えはないけど』

 え、怖い。

『確かに少し怖いけど便利だから消してはいない。それは置いといて、ちょうど一緒にいたカシさんに見られてカシさんがそいつらの事務所に乗り込んだのね。そしたら多数の人質が発見されて、それをギルドに報告したら全員に拘束許可例が出た。だから全員捕まえることになったんだよね』

 なるほど。だから連れていったのですね。

『そういうこと。そろそろ帰ってきてね。もう遅いから』

「さっさと帰りますか」

「はい、マスター」

 一件落着ですね。


 家に帰るとマスターは疲れて寝てしまいました。

 私は服の洗濯をし、部屋着に着替えてマスターの隣に入りました。

 そして腕に抱きつくととてもポカポカしました。

「マスター、暖かいです♪」

 あれ? もっと暖かくなったような?

 ・・・気のせいですよね。

 フワァ、私もう眠いです。

「おやすみなさい、マスター」





 ・・・・・・・・・。

 はぁ、はぁ。

 危ない危ない、危うく寝れてないことがばれるところだった。

 それに暖かいですとか言われたら恥ずかしくて熱が上がっちゃった。

 冷汗も止まんない。

 急いで寝よう、そうしよう。

 ZZZZZZZzzzzzz........

「ばれてないとでもおもいましたかぁ~? ますたぁ~」

 !?

 ・・・寝言、だよね?

 それから、私は気にしすぎて寝れず、二時になってようやく眠りにつけましたとさ。

次回は本編にやっと移ります。

ですが同じ話を別の視点で書くのはもっっっっっっっっっっのすっっっっっごく大変で時間がかかるので月単位かかるかもしれませんが許してください。

皆さんが想像しているより大変で時間がかかるのですよ。

とにかくそんな感じなので時間をください。

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