アランメモ1:普通だといい一日です
これにもまだ出てきてない内容が含まれています。
十分ご注意を。
後誤字脱字あったらまじでごめんなさい。
一応点検はしていますが自分はあまり誤字脱字を見つけるのが得意ではなさそうです。
ZZZZZzzzzzz......
ZZZZZZZZzzzzzzz......
ん、うーん、もう七時ですか。
もう少し寝ていたかったです。
でも時間なので起きますか。
「ふわぁ。ついあくびが出てしまいました」
「ZZZZZZzzzzz.....」
「マスター、朝ですよ。起きてください」
「んー、もう十分だけー」
「あと十分で起きますか?」
「んー、多分起きるー」
珍しいですね。マスターは朝強いはずなので。
昨日は大変そうでしたからね。
でも今日は休みです。
だからといって長く寝ていい訳ではありませんけど。
あと十分何をしましょうか。
そういえばカシさんが『ファステストのマップを作ってくれないか? 期限はないから気が向いた時に作ってくれればいいぞ』と言っていましたね。
ちょうど暇なので作りますか。
そろそろ十分ですかね。
「マスター、起きてください。十分経ちましたよ」
「んー? もう?」
「そうですよ。早く起きてください」
「わかったー」
と言って、両手を差し出してきました。
「ひっぱってー」
・・・はい?
え? え?
「はーやーくー」
少し恥ずかしいです。
でもマスターの願いなら仕方ないですね。
「いよっしょっと」
「ありがとー。頭なでなでしてあげるー」
!?
「よしよーし、いいこいいこー」
「ん、んー!? も、もうやめてください!」
マスターは朝が強い代わりに弱い日は暴走したりします。
まだ人目がなくて良かったですがあったら自分は凄く恥ずかしいです。
人目がなければ嬉しいだけです。
恥ずかしいことには変わりまりませんが。
ですがこの状況になると簡単には治りません。
治す方法はひとつだけ、
「マスター、朝風呂はどうですか? 気持ちいいですよ」
朝風呂に入れることです。
部屋にお風呂が完備で助かりました。
「いいねー。つれてってー」
「いいですよ」
私はマスターの手を取って連れて行ってあげました。
「着きましたよ。ごゆっくり楽しんでくださいね。それでは自分はこれで」
「まってー」
洗面台から出ようとしたら手を引っ張られました。
「どうしました?」
「ふくぬがしてー」
・・・はい!?
「今なんと?」
「だーかーらー、ふくをぬがしてよー」
「いや、マスター? 自分で脱げますよね?」
いくらなんでも自分に任せるのはアレですよ。
「はーやーくー」
嗚呼、もうどうしようもありませんね。
許してくださいよ?
そして覚悟を決めて脱がし始めました。
なるべく体を見ないようにして。
「んー? なんでよこみてるの?」
「なるべく見ないようにですよ」
「みてもいいよー? そーれーにー、いつもみてるじゃん?」
確かに。いつもマスターの身体はコンマ一秒も欠かさず分析していますね。
いや、だからといって見ていい理由にはなりません。
「はい。終わりましたよ」
「ありがとー。お礼のキスしてあげるー」
「いや、大丈夫です」
「えー? まあいいやー。いってきまーす」
「行ってらっしゃいませ」
そしてマスターはお風呂に入っていきました。
そして自分も洗面台を後にし、鏡を見ると顔が真っ赤でした。
『朝から騒がしいね』
シス!? 見てたの!?
『うん。最初っから』
い、言わないでくださいね?
『大丈夫だよ。あれは不可抗力だからね。どう足掻いても結果は変わらないよ』
ふぅ。
『でも最後はよく回避出来たね』
確かに言われてみればそうかも。
『お疲れ様。お風呂見てみたけど我に返っているから多分大丈夫だよ』
良かったー。救われた。
『ははは。それじゃあ』
うん。
・・・もしかしたら少し後悔しているかもしれませんね。
そういえばなぜ自分は手で脱がせたのでしょうか?
思い出すだけで鼻血が出そうです。
『大丈夫? アランには早かったんじゃない?』
余計なお世話だよ。
マップ作りの続きをしているとマスターがお風呂から上がってきました。
「あ、マスター。お風呂どうでした?」
「・・・」
マスターの顔は真っ赤。
凄く気まずい。
「そ、その、ごめんね?」
「別にいいですよ。ただ、他の人にはやらないでくださいね? 陰様や闇様とかならともかく。さすがに他の人にこれは刺激が強すぎます」
「善処します」
マスター、可愛い。
「えっと、出かけようか?」
「お出かけですか?」
「うん、行く? せっかく休日だし」
「いいですね。でも何処へ?」
うーん、予想がつきませんね。
「ヒミツ。さ、行こうか」
そして私たちは外へ行きました。
ちなみに自分はマスターの中に戻りました。
「どうやって行きます?」
「列車で行こうか。ヘイ、タクシー!」
すると、上空からブレーキ音が鳴り響いてきました。
「人使いが荒いねぇ」
列車が止まり中から闇様が出てきました。
「ごめんね? 飛ぶよりこっちの方が楽だからさ」
「別にいいけどバッテリー満タンにしておいてね?」
「もちろん」
「それじゃあ後はアランがやってくれるから」
え? え? え!?
「じゃあね」
「うん、ありがとう」
え?
『大丈夫、目的地は設定してあるからさ』
はぁ。
本当に大丈夫なんですか?
『なんとかなるさ』
えぇ?
『すいませんね、ご主人様はこんな性格なので』
じゃあゼーシャも手伝ってよ。
『私はご主人様と一緒にいるので無理です』
はぁ。
『大丈夫ですよ。いざとなったら行きますか』
本当に?
『ホントですよ』
ならまあいいか。
「アラン?」
あ、ごめんなさい。行きましょうか。
着きましたよ。
着いた場所はある池の上空でした。
そして私は実体になってマスターの元へ行きました。
「ここだったんですね」
「うん。たまには顔を見せなきゃかなって」
「確かにそうですね」
そしてマスターと私は列車から飛び降りました。
「ひゃっほーう!」
「はわわわわわ」
いつまで経ってもなれません。
一体いつになったら慣れるのでしょうか?
早く慣れたいものです。
そして着陸すると、幻想的な雰囲気が漂ってきました。
いつ見ても綺麗です。
「おーい、みんなー。きたよー」
すると周りから精霊が姿を現してきてマスターの元へ近ずいて行きました。
「元気だった?」
「そっちこそ元気だった?」
「もちろん!」
精霊たちは下位精霊でも話すことは出来て、みんなマスターと仲良くなっています。
ちなみにここには色んな属性の精霊がいるけど水が中心です。
そう、ここは精霊たちが住み着いている精霊湖だったのです。
「ネーラスはいる?」
「ここにいるよ」
すると湖の真ん中に光が集まり一人の女性の姿をした精霊が現れました。
あの精霊は水の大精霊【アクア・ネーラス】。
マスターと契約した精霊です。
ここにいる精霊たちのお母さん的存在です。
どうやらマスターはネーラスに会いたかったようですね。
「どう? 私の力に慣れてきた?」
精霊と契約すると契約者はその精霊に属した力を宿します。
ただ強すぎて扱いきれず自滅してしまう例も少なくはありません。
「ぼちぼちって所かな。慣れてきてはいるけどまだ不格好だね」
「そうね、こんなに早く慣れるのも凄いのだからゆっくり使って行ければ一番いいね」
「そうだね。だんだん慣れていくよ」
「うん。そもそもあまり水属性を使っていなかったのだからこんなに早く扱えるようになったのは私も驚いたよ」
「そういうものなの?」
「そういうものだよ。あ、そうだ。アランくん?」
おっと、ここで自分ですか。
「はい、どうしました?」
「ちゃんと陽の世話はしてる?」
「自分の中では完璧にしています。ただ第三者から見てどう見えるかは別ですけど」
「ふふ、そんなことは気にしなくていいのよ。私だって陽が幸せなのはよく分かるわ」
精霊と契約するということは自分の身体を共有するということに近いので精霊は契約者の感情を直感で感じることができます。
なのでもしかしたら本人より分かるかもしれませんね。
「それなら安心ですね」
「さて、たまには私と訓練をしますか?」
「いいの!?」
「もちろん」
結構ネーラスは忙しいし、マスターも忙しいので特訓や訓練をする暇がないのです。
今日はたまたまちょうどいい時だったみたいですね。
さて、自分は何をしましょうか。
『アラン!』
あれ? どうしたの、シス?
『そっちに何人か森を荒そうとしているものが接近している!』
ええ!?
『こっちも今向かっているけど、どうも間に合いそうにない! 迎撃できそう?』
やろうと思えばできるけど。
『なら先に迎え撃っといて。なるはやで行く!』
了解。
「マスター、少し散歩してきます」
「りょうかーい」
そして走り出しました。
この湖は森の中の中心にあって、知る人ぞ知る観光地なのですが精霊がたくさんいることもあって狙われやすい場所でもあります。
いつもはネーラスが迎撃しているのですが今はマスターと訓練中。邪魔させるわけにはいきません。
森を出ると目の前には盗賊たちがこっちに向かってきている姿が見えてきました。
男女で構成された八名の集団で、武器は・・・見えませんね。
さて、何かをしゃべっているので聞いてみますか。
【空気振動感知】。
これは空気の振動を見て会話を把握するスキルです。
「本当にあんなちっぽけな森に金があるのか?」
「ああ、俺の信頼できるともによるとなんでも精霊たちが守っている果実があってそれがすごく儲かるらしい。しかも精霊を倒せばドロップアイテムが出てそのアイテムもすごく高く売れるらしい」
「まじかよ! それは行かないとな!」
「ああ、だが守りも堅いと聞いた」
「だからこんな大人数なんですね」
「そうだ。得た金は山分けだ。やってやるぞ。一攫千金のチャンスだ!」
「「「「「おうよ!」」」」」
ふーむ。
結構精鋭たちがそろっていそうですね。
困りますね。
やってやるしかないですね。
集中。魔法陣構築。敵を閉じ込めろ。
「んな、なんだこれは!?」
敵があやふやしているのでゆっくり近寄ることができますね。
「だ、誰だ! 誰が俺たちを閉じ込めているんだ!」
さあ、誰でしょう?
「どうやら結界魔法で閉じ込められたみたいですね」
「何とかできるか?」
「できますが少々時間がかかりますがよろしいでしょうか?」
「構わない」
わぉ。まさか魔法使いがいたとはね。
本当に精鋭たちが集まった感じだね。
いつ解けるかな? そんなに強くは作ってないから三分もあれば解くことができると思うけど。
そして十分後、やっと解除することができたみたい。
あれ? そんなに強く作ってないけど?
・・・まあいいか。
「お前か! 俺たちを閉じ込めたのは!」
おっと、気づいたら目の前まで迫っていましたね。
「ふふふ、俺たちに刃を向けるとどうなるかわかっているな?」
ほう、挑発ですか。それなら、
「うん? ボコボコにされるってこと?」
「ああそうだ。ガキにしては頭がさえているではないか」
・・・僕がガキ? 相当な自信を持っていますね。
体形は子供に見えても仕方がないですがあの結界魔法を作ることができるのは子供では不可能ということをわかっていないのでしょうか?
ここは挑発し返してみますか。子供の声で。
「僕はそんなに弱くないよ? 負けるのは君たちだよ、おっさん」
うんうん。おっさんが決定的な煽りになったみたいですね。
すると持っていた剣を構えて、
「お前相当死にたいらしいな」
と言ってきた。
その時には刃がこちらを向いていた。
「死ぬがいいさ!」
剣を思いっきりこちらに振ってきた。
馬鹿ですね。そんなに大きく振り上げたら隙しかないのに。
こういう馬鹿には威力が小さい魔法で十分です。
「【ブレイク】」
これは簡単に言えば金属の原子一つ一つを分離させ、まるで空気中に溶けていくように見える魔法ですね。
創造魔法では初歩的な魔法です。
難しかったでしょうか?
そして相手が持っていた剣は空気中に溶けていった。
「な、なに!」
溶けていくように見えるだけで実際には原子が地面に流れ込んでいって土の中の不純物となるだけ。
それでも普通の人からしたら不思議に思うでしょうけどね。
「ふ、なかなかやるじゃないか。だが数の暴力には勝てないだろう。お前ら、殺れ!」
一斉に敵がこっちに向かってきた。
さっき結界を解除した者も剣をもってこっちに来ている。
結局魔法は補助ですか。
そんなに大勢で来るならこっちも頑張りますよ。
「武装開放。寒暖差の秘剣:灼熱の猛吹雪」
寒暖差の秘剣は名前こそあまり格好良くないものの強さはお墨付きです。
誰のかというとシスです。
シスが言うなら正しいはずです。
自分はいつも剣は腰に掛けています。
普通の人からは見えませんけど。
これを食らってくたばってください。
「セントラス流:川雪崩」
川雪崩は川の水の上をかけていく雪崩のように進み敵をなぎ倒していくのでこう名付けられました。
「な、なんだ? 何が・・・どうなって?」
声がめちゃくちゃ震えていますが敵は全滅しました。最初に武器が無くなった人を除き。
「お前はいったい何者だ?」
ついに疑問はそこに行きますか。
答えてあげましょう。普通の声で。
「通りすがりの魔法使いです」
そして、男はハッっとしてみんなを担いで近くの町の方へ行きました。
一件落着。
シス、大丈夫だろうと思ってこっちに来るのやめたでしょう。
『あ、ばれた?』
バレバレだよ。
『いやーごめんごめん。なんか元気そうだったからつい』
まあいいけど。何も無かったから。
『そうそう。じゃ、そういうことで』
・・・はぁ。
まあいいか。
『アラン?』
はい、どうしました?
『そろそろ帰ろうよ』
はーい、今戻りますね。
今日はなんだかんだ普通ではなかったけど楽しい一日でした。
牛丼チェーン店のネギたま牛丼ってめちゃくちゃ美味しいですよね。
早くて安くて美味い牛丼チェーン店はやっぱり凄いですね。
ちなみに自分は味噌汁が付いてくるあのお店が好きです。




