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18-1話 みんなの荷造り(陰)

前回のあらすじ(17-2話):

やっと新幹線が完成して試験走行も終わった。今日は生徒に言うけど大丈夫かな?

「チュン、チュン」

 小鳥が鳴いている。もう朝か。

 そして案の定重いし血の流出量が書いてある。

 とりあえず起きよう。

 目を開けて体を起こす。

 やっぱり光が俺の血を吸っていた。でも今日はどうやら寝ているようだ。

 無意識でも俺の血を吸ってしまうとは。吸血鬼って恐ろしいな。

 人間と吸血鬼のハーフって考えた方がいいのかな?

 まあいいか。今はそんなことよりベットから出たい。

 出るためには光を退かす必要がある。

 光は今俺の血を吸っている。だから俺の首元に歯が刺さっている。

 これがなかなか取れない。変に力をかけると痛いだろうし慎重になっている。

 さてどうしたものか。

 そうだ。

 ワープで光だけ動かせればいいかも。

「ワープ」

 そして、少し引っかかった感覚はあったものの光の歯は無事俺から外れた。

 光はとりあえず俺の隣に寝かせている。

 光の歯が血で赤く染まっていて少し気味が悪いけど。

『陰、起きてる?』

 あ、陽だ。俺は起きてますよ。

『よかった。おはよう』

 おはよう。それで何の用で?

『闇に教えてもらったかもしれないけど明日出発することになったよ』

 ついに確定しましたか。

『うん。鸞さんから予定表が送られてきたから陰にも送るね』

 はいはい。

 確かに送られてきたけど紙じゃないんだ。

 送られきた予定表は視界内に表示されている。

 見やすいような見づらいような。よくわからない。

 これみんなに配るの?

『うん。生徒の分は印刷してあるみたいだよ。朝教室に置いておくって』

 なんだ。てっきり魔法で印刷してとか言われるかと。

『さすがに鸞さんでもそんなことはしないでしょ』

 それもそうか。そういえばシスはどこ行った?

『キッチンにでもいるんじゃない?』

 そうかも。行ってみるか。

『私が話したかったのはこれくらいだから』

 わかった。ありがとう。

『えへへ、どういたしまして♪』

 ・・・。

『なに? なんか文句ある?』

 いや、なんでもない。

 キッチンの方行く前に顔を洗うか。


 いやー、水が冷たい! 目が覚める!

 そういえばこの世界に来てから一か月以上がたったな。

 すっかりこの世界の生活にも慣れてきている。

 にしてもこの短期間でいろんなことがあったな。

 美春と美冬、いや古代竜の襲撃とか俺たちが英雄になるとか先生になるとか。

 前の世界より一つ一つの規模が大きくて最初はついていくのが精一杯だった。

 けれど今はカシさん、いや鸞さんって言った方がいいか。

 鸞さんや美春と美冬、シスといろんな人に手伝ってもらっている。

 これは本当にありがたいこと。

 前の世界では一人が良かったけど今はこうやっていろいろな人と接するのが楽しい。

 戦いはあったけれど残酷にはしないようにしている。

 けれどこれは今だけで今後残酷に必然的になってしまうかもしれない。

 そうなったときは覚悟を決めるしかない。

 でも俺はそうなったときに理性を保てるのだろうか?

 なんか心配になってきた。それでいろんな人を傷つけてしまうかもしれない。

 いったい俺はそのような状況下に立ったらいったいどう知ればいいんだ?

「その時は私が何とかしてあげるよ」

 あ、シス。

「もし陰がそんな状況に立っても、理性がなくなろうと、私が何とかしてあげるよ。けれど陰も努力してね。なるべく保てられるように」

 ・・・いいの?

「なんたって、私は陰専属の・・・専属の・・・うーん? なんて言ったらいいの?」

 え、ええっと・・・うーーーーーーん・・・なんだ?

「私はメイドってわけでもないし恋人ってわけでもないし」

 とりあえず付添人って感じでいいんじゃない?

「そうだね。私は陰専属の付添人!」

 なんか堂々と言っているけど格好良くはないような。本人がいいならいいか。

「それに、私だけが陰と一緒に行動しているわけではないしね」

「私たちもいるのだ!」

「もし陰がおかしくなっても私たちが何とかしてあげるよ」

 ・・・うん。ありがとう。

「さあ! こんな暗い話してないで早く朝ごはん食べよう!」

「お腹ペコペコなのだ!」

「光は起こしてきた方がいい?」

「うん、その方がいいかも」

「わかった」

「ミフ、私も行くのだ!」

「はいはい、走らないの」

 やっぱりいいね。これを家族というのかな。

 家族っていいね。

「ほら陰、食べよう」

「今行く!」

章の表記をおそらくこの話が投稿される時には変更してあると思います

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