11話 4つの教師と2つの子供
前回までのあらすじ:
いつの間にか街の英雄になっていた。カシさんに教師をしてと頼まれた。
この章は陽メインとなります
ですがバトルは陰中心です
「あの、カシさん」
「うん?どうした?」
「私たち本当にここで教師をするんですか?」
「そうだが何か問題でも?」
「デカすぎません?」
「いや、このあたりの地域をすべてカバーするにはこれくらい大きくないといけないんだ」
「ちなみに私たちの担当するクラスは何でしょう」
「特進受験に合格した100人だ」
「1クラスで?」
「そうだが」
「私死んだかも」
「大丈夫だよ、陽。正直俺もどうなるかわからないから」
「死なないようにはするから安心せい」
「「一番信用できない言葉です」」
今日は入学式の前日。カシさんの案内で学校の下見をしている。
でも学校に入る前に驚いてもう大変なことになっている。
私も陰も心配なことしかないからどうしようもないことになってる。
これ大丈夫かな?
『心配しなくても俺が姉さんの体調管理はするし教師は俺も光もいるんだから大丈夫でしょ』
『そうだよお姉ちゃん。心配しすぎだよ』
『そういえばインはなんで先生になることになったのだ?』
『それは姉さんと同じだよ、美春』
『なるほど。私はインが良ければ何でもいいのだ!』
『少しは何か考えなよ、ミハ』
『ミフが考えすぎなだけなのだ』
―はいはいそこまで!まだ続けたらシスお姉ちゃんが怒るよ!
『『は、はーい』』
―それでよろしい。
今のシスは陰のシスだね。急にこの会話に入ってくることがあるようになって美春と美冬のお世話係をしているみたい。
たまに私のシスにも手伝いをお願いするときがあるみたいだけど。
―あれぐらいお茶の子さいさいですよ、マスター。
それならいいけどさ。
―自分は子供が好きなのでうれしいぐらいです。
シスは子供が好きっと。
―マスター。何をしているのですか?
うん?何もしてないよ。
―何も隠していないですね。
も、もちろん。
―怪しいです、マスター。
あ、あああやしくなななんてないよ。
―なにかしましたね!
はい、メモしました。
―正直なマスターには少しのおしおきで済ましてあげましょう。
え?おしおきあるの?
「お前たちは何無言でにやにやしてるんだ?」
「いえ、なにも」
「本当か、陽?」
「本当ですって」
「まあいいだろ。みんなにマップを渡しておく。これから少し自由に回るといい。だが広いから気をつけろよ、迷っても知らないからな」
相当広いわね。すぐ迷いそうだよ。
―もし迷っても自分が何とかします。
そうだね。何かあったらよろしくね。
―一番は何も無いことです。
はい、頑張ります。
―それでこそマスターです♪
ここが私たちの教室ね。机が横に2つと縦に25個。
ひとつに四人って感じかな。
「まあ俺がこの思考になるってことは陽もいるよな」
「あれ、陰も来てたんだ」
「気になったからね。あと俺がいるってことはなんだと思う?」
「美春と美冬も?」
「そういうこと」
「随分広いのだ!」
「あんまりはしゃがないでね、ミハ」
「ミフも一緒に遊ぶのだ!」
「落ち着いて、二人とも」
「インに言われたらしょうがないのだ」
「陰も大変だね」
「ああ、大変だよ」
「お兄ちゃんならなんとかなると思うけどね」
「あれ?光と闇もいたの?」
「お兄ちゃんがいるってことは私もいるってことだよ」
「そうですか。あ、そうだ。明日入学式でしょ」
「そうだね」
「私、生徒として少しだけ潜ってみたいの」
「え?本当に言ってる?」
「うん」
「俺は心配だよ」
「そういうことなら俺もついて行くよ。それなら兄さんもいいでしょ」
「見えないように行くんだよ」
「もちろん。姉さんの青春は壊さないよ」
「なら決定だね。でもそうしたらいつ戻るの?」
「おそらくカシさんは入学式で俺たちを紹介するつもりだろう。英雄とか言われたからな。そこで前にも出ることになるだろう。そこで出ればいい」
「それで出なかったらどうするつもり、陰?」
「俺が何とかするよ。俺は後ろで飛んでるつもりだから」
「魔力見られない?」
「シスが全力でサポートしてくれるさ」
―私に丸投げとはね、陰。まあでもそれが私としては嬉しいんだけどさ。
「まあそういう事なら大丈夫そうだね」
「それじゃあ明日に備えて戻りますかね」
「ええ、そうしようか」
こんな感じかな?
―バッチリです、マスター。
身長は大丈夫そう?
―誤差の範囲内でしょう。少し大きい人ぐらいです。
なら大丈夫そうだね。じゃあ何かこの世界の学生が持ってそうなバックを作ってくれる?
―そう言うと思ってもう作ってあります。
さっすが!
―それでは行きましょう、もう時間がありません。
やばいやばい、急げ急げ!
「ご入学おめでとうございます!」「是非とも私たちの塾に入って魔法を伸ばしましょう!」「頑張ってね!お母さん応援してるよ!」
魔法にも塾があるんだ。
『ギャラリーが多い!』
闇にとっては大変かな。そういえばどこにいるの?
『姉さんの上』
上?本当だ。
『姉さんからは見えるようにしてあるから大丈夫だよ』
そうみたいね。
『ほら、もう講堂に着くよ』
うわぁ、なんかこの学校は一個一個が全部大きいね。
『それぐらい生徒がいるんでしょ』
教えられるかな?
「こんにちは」
「ひゃ!ど、どちら様で?」
「私は特進一年のリサだよ!あなたは?」
えっと、この時はなんて言えばいいのかな?
『とりあえず特進一年のカナとか言って誤魔化したら?』
そ、そうね。
「私は特進一年のカナよ」
「カナって言うんだ。同じクラスだね!」
「ええ、そうですね」
「ねえ隣に座っていい?」
「いいですよ」
―少しめんどくさい事になりましたね。
『ああ、これからどうなるかが楽しみだ』
―闇は楽しんでます?
『青春っていいじゃん』
―私には分かりません。
『それもそうか』
私で遊ばないでくれる?
―『遊んではいないと思う/います』。
あ、そうですか。
―ご主人様、あまりからかわないであげてください。女の子は意外と弱いんですよ。
闇のシスってご主人様って呼んでるんだ。へー。
『シス、なんで俺だけに話さないかな?』
―ご主人様なら別にいいと思いましたし、のちのち知ってしまうことなので今話した方が楽かと。
『それも一理あるけどさぁ』
「始まるよ」
「もうそんな時間ですか」
「初めに学校長の言葉です。皆さん席をお立ち下さい」
「あれは」
「学校長のカシ先生だね。ファステストにはあの人より強いひとはいないって言われているよ」
そんな人だったんだ。それに学校長だって聞いてないんだけど。
「皆さんお座り下さい。まずはご入学おめでとうございます。この学校の今年の入学生は四学年に分けさせていただいています。魔法の基本から学ぶ普通科を三学年、そして十分基本はできているのでそれを飛ばして魔法を磨いていく特進科が一学年といったふうに分けさせていただいています。どうやって分けたかは入学試験を行い判断しました。けっして下の学年だから弱い訳ではありません。この学校は普通科は六年、特進科は三年勉強を行います。特進一年と普通四年は同じレベルですが特進科と普通科では使う魔法が違うためクラスを分けています。レベルは同じなので差別はしないように。そしてこの学校は今年から始まる出来たての学校です。私も正直心配です。皆さんに教えられるか、教師をまとめられるかなどたくさんあります。ですが頼もしい六人が教師になってくれます。ちなみに全員私より数倍強いです」
カシさん、さすがに盛りすぎ。
「一体誰だろう?」「あいつじゃね?」「いや俺はあいつだと思うぞ」
会場が騒がしくなってきたよ。
「それではその六人に台に上がってもらいましょう」
私たちの出番か。
「まず一人目はヨウです!」
あ、まず私ですか。
「よいしょっと」
「ちょっと、席を立ってどうしたの?」
「ふふふ。私が陽だからだよ」
「へ?」
カシ、【飛行】起動。
―了解。【飛行】と同時に教師の服装に変更します。
「おい!なんか飛んでるヤツがいるぞ!」
「皆さん、今飛んでいる人がヨウです。皆さんご存知ファステスト英雄です!」
あーもう!なんでこんな登場の仕方になるかな?
『姉さんなら恥ずかしくないでしょ』
そういう問題じゃなくて!
よいしょっと。ステージに立つとなんか懐かしい気持ちがするな。
「ヨウ、自己紹介してくれ」
はい?
「え、えーっと、先程紹介された陽と申します。担当クラスは特進一年です。どうぞよろしくお願いします。あとひとつ、急ですが皆さん、この会場の魔力を感じてください。残りの五人が飛んでいますよ」
『おい、陽。まさか俺のことを指してないよな』
『もちろん陰のことだよ』
『おい!』
学校の教師になるまでの時間で魔力通信をみにつけておいたのでみんなに聞かれないで会話ができるようになった。
『私も巻き込まないでよ、お姉ちゃん』
『姉さんの願いならなんでもいいけど』
『今からなにかするのか?』
『自己紹介だよ、ミハ』
「そんなのどこにもいないぞ!」「何を言ってるんだ!」「ふざけるな!」
「ふざけてるのはお前らの方じゃないか?」
その言葉と一緒にある生徒の前に姿を現した。
ちょいちょい、闇、さすがに口が悪いよ。
『ちょっと我慢してて』
「お前たちは今は俺の魔力を感じられなかった。だからといってからかっていい訳では無い。それぐらい分かるだろう」
あーあ。こうなった闇は誰にも止められないよ。
「なんのためにここに入学したんだ?魔法を学ぶためであろう。今わからなくてもいい。これから実力を伸ばしていくとそのうち分かるようになるさ。おっと、言い忘れていたな。俺は闇だ。陽の弟だぞ。よろしく」
なんか思ってたよりエスカレートしなかったね。よかったよかった。良かった?
「それでは次の方はコウです!」
「やっほー。さっき紹介された光だよ。よろしくね」
「か、かわいい」「なんていえば分からないけどいい」
『この学校には変態しかいないのか』
気のせいだよ、陰。
『ほら、美春と美冬の出番だよ』
「もう私たちの番なの?」
「ほら行くよ、ミハ」
「幼くないか?」「なんか強そうに見えないよ」
「私は美春というのだ!」
「私は美冬だよ」
「「よろしくなのだ/ね」」
「さてあと一人になった訳だが、そろそろみんな誰かわかったな?そう、あと一人はインだ!」
『魔力隠蔽解除』
え?何してるの?そんなことしたらやばい事になるよ。
「なんだこの殺気は!」「膨大な魔力を感じる!」
「イン!やりすぎだ!」
「少しはお兄ちゃんの考えを聞いてください」
「俺は人前に出るのが苦手だから魔力を出しているが気にしないでくれると嬉しい。ここは魔法学校だから魔法を中心に学んでいく。俺たちの魔法と君たちの魔法はおそらく次元が違う。これは強さではなく発動方法の話だ。君たちの魔法をしっかり教えられるかは不安だが頑張っていくので安心してくれると嬉しい」
「え、えーそれでは自己紹介を終えたところである行事を発表させていただく。これから約半年後に魔法の学校内対抗戦がある。そこの競技のひとつに協力戦がある。その内容を発表する。内容はこの学校の生徒・教師全員でこの六人を倒すこだ!」
「は?」
え?
「うん?」
「はい?」
「あれ?みんなどうしたのだ?」
「驚いているんだよ。ミハもなにかリアクションはしようよ」
「え?」「はい?」「今なんて言った?」
「だから、みんなで六人を倒すんだぞ。ちなみに私も入る。これだけの人を集めても勝てるかは分からないがな」
「「「「はぁぁぁぁぁ!?」」」」
―これは大変になるね。
―マスターの精神状態が心配です。
―マスター、頑張ってください。
―ご主人様なら大丈夫ですよ。
「一体なんで叫んでいるのだ?」
「ミハはもっと陰以外の話を聞こうとしてよ」
これからも少し書き溜めて投稿する形になるかもしれません
その時は投稿日を小説のあらすじか活動報告に書くのでよろしくお願いします




