0話 2つの気持ちと合わさる前(陽)
これは「陽」ルートです
『俺はあっちのお店に行きたい!』
「いいや私はあっちのお店がいいわ!」
『前にお前の言うこと聞いてあげたから今回は俺!』
「はぁ?あれは聞いてあげたには入らないでしょ!そもそもそれより後にあなたの話を聞いていますよ!」
『いいやそれこそ聞いたに入りませーん』
「『なぜ私たち/俺たちはこんなことをする羽目になったのだろうか』」
それは約1ヶ月前のことでした。
「行ってきますわ」
「行ってらっしゃい」
グハ! ・・・やっぱりこの言葉を聞くだけで今日も頑張ろうと思えるわね。やる気回復! よし! 今日も頑張ろう!
私の名前は希北 陽。高校2年生の女子です。仕事もやっていてアイドルをやっています。周りの人たちからは大変でやりがいがない仕事と思われているそうですが、私はこの仕事が大好きです!
ちなみにさっき返事してくれた人は私の弟で高校1年生です。なんといっても可愛い。可愛すぎます。もしかしたら引かれているかもしれないですけどその弟の姿も好きです!
やはりおかしなことでしょうか?自分ではあまりわかりません。ですが相談できる人もいませんので心にとどめておくことしかできません。弟は知ってはいますけど相談は気まずいです。
私の両親は交通事故で他界してしまいました。そこにはあの人の両親も乗っていました。本当は親孝行したかったです。アイドルになれたのも両親のおかげなので。
それにしてもなぜ事故は起きたのでしょう?原因は私が苦しくなるので聞いていません。ですがそろそろ聞きたくなってきましたね。こんど彼に聞いてみましょうか。
「「あ」」
やっぱり今日も彼に会いましたね。隣の家から生年月日が完璧に同じな幼馴染の八丁 陰が出てきました。いつも一緒に出てくるのを狙って出て行っているので当たり前と言ったら当たり前なのかもしれません。はぁ、はぁ。彼といると興奮してしまいます。
生年月日が同じって不思議ですね。私の両親が狙っていたみたいです。彼の父親は反対しましたけど押し切られたそうです。3対1では勝てませんね。でも日常生活にはぜんぜん影響はないと思います。
何せ彼は友達が私しかいないので知られているどころが聞いてくる人もいません。作る気はないのでしょうか?友達はいた方がいいですし何より楽しいですから。でも一1人でのびのびしていても誰にも話しかけられないので少し羨ましいです。私もあのように1人でのびのびしたいです。
あら? 今日も変な顔をしていますね。やっぱりまたあのことを考えているのでしょうか?こんな時は本人に聞くことが1番です。
「ねぇ」
・・・不思議な顔をしていますね。いつもあなたから話はじめているから不思議だったのでしょうか?そんなに驚くことです? あなたの気持ちなんてすべてわかるから隠さなくてもいいのよ?
「今日もまた考えているでしょう?」
「・・・どうしてわかる」
図星でしたわね。何を考えているかというと、彼は交通事故で亡くなったのを相手のせいにしているみたいなのです。そのため毎日相手を恨みながら学校に登校しているみたいです。もしかしたら環境の問題かもしれないのに相手を恨むってどうでしょう。
なんていえばいいでしょう。すべて知っているとか言ったら引かれて私に見向きもしなくなるかもしれませんし。これはああいうしかないですね。
「毎日といっていいように見ているからわかるよ」
あ・・・。私やらかした気がします。誤解を招くような言い方をしてしまいました。やばいです。やばいです。やばいですよ!顔が今にも真っ赤になってしまう気がします。アイドルできたえたポーカーフェイスを使うときですね。ふぅ。落ち着け自分。そんなことを言っていると返事がきました。
「恥ずかしい気もするけどしょうがない気もするな」
やった!何とか回避でき―
あら?顔が真っ赤ですわ。必死にこらえようとしているみたいですけどめちゃくちゃ出ていますよ。
ふふふ。可愛いですね。このまま見ていたいですけどさすがに本人にも悪いので気を和ませる言葉を言っておきましょう。
「そんなこと考えてないでもっと明るくいこうよ」
「それができれば苦労はしないよ」
グハ! ま、まさかの即答ですか。でも顔をよく見ると笑顔になっていますね。良かったです。
今日は気分がいいです。仕事もうまくいく気がします!
今日もこれですか。校門の前には大勢の人がいます。ほぼ全員が私狙いです。
有名(?)なアイドルは大変です。ごめんね陰、私のせいでこんな人ごみの中に連れてきてしまって。毎日これだからいつかお礼をしてあげたいですね。と言ってもそんな機会が無いので無理やりにでも作ってやりますよ!最近の漫画にある異世界に行くと嫌でも作れそうですね。陰と一緒に異世界に行きたいな。
でも今思えば直接話せるのは登校中しかないのでは?そう考えると毎日を大切にしなきゃですね。あれ?登校中、男子と女子が1人づつ、何も起こらないはずが・・・ないですね。
私はいつでも待っていますよ、陰!でもなるべく誰にも見られていない状況がいいです。そこはわかってよね?
教室に行ってもやっぱり騒がしいですね。私としてはいいのですが隣のクラスが心配です。特に陰、彼は人混みやうるさい場所を嫌います。なので学校は苦でしょう。ですが来てもらわなきゃ困ります!
なるべく陰にとって快適な環境にするように努力しなければ。もし陰が来なくなったら・・・想像するだけで涙が出てきそう。でも私はアイドル! 涙は流してはいけない!
「アイドルって大変?」
「確かに大変だけどやりがいはあるよ。楽しくてやってるから」
「今は何の仕事しているの?」
「いまは特にないから体力作りをしているよ。何をやるにも体力は大事だからね」
「テレビに出る機会があったら私も出してよ」
「いやいや、さすがにそれはできないよ。でも観客者席の応募ならしてあげるよ」
女子たちが私にいろんなことを聞いてくる。今日は多いですね。あれ? 今度は男子も来ましたわよ? ほとんど来ないのに珍しいですね。
「ファンってどのくらいいます?」
「うーん、わからないけど1万人のライブは完売するね」
教室中から「おぉー」と言われた。さすがに恥ずかしい。でも決して顔には出さない。
「おーい、授業始まるぞー」
先生が来て、そういったわ。満足した人もいれば足りなさそうな人もいる。全員幸せにしたいのにこればっかりはどうしようもないかな。そう考えながら授業に臨むのが日課になってきています。
「おわったー」
「お疲れ、陽」
友達がそう言ってきました。
「うん、お疲れ」
このクラスには友達がたくさんいるのでもはや名前も覚えられないです。でも友達ってことは顔を見たら分かります。それだけは唯一の救いですね。なんだか今日は色んなことがあって疲れました。でも仕事には行かなければ。
「急げ急げ」
やってしまいましたわ! 今日はホームルームが遅くなってしまいました。これではプロデューサーを待たせてしまいます! それに遅くなったら門の前が渋滞してしまいます。これでは陰に被害が出てしまいます!
急いで帰りの準備をしてっと。て、なぜ今トイレに行きたくなってくるのですか!? ただでさせ急ぎたいって言うのに。ちゃちゃっと済ませてまければ!
まずいです。大勢の人が集まってしまっています。どうしましょう?
「ピロン♪」
スマホに通知? 何でしょう?
『裏から出てきてください。それからあの場所で集合です』
学校から事務所に送ってくれる人からのメッセージだった。急いでばれないように裏に回るしかないですね。陰の真似をして抜けていきましょう。
なんとか回避できました。ですがまだ壁はあります。網が貼ってあるのです。ですが網の前にはタイミングが良すぎるようにトランポリンが置いてあります。裏口から回るときはいつも置いといてくれています。学校側がやってくれているのかな?誰にしても感謝しかないです。
・・・何度やっても少し覚悟がいります。ですが反対側には衝撃を吸収してくれる物があるので痛くはありません。ふぅ。よし、行きましょう。
「とう!」
~20:00頃~
「た、ただいま」
「お帰り、姉さん」
な、な、なんでなの? 何で疲れが癒されないの? いつもならこれを聞いただけで体力は全回復するのに。
あ、やばい。疲れでもう動けないわ。どうしよう?倒れちゃう。だれか助けてくださーい!
「あ―」
ついに倒れてしまった。かと思ったら頭が床についていない。あら?一体何が―
「姉さん、倒れるなら早くいってよ。ガードが間に合わないじゃん。それにしても姉さんが倒れるのは珍しいね。何かあった?」
キャー――――! 目の前に、目の前に弟がいる。弟がいる! 私に弟に守られわしたわ! こんなに幸せなことはないですわ! やばです、やばいです、やばいです! めっちゃかっこいいです!
「ごめん。今日は疲れが全然取れなくて気づいたら倒れてしまってたよ」
「それならまだいいけど姉さんが倒れてしまったら誰が支えるのさ? 誰が俺を支えてくれるのさ」
それはもちろんわ・た・し・です!でも倒れたらどうしようもないですね。幸い明日は休みだからゆっくり休みましょう。
「ごめんね、いつも迷惑かけて」
「うん?これぐらい迷惑に入らないよ」
「そう?」
「うん」
なんといいことを言うのです!?おねえちゃん今日は幸せです♪
「さあご飯食べよ。それとも先お風呂入る?」
「先にご飯で。それにまたせてしまっているでしょう?早く食べましょう」
「別に待ってないけど、姉さんがそういうならそうしようかな」
わぁ!本当に今日は幸せですわ!そう言ってくれると本当にやばいですよ?
「今日はそんなに豪華じゃないけど許してね」
「大丈夫よ。食べれるだけで幸せだから」
「なら良かった。温めてくるね」
はぁはぁ。この後姿がすごくいいですね。
「「いただきます」」
きょうの料理はサラダ・味噌汁・生姜焼き・白米の4つ。これ豪華なのでは?弟はいったい何を言っているのかな?でもこれも好きです。
「姉さん、テレビつけていい?」
「いいわよ」
「ピ♪」
テレビをつけてニュースがやっているチャンネルにします。あら?何やらバタバタしていますわ?
『えー、失礼いたしました。ここで速報です。突然宇宙に隕石と思われる謎の物体が現れたそうです。原因・詳細はわかっていません。現在専門家が解析・調査を急いでいます。解析結果は最短で1時間後にわかるとのことです。なお隕石が現れる予兆は今の所なかったということです』
「えぇ!?」
「うん?どうしたの姉さん?」
「いや、テレビ」
「テレビ? ・・・はぁ? 隕石? いったいどうして」
その前におねえちゃんはさっきの「はぁ?」で行動不能になってしまいますわ。急にはずるいですわ!
隕石ですか。これ地球に当たるのでしょうか?当たったらどうなってしまいますの?もしかしたら―
いいや、今は怖いことは考えないでおきましょう。
「姉さん」
「どうした?」
「俺、怖いよ」
わお! 弟にも怖いことはあるのね。初めて知りましたわ。これはおねえちゃんが勇気をつけておかなければ! あ、そうだ。トイッタ―にも上げて全国の人にも元気を与えましょう。まずは弟から。
「大丈夫。まだこれがどんな影響がでるかはわからないけど」
「うん」
ここでなるべくスマイルです。スマイル。スマイル。よし、
「今は普通に生活していましょ」
「そう、だね。今はまだわからないもんね」
! 今の顔最高ですわ!
「さあ食べちゃいましょう」
「うん、姉さん」
さっき言った言葉をトイッターにもあげる。わあ、思ったより炎上していますわ。私が沈めてあげましょう!でもこの件、これから何か大きな事がせまっているということでしょうか?
お風呂気持ちよかったですわ。シャンプーが切れてたのは驚きましたけど。
「あ、姉さん。お疲れ?なんていえばいいのかわからないよ」
「うん、私もわからない。ところで隕石どういう状況?」
「うん、まだ何も新しい情報はないよ」
1時間と言っていたのにまだなのですか。早く出てほしい気もするし出てほしくない気もします。複雑ですね。
「そっか。とりあえず今日は寝よう」
「うん、姉さん」
部屋は別々なのでここで挨拶しておく。
「おやすみ」
「おやすみ、姉さん」
嗚呼、幸せですわー
全然寝れない。布団に入ってからもう15分経っているのに寝れない。どうしましょう。弟の部屋に行ってみますかね。
「コンコン」
「ねぇ、起きてる?」
急に扉が開いた。びっくりしましたわ!
「どうしたの、姉さん?」
「全然寝れなくてさ」
「それでここに来たの?」
「うん」
「とりあえず入りな、姉さん」
久しぶりに入りましたわ。綺麗ですわね。しっかりかたづけされていますね。いいことです。
「・・・一緒に寝る?」
え!? 今なんて言いました!? そんなこと言われたら私興奮が抑えられないですわよ?
「え? いいの?」
「姉さんが良ければ」
ダメっていうわけないじゃないですか!お言葉に甘えてしまいましょう!
「じゃあ、お願い・・・します」
「久しぶりだね、2人で寝るの」
「ええ、そうですわね」
「姉さん、家の中なんだから普通にしゃべっていいんだよ?」
「いいえ、場所で区別すると慣れで間違ってしまうかもしれませんので」
「やっぱすごいや、姉さん」
「えへへ、それほどでも。あ、」
「よし、姉さんに勝った」
「あぁ! やってしまいましたわ!」
「あはは、やっぱり姉さんらしいね」
「え? どこが?」
「ぜ・ん・ぶ」
ひゃう!? 恥ずかしいですわ! めちゃくちゃ恥ずかしいですわ!
「姉さん、顔に出てる」
「ふ、不可抗力ですわ!」
「まあまあ、怒らないで」
「怒りますよ!」
「ちょっと、さすがにもうやめてよ」
「むぅ」
やっぱり勝てないですね。でもそろそろ寝たいです。
「もう寝ようって? 姉さん」
「え? ばれてる?」
「姉さんのことは何でもわかるよ」
「もう」
「はいはい、寝ようよ、姉さん」
「・・・うん、おやすみ」
「おやすみ、姉さん」
陰のことはわかっても弟のことはわかりませんわ。
いつになったら勝てるのでしょうか。いつかは勝ちたいです。そんなこと思ったら寝ちゃいそうです。
おやすみなさいこの世界。
ここまで見てくれてありがとうございます。
この物語は「自分の理想」を小説にした感じになっています。
なので明らかにおかしい所もあるかもしれませんが気にしないでくれるとありがたいです。
陽はブラコンって言ったらいいでしょうかね?
何か違う気もしますけど。
ちなみに弟にはカッコイイ自覚はないそうです。
弟の名前はあえて出していません。
ですが物語が進んでいくと後々わかるので楽しみにしていてください!
「陰」コースもみていただけると2人の後々大切になってくる【スキル】や性格がわかってきます。
誤字脱字があったらすいません。
それでは別の話で会いましょう。




